沖縄の米軍オスプレイが墜落したことにより、反基地闘争が激化。事故をゴルゴの仕業と睨んだ基地指揮官のマーチン大佐は、沖縄にいたゴルゴの殺害を画策するのだが…。反基地運動の激化、辺野古基地の問題に切り込んだ表題作、「琉球の羊」。ほか、認知症の老人が過去の記憶にまつわることに苛まれたのを目の当たりにした彼の息子は、それが彼がシベリア抑留での出来事にあることを知り…。「涙も凍る」。

 フィリピン大統領は報奨金での麻薬撲滅対策に力を注いできたが、その結果自警団が横行、警察や軍を凌ぐ勢いになってしまった。自警団の殲滅を依頼されたゴルゴは、自警団にいた女を探し出すのだが…「魔女の銃弾」の3本を収録。

 20年前に琉球独立を阻んだゴルゴだったが、それから対して解決を見ていないのは情勢の変化もさることながら、何とも忸怩たる思いを一国民として抱えてしまうが、一庶民としてはいい考えというのはなかなかないものだと痛感する。