広川ひかるでものまねタレントとしてデビュー、上島竜兵と結婚してから死別を経ての今を書いたエッセイだ。

 アメトークの竜兵会の話を見るにつけ、皆に愛された芸人だということは理解していたし、いじられるキャラクターを面白がっていたのかとも思えたが、その実繊細なところもある人だったというのは読んでみて理解したし、コロナ禍は直接に志村けんという偉大なコメディアンを喪わせたが、一連の騒動で上島竜兵という芸人も喪ってしまったのだといえる。

 上島竜兵が自身の拠り所となっていたものが喪われたことや、自身の責任感や不安や怒りが、積み重なって熾火のように中で燻っていた状態だったのかなとも思え、思い当たったものをm¥思うと光さんの無念さや悔しさは想像するに余りある。

 「いききった」ともいえるかもしれないが、人生のしまい方として「ばかやろう」でもあり、もっと活躍してほしかったと改めて思いながら、読了。