『ヤジと民主主義』 | ある人の野球観戦記

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アマチュア野球観戦を主に取り上げている、雑記文です。

 制作・編集・監督山﨑裕侍。

 北海道放送報道部が4年間にわたるヤジ排除問題を採り上げたドキュメンタリー映画。知事選挙の応援演説に駆け付けた安倍総理の演説に対し、ヤジを飛ばした事で排除された事で道を相手取って訴訟を起こして法廷闘争を展開する様相をあらわしたもの。

 プラカードを持って意思表示をしている人を妨害したり、行き過ぎた排除に取られかねない行動をしたりたりだとか、公表した文書の殆どが黒塗りだという道警は、裏金や拳銃不正から相変わらず自浄作用が無いなという慨嘆するばかりというところもあるし、警察庁の人間が安倍総理の秘書官を務めている事実関係をみると、おべんちゃらとしか言いようがない人を使うのはどうよというのはあるが、とはいえ官僚の人事を細々安倍総理が容喙しているとも思えないのだが。

 選挙のときにヤジをとばして、演説を聞こうとしている人間に対してはどうなんだという思いがある。権利を言い立てるのは自由だが、聞こうとしている相手の事を何一つ考えてないじゃないかという釈然とする思いに何一つ応えないというのは一方的で、不実ではないのかというのはある。当事者の一人は「どうやって言葉をとどけるのか、ヤジという方法をとらざるを得ない面がある」というが、「お前の方法は駄目じゃん」としか言えませんな。見ている人の大多数は抑圧的な世相を心配する声が大半なのだろうが、相手の意見を無視している方法もフェアじゃない。


 蛇足ながら頭に来たのは、見ている後ろから足を組み替えるために背中に当たっているのだろうが、始終蹴られた事だった。