山﨑努『「俳優」の肩ごしに』日本経済新聞出版 2022年 いかにも本人が語っているように読める文体が、その含蓄の深さと相まって心地良い。 市井の人間は、知る手段はテレビくらいのものでしか無いし、私が初めて知ったのはクレスタのCMだったが、後に映画やドラマを見て、凄い俳優だと認識したという何とも田舎者だったわけで、読んで交友関係など知ることで、また改めて凄さを知った。 喜怒哀楽を見せずして感情を表現する俳優というイメージだが、淡々と語るような文章は、ダンディズムの発露といえ、俳優という表現者としての情熱を感じさせながらも洒脱という面白さ。