戦後の新興宗教でセンセーショナルな扱いをされた璽光尊。
 なぜ稀代の大横綱が「ハマって」いったのかを周辺取材から丹念に綴った。
 角界や碁の世界ではタブー視されわからないことが多いだけに、こうであろう視点を見出したことでも今までに至る宗教に纏わる事件を検証する意味でも意義深い。
 なぜハマっていくのかを考えると、終戦,天皇の所謂人間宣言とそれまでの拠り所を180°否定されて受け入れるということは、折り合いのつけ具合があると言いながら中々に難しいものがあったのだろう事は想像にかたくない。
 だからこそ本書にも取り上げられている自称天皇が雨後の筍のようになったのだろうし。