プロ野球選手も現役を退くときは必ずやって来るのだが、満足できる形で辞められるのはほんの僅かで、活躍できなかったり一時活躍しても故障で馘、戦力外通告を受ける人が大半だ。
    若くして受ける、整理されて馘首されるといった経験は年の差こそあれ誰でもあり得るが、プロ野球と言う限られた世界でそれを経験したことは中々に得難いことに違いない。
   佐伯貴弘が「悲劇なのか面白くするのかは自分次第」と述べたように、大いに面白く生きてきた人たちを取り上げている。
   その取り上げ方は、自身も同じ境遇に身を置いた人ならでの斬り込み方で、同じ境遇を知る者の暖かみがある。