今回は方べきの定理について扱います。まずは方べきの定理について確認しましょう。

 

 経験上、数学に慣れていない人ほど方べきの定理に気づかないことが多いです。

 さらに問題の導入部分で用いることがほとんどなので、なかなか気づけず時間が足りなくなったり、その大問ごとまるまる落としてしまったりしたことがある人もいると思います。

 ここで皆さんに身に着けてほしいのは、「円があるから方べきの定理を使うかも...」という意識です。このちょっとした意識だけで解ける問題の幅はだいぶ広がります。結果的に方べきの定理を使わなかったとしても、確かめに時間はあまり使わないので邪魔にもなりません。

 ぜひ今回でこの意識を身に着けてください。それでは問題を解いてみましょう。

 

〈問題〉

∠B = 90°である直角三角形ABCがある。BCを直径とする円OとACの交点をPとする。

また、AB=4 , BC=3である。

(1) APの長さを求めよ。

 

PからBCに垂線を下ろし、その交点をHとする。

さらにAHとBPの交点をQとする。

 

(2) CHの長さを求めよ。

(3) △PQHの面積を素因数分解した形で求めよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

〈解説〉

                    

(1) まずは△ABCにおいて三平方の定理より

この問題においては上の方べきの定理のパターンの③が使える。

(2) (1)より

上図より、△PHB ∽ △ABCなので

 

(3)

△PHB ∽ △ABCより

CH : CB = CP : CA = PH : AB = 9 : 25 なので

 あとはPQ : QBが求まれば、△PQHの面積は比で求まる。

             

△BPCと直線AHについて、メネラウスの定理より

よって PQ : QB = 9 : 25

 

△BPHと△PQHは、それぞれBP , QPを底辺とすると高さが等しいので

△BPH : △PQH = BP : QP = 34 : 9

 

 

 いかがでしたでしょうか?

「円があれば方べきの定理に要注意!」 参考にしてみてください。

 

 

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