[答1873] 円の半径


 円周上に点A,B,C,Dがこの順にあって、ACとBDの交点をPとします。
1873-円の半径0
 AB=17 ,CD=65 ,∠APB=60゚ のとき、この円の半径は?


[解答1]

 この円の半径をRとします。

 △ABP∽△DCP だから、BP:CP=AB:DC=17:65 になり、BP=17k ,CP=65k とすれば、

 △ABPで正弦定理より、17/sin60゚=17k/sin∠A 、17sin∠A=17ksin60゚ 、2sin∠A=k√3 、

 △BCPで余弦定理より、BC2=(17k)2+(65k)2-2(17k)(65k)cos120゚=5619k2 、BC=k√5619 、

 △ABPで正弦定理より、R=BC/(2sin∠A)=(k√5619)/(k√3)=√1873 です。


[解答2]

 弧ABの円周角 ∠ACB と 弧CDの円周角 ∠CBD を加えると、

 

 ∠ACB+∠CBD=∠APB=60゚ ですので、
1873-円の半径
 右図のように、弧AE=弧CD を満たすように点Eをとれば、弧BAEの円周角は 60゚ です。

 BCを1辺とする正三角形を描けば、この円の半径は BE/√3 です。

 60゚,120゚ の内角をもつ三角形の面積は はさむ2辺の積に比例するので、

 BE2=3・17・65+(65-17)2=3・17・65+48・48 、

 BE2/3=17・65+16・48=1873 、BE/√3=√1873 です。


[参考] たけちゃんさんのコメントより

 [0] 劣弧DA上にQを,DQ=BA となるようにとる.

   四角形ABDQは AQ//BD の等脚台形となり,∠BDQ=∠DBA=∠DCA.

   よって,∠QDC=∠DCA+∠CDB=180゚-∠CPD=120゚.

   余弦定理を用いて,

   CQ2=652+172-2・65・17・cos120゚=652+172+65・17=5619 であり,

   正弦定理より,求める半径は (√5619)/(2sin120゚)=(√5619)/(√3)=√1873.

 (考察)

   円上で,CD=65 である弦CDを固定し,

   AB=17 である弦ABを,A,B,C,Dがこの順に並ぶように動かす.

   AC,BDの交点をPとする.

   ∠ACB,∠CBDも一定であり,その和である∠CPDも一定.

   よって,弦ABは,考察しやすい位置に移して考えてよい.

1873-円の半径考察

 [0]は,AをDに近づけた極限を考えたのと同じことになる.

   また,以下のようにも解けることになる.

 [1] AB//DCとなるようにABをとれば,

   △ABP,△CDPはともに正三角形となり,

   AD=√5619,∠ACD=60゚ から,同じ結論が得られる.

 [2] BCが直径となるようにABをとれば,

   ∠BAC=∠BDC=90゚ となり,

   BP=17/sin60゚=34/√3,CP=65/sin60゚=130/√3となり,

   (BC/2)√3=√(652+172-65・17)=√5619

   から,求める半径は,BC/2=√1873.

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