[答1831] 絶対値の最大・最小
実数 x,y が |x|+|y|=1 を満たすとき、|6x-2y|+|21x-10y| の最大値,最小値は?
また、そのときの (x,y)は?
[解答1]
z=|6x-2y|+|21x-10y| ,|x|=X ,|y|=Y とします。
まず、Y=1-X≧0 だから 0≦X≦1 です。
xy≧0 のとき x,y は同符号 または 0 だから、
z=|6X-2Y|+|21X-10Y|=|6X-2(1-X)|+|21X-10(1-X)|=|8X-2|+|31X-10|
0≦X≦1/4 のとき z=-39X+12 ,1/4≦X≦10/31 のとき z=-23X+8 ,
10/31≦X≦1 のとき z=39X-12 ですので、最大・最小の候補は、
X=0 のとき z=12 ,X=10/31 のとき z=18/31 ,X=1 のとき z=27 です。
xy≦0 のとき x,y は異符号 または 0 だから、
z=|6X+2Y|+|21X+10Y|=|6X+2(1-X)|+|21X+10(1-X)|=|4X+2|+|11X+10|
=15X+12
ですので、最大・最小の候補は、X=0 のとき z=12 ,X=1 のとき z=27 です。
まとめて、最大値 27 (x,y)=(±1,0)のとき、
最小値 18/31 (x,y)=(±10/31,±21/31) (複号同順)のとき
[解答2]
|x|+|y|=k (k>0) は xy平面上で (±k,0),(0,±k) を頂点とする正方形(の周囲)です。
6x-2y=a ,21x-10y=b とおけば、x=(5a-b)/9 ,y=(7a-2b)/6 だから、
|(5a-b)/9|+|(7a-2b)/6|=1 、すなわち、|10a-2b|+|21a-6b|=18 のときの、
|a|+|b| の最大値,最小値を求めることになります。
(x,y)=(1,0) のとき (a,b)=(6,21) ,(x,y)=(0,1) のとき (a,b)=(-2,-10) ,
(x,y)=(-1,0) のとき (a,b)=(-6,-21) ,(x,y)=(0,-1) のとき (a,b)=(2,10) 、
|10a-2b|+|21a-6b|=18 を場合分けして計算すると、a,b の1次式だから、ab平面上で
いずれも線分になり、グラフは、(6,21),(-2,-10),(-6,-21),(2,10) を
頂点とする平行四辺形(の周囲)になります。
よって、(a,b)=(±6,±21) のとき |a|+|b| の最大値は 27 で、
(x,y)=((5a-b)/9,(7a-2b)/6)=(±1,0) のときです。
また、(6,21)と(-2,-10),(-6,-21)と(2,10) を通る直線の傾きは 31/8>1 だから、
|a|+|b| が最小になるのは a軸上にあるときで、|10a-2b|+|21a-6b|=18 で b=0 とし、
|10a|+|21a|=18 、31|a|=18 、|a|=18/31 、|a|+|b|=18/31 で、
(x,y)=((5a-b)/9,(7a-2b)/6)=(±10/31,±21/31) (複号同順) のときです。
まとめて、最大値 27 (x,y)=(±1,0)のとき、
最小値 18/31 (x,y)=(±10/31,±21/31) (複号同順)のとき
[参考]
最大値だけであれば、三角不等式より、
|6x-2y|≦|6x|+|-2y|=6|x|+2|y|=6|x|+2(1-|x|)=4|x|+2 、
|21x-10y|≦|21x|+|-10y|=21|x|+10|y|=21|x|+10(1-|x|)=11|x|+10 だから、
|6x-2y|+|21x-10y|≦15|x|+12≦15+12=27 (0≦|x|≦1 より)
x=±1 ,y=0 のとき 最大値 27 と求められます。
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