学校で使う教科書や教材を小型のパソコン（ＰＣ）や電子端末に納めて「デジタル教科書」にする―そんな構想を政府が進めているらしい。
２０１５年を目標に全国の小中学生全員に配備する計画だ。実現すれば、５年後には教室の風景が一変するだろう。教科書のデジタル化は、昨年夏の衆院選に際、民主党政策集に登場した。原口総務相が暮れに発表した「原口ビジョン」で１５年の導入を明言した。
総務省は、モデル小学校１０校でタブレットＰＣなどを使った実証実験を、近く始める予定だ。
学校へのＰＣ、ネットワーク（校内ＬＡＮ）整備や電子黒板の普及などでＩＣＴ（情報通信技術）化を進めてきた文部科学省にしてみれば、デジタル教科書で総務省に一歩先んじられた格好だ。
両省が競合する中で、肝心の教育面の論議が置き去りにされるようでは本末転倒である。
文科省のコメントはまだ発せられていない。1年も経過しているのになぜノーと言えないのだろうか！
デジタル教科書が子供たちの教育にどんな功罪をもたらすか。日常的な使用が心身に悪影響を及ぼさないか。そうした点に、徹底した検証と議論が必要だろう。どうしたんだ文科省！しっかりして下さい文科省！
私はアナログ派なんです。紙面にカラフルなラインをつけながら、印象度によって、気になるところを塗って行く、欄外には関連事項を注釈として記しながら楽しい、オリジナル教科書を作って行く…こうすることで理解力を上げ、自分のものになるのでは？
紙の教科書こそ子供の学びにふさわしいという声も根強い。今の教科書は、教科用図書として発行されることを前提に、学習指導要領にのっとって編集され、文科省の検定を受けている。
米国で最近、情報機器の常時使用による「注意力散漫」「ディスプレー中毒」などが問題になっていることを指摘し、子供の体や情緒、姿勢、視力などに悪影響がないかを調査すべきだと主張する慎重派の研究者もいる。
一方、導入推進派は効用を説く。語学でネイティブの発音が聞ける、ドリル学習などが効率的にできる、情報活用力が高まり、学力向上にもつながる。そうした利便性が確認されるなら、それを生かす方法を考えるのもいいだろう。
機能やコンテンツに拡張性があるデジタル教科書が取って代われば、検定制度の抜本的見直しも迫られるだろう。
全員に配備というのは海外でも例のない取り組みだ。それだけに慎重な議論が必要だ。
２０１５年を目標に全国の小中学生全員に配備する計画だ。実現すれば、５年後には教室の風景が一変するだろう。教科書のデジタル化は、昨年夏の衆院選に際、民主党政策集に登場した。原口総務相が暮れに発表した「原口ビジョン」で１５年の導入を明言した。
総務省は、モデル小学校１０校でタブレットＰＣなどを使った実証実験を、近く始める予定だ。
学校へのＰＣ、ネットワーク（校内ＬＡＮ）整備や電子黒板の普及などでＩＣＴ（情報通信技術）化を進めてきた文部科学省にしてみれば、デジタル教科書で総務省に一歩先んじられた格好だ。
両省が競合する中で、肝心の教育面の論議が置き去りにされるようでは本末転倒である。
文科省のコメントはまだ発せられていない。1年も経過しているのになぜノーと言えないのだろうか！
デジタル教科書が子供たちの教育にどんな功罪をもたらすか。日常的な使用が心身に悪影響を及ぼさないか。そうした点に、徹底した検証と議論が必要だろう。どうしたんだ文科省！しっかりして下さい文科省！
私はアナログ派なんです。紙面にカラフルなラインをつけながら、印象度によって、気になるところを塗って行く、欄外には関連事項を注釈として記しながら楽しい、オリジナル教科書を作って行く…こうすることで理解力を上げ、自分のものになるのでは？
紙の教科書こそ子供の学びにふさわしいという声も根強い。今の教科書は、教科用図書として発行されることを前提に、学習指導要領にのっとって編集され、文科省の検定を受けている。
米国で最近、情報機器の常時使用による「注意力散漫」「ディスプレー中毒」などが問題になっていることを指摘し、子供の体や情緒、姿勢、視力などに悪影響がないかを調査すべきだと主張する慎重派の研究者もいる。
一方、導入推進派は効用を説く。語学でネイティブの発音が聞ける、ドリル学習などが効率的にできる、情報活用力が高まり、学力向上にもつながる。そうした利便性が確認されるなら、それを生かす方法を考えるのもいいだろう。
機能やコンテンツに拡張性があるデジタル教科書が取って代われば、検定制度の抜本的見直しも迫られるだろう。
全員に配備というのは海外でも例のない取り組みだ。それだけに慎重な議論が必要だ。