管制室の隣にあるモニター室へ、研究者たちがゾロゾロと向かった。歴史学者は、古事記のコピーを持参している。
キーボードに、管制室と同じく『YEAR:-13,700,000,000』とキーボードに打ち込んでEnterキーを打ち込むと、真っ暗だったモニター室が一気明るくなった。
モニターには、赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の点が、まるで油を使った万華鏡のように、ゆっくりとうごめいている。ある天文学者は、「これはビッグバン前かもしれないね……」と呟いた。
暫くすると、煌めくモニターの中に、直立する人影のようなものが現れた。ハッキリした姿までは見えないが、少しうつむきながら合掌しているようにも見える。すると彼(?)は、ゆっくりと顔を上げ、ポンと手を叩く……間もなくモニターの鮮やかな点はカタカタと震え始めると、一気にモニターの外へ外へと広がり始めた。この映像を見て、天文学者は「ビッグバンだ!」と叫び、歴史学者は「あの影はまさか“アメノミナカヌシノ神”か……」と驚いた。
“いざなき1号”のプログラム通り、“YEAR”の後の数字は一気にカウントアップを始めた。先ほどの影が2つに分かれると、さっきまでのキラキラした点は霞のようにモヤモヤしながら真っ暗な空間へと広がる。歴史学者は、「タカミムスビとカミスムビの姿に変わった……」と語った。
数字が『-12,900,000,000』辺りで、霞のようなものがいくつかの塊になり始めると、天文学者は「これが最初の銀河の誕生か……」と、涙を浮かべ始めた。すると2つの影は共に姿を変え、片方はその場で手を交差し始め、もう片方はそれぞれの銀河を駆け巡り始めた。
『-4,600,000,000』ほどになり銀河の光がハッキリし始めると、手を交差していた影はどこかに消えた。“いざなき1号”はもう一方の影を探すと、影はある恒星から外に向かって、何かを調べるように点々と飛び回っていた。そして恒星から数えて2つ目・3つ目・4つ目の惑星をじっくり調べ終えると、3つ目の惑星の上に落ち着いた。天文学者が「これは、もしかして地球か!」と腕を組みながら頷くと、歴史学者は「もし天文学者さんの話が正しければ、手を交差して消えたのが、土地や星を作り上げたクニノトコタチノ神・そして惑星の上に立つのが、富を生むトヨクモノと考えていいでしょう」と返した。
『-4,550,000,000』になると、1つの影が5組10体の人に近い姿へと分裂した。彼らの内、1組は遠くへ・3組は地球へ・残る1組はその場に留まった。留まった1組は1本の矛で地球の一部をかき混ぜヒョイっと引き上げると、地球よりも小さな丸い星が生まれた……月の誕生である。その様子を見た歴史学者は、「この行動……イザナキとイザナミで間違いありません!」と、涙を流しながら訴えた。
すると、“いざなき1号”は地球へ向かった。3組の内1組は姿が見えないが、2組は上空に立ち、下に向かって両手を広げていた。すると、溶岩でドロドロだった地は少しずつ、そしてしっかり固まった。歴史学者は「この2組は間違いなく、ウヒヂニとスヒヂニ・オオトノヂとオオトノベでしょう!」と大声を上げた。
『-4,000,000,000』に近付いた時、天文学者と地学者はアイコンタクトをしながら「そろそろですね」と話し合った。暫く見ていると、先ほど遠くへ飛んだ1組が、上空から無数の塵を引いて来た。彼らは吸い込まれると、無数の塵はズババババッと、まるで機関銃のように地面を叩きつけた。すると地面からは白い煙がモクモク上がると上空を覆い、土砂降りの雨が降り始めた。雨は地表を勢いよく覆い始め、いつの間にか海となった。歴史学者は、「あれは、オモダルとアヤカシコネ……彼らは海をも生んだのか」と、静かに語った。
『-3,800,000,000』で雨が止むと、空に黄色い太陽と青い空が姿を現し、海は無限の鏡のように果てしなく反射させていた。そこに、行方がわからなくなっていた1組が、海面からスッと立ち上がると、再び海の奥へ奥へと沈み込んで行った。彼らが沈んだ奥からはジワジワと、白いモヤが少し浮かび、少しずつ広がっていった。生物学者は「あ、バクテリアの誕生だ」と言うと、歴史学者は「じゃあ彼らは、ツヌグイとイクグイですね……生命の育みの源です」と返した。
その光景を見届けると、“いざなき1号”は再び、フワッと月へ向かって行った。
時は、西暦2136年……岐阜県の『IUI:国際時空研究所』で、タイムマシーンの研究が着々と進んでいた。タイムマシーンで旅行出来る時代も、間もなく訪れる。
今回の試験は、“物がどこまで実用出来るか”という、云わば歴史の研究を兼ねた耐久試験でもある。この試験のために開発されたのが、マイクロCCDカメラを搭載した歴史探査機“いざなき1号”である。
“いざなき1号”は、幅2mm・高さ1mmの楕円形。何十種類もの実験を何百回も繰り返し、プロジェクトが開始してから20年で、耐久性・移動プログラムなどが完璧な実用機と、年代毎に切り替えて映し出すモニターが完成した。
管制室には、科学者・天文学者・歴史学者など、数多くの分野の専門家が固唾を呑んで待っている。
午前10:30、カウントダウンが始まると、研究員が“いざなき1号”を、“時空移動BOX”と書かれた箱の中に入れ、数多くのスイッチを入れ始めた。“時空移動BOX”は少しずつ、中を真空に近付けてゆく。
午前10:50、キーボードで数字が入力されると、大きな赤い文字で『YEAR:-13,700,000,000』(137億年前)と表示された。
「5……4……3……2……1……」
1つのスイッチを入れると、“いざなき1号”はスッと消えて行った。
今回の試験は、“物がどこまで実用出来るか”という、云わば歴史の研究を兼ねた耐久試験でもある。この試験のために開発されたのが、マイクロCCDカメラを搭載した歴史探査機“いざなき1号”である。
“いざなき1号”は、幅2mm・高さ1mmの楕円形。何十種類もの実験を何百回も繰り返し、プロジェクトが開始してから20年で、耐久性・移動プログラムなどが完璧な実用機と、年代毎に切り替えて映し出すモニターが完成した。
管制室には、科学者・天文学者・歴史学者など、数多くの分野の専門家が固唾を呑んで待っている。
午前10:30、カウントダウンが始まると、研究員が“いざなき1号”を、“時空移動BOX”と書かれた箱の中に入れ、数多くのスイッチを入れ始めた。“時空移動BOX”は少しずつ、中を真空に近付けてゆく。
午前10:50、キーボードで数字が入力されると、大きな赤い文字で『YEAR:-13,700,000,000』(137億年前)と表示された。
「5……4……3……2……1……」
1つのスイッチを入れると、“いざなき1号”はスッと消えて行った。
昔々、あるところに、お爺さんとお婆さんが住んでいました。
ある日、お爺さんは山へ芝刈りに・お婆さんは川へ洗濯に行きました。
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お婆さんが川で洗濯をしていると、川上から大きなキャベツが、どんぶらこっこ、どんぶらこと流れてきました。
お婆さんは大きなキャベツを拾い上げ、家に持ち帰りました。
お爺さんとお婆さんが大きなキャベツを2つに切ると、中から男の子が出て来ました。
喜んだ2人は、その男の子を『キャベツ太郎』と名付けました。
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成長したキャベツ太郎はある日、お爺さんとお婆さんに、鬼ヶ島へ鬼退治に行くと言いました。
鬼に苦しめられていたお爺さんとお婆さんは喜び、キャベツ太郎に“とうきび団子”を持たせ、送り出しました。
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キャベツ太郎は道中、“とうきび団子”をせがむ3匹と出会い、家来にしました。
キャベツ太郎と、家来のカエル・ソース・青海苔は、鬼ヶ島に向かいました。
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鬼ヶ島に着くと、キャベツ太郎・カエル・ソース・青海苔は、鬼に攻撃。
あまりの美味しさに鬼達が量産体制を考え始めた隙に、キャベツ太郎は鬼達の財宝を持ち出しました。
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持ち帰った財宝に喜んだお爺さんとお婆さんは、それを財源に“株式会社やおきん”を立ち上げ、3人で幸せに暮らしたそうな。
めでたし、めでたし。
ある日、お爺さんは山へ芝刈りに・お婆さんは川へ洗濯に行きました。
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お婆さんが川で洗濯をしていると、川上から大きなキャベツが、どんぶらこっこ、どんぶらこと流れてきました。
お婆さんは大きなキャベツを拾い上げ、家に持ち帰りました。
お爺さんとお婆さんが大きなキャベツを2つに切ると、中から男の子が出て来ました。
喜んだ2人は、その男の子を『キャベツ太郎』と名付けました。
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成長したキャベツ太郎はある日、お爺さんとお婆さんに、鬼ヶ島へ鬼退治に行くと言いました。
鬼に苦しめられていたお爺さんとお婆さんは喜び、キャベツ太郎に“とうきび団子”を持たせ、送り出しました。
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キャベツ太郎は道中、“とうきび団子”をせがむ3匹と出会い、家来にしました。
キャベツ太郎と、家来のカエル・ソース・青海苔は、鬼ヶ島に向かいました。
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鬼ヶ島に着くと、キャベツ太郎・カエル・ソース・青海苔は、鬼に攻撃。
あまりの美味しさに鬼達が量産体制を考え始めた隙に、キャベツ太郎は鬼達の財宝を持ち出しました。
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持ち帰った財宝に喜んだお爺さんとお婆さんは、それを財源に“株式会社やおきん”を立ち上げ、3人で幸せに暮らしたそうな。
めでたし、めでたし。
