最近、お疲れ気味なので、重い小説はパスして、
短いコラムを毎晩少しずつ読もうと思って、
沢木耕太郎の「シネマと書店とスタジアム」を寝る前に読み始めました。
すると、これが面白いのなんの。
お菓子屋にとって、睡眠時間をきちんと確保しておかなくてはいけない大事な時期なのに、
一晩で読んでしまいました。
内容は、本のタイトル通り、
映画評と書評とスポーツ観戦記なんですけど、
沢木耕太郎の目を通してみると、
映画も本もスポーツも、深くて面白いです。
特に面白かったのは、
2002年のサッカーワールドカップ観戦記。
この人、ワールドカップ開催中に
韓国と日本の間を9往復して、21の試合を観ています。
あいかわらず、現場主義ですね。
そして、試合を観戦しているというよりも、
徹底して、人間を観察しています。
選手はもとより、観客の行動、裏にある思わくまで。
テレビなどのメディアでは知ることのできない現場の感覚を体感する事ができます。
オレ、沢木耕太郎の本を読み始めて、もう25年くらいになりますけど、
この人って、本当に自分に興味のある事しかしていませんよね。
しかも、いつもとことん人に密着して、深く掘り下げています。
流行りや出版社の意向も関係なく、
その時、自分が一番興味のある事だけに喰らい付いている様子が、
この本からもひしひしと感じられて、
とても羨ましく思えました。