岡下昌平です。

最近、特に震災被災地の瓦礫受入れについての

お問い合わせが非常に増えてきております。

大阪府のお問い合わせセンターには一日2000件

超えるお電話がありインターネットでは18000件

超えております。その大部分が受入れ反対。

そこで、大阪府の災害廃棄物処理に関する指針

作成された識者でもある大阪府立大学の児玉

教授を講師にお迎えし自由民主党としての

勉強会を開催致しました。
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現在大阪府は岩手県と広域連携をしており

震災直後より府の職員が岩手県に出向し

現在も現地にて活動しております。

岩手県には震災後475万トンの瓦礫が今も

そのままの状態で放置されております。

そんな中、橋下前知事は大阪府として受入れ

前向きに検討していくとカメラの前で

発言されました。

しかし、今日まで受入れに向けての手続きが

何ら進んでいないというのが現状です。

また、前知事お得意の言いっぱなしですわ!

我々はもう慣れっこになっておりますが…

例えば、以前、民主党の鳩なんちゃらという

総理のときに普天間飛行場問題が大きく

取り上げられたときも、関西空港に持って

きたらいいと発言されておきながら議論する

こともなく未だに何もされていない。

少なからず沖縄の方はそのニュースをご覧に

なっていて例の関空の話はどうなりましたかと

尋ねられたとき私は何もこたえられなかった。

無責任極まりない!思い出したらどんどん

腹が立ちますので前知事への批評は

とりあえずここまでにして話を戻します。

なぜ瓦礫受入れが進んでいないのか?

その大きな要因は放射性物質の問題です。

ご承知のように福島第一原発が震災の影響

で建物が崩壊し放射性物質が拡散し広範囲を

汚染しました。その放射性物質が瓦礫に

付着しているというのが問題になっています。

瓦礫を受入れたら放射性物質が大阪府内に

拡散し特に小さなお子さんをお持ちのお母様方

が子供への健康被害を心配されております。

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従って、大阪府はこの問題を放置できないので

有識者を交えて国の基準よりさらに厳しい

独自の瓦礫受入れについてのガイドラインを

取りまとめました

それによると受入れ廃棄物の放射性濃度の

目安を100Bq/Kgとし、焼却灰の濃度の目安は

国のガイドラインが8000Bq/Kgのところ大阪府

2,000Bq/Kgに設定しより厳格化。

有識者の方は恐らく世界一厳しい数値であると

認識しているとのこと。

と言いますのも人間は普段から日常生活に

おいて常に被爆しているというのです。

太陽光線、空気中、食物、大地から内部被爆

しており日本人の年平均被爆線量は1.5mSvに

なるそうです。(mSvとは放射線による確定的影響を表す単位)

また体重60Kgの日本人体内の放射能濃度は

平均117Bq/Kgになるとのこと。

例えば食品であれば魚や肉は100Bq/Kg。

椎茸は700Bq/Kg。ほうれんそうは200Bq/Kg。

ということで皆さんに知って頂きたいのは普段

から口にする食品にも放射性物質が含まれて

いるということ。

放射性物質の影響を受けずにいれるところは

地球上には存在しないというのです…

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ちょっと驚きましたが先に進みます。

現在一番問題になっているのは瓦礫ではなく

瓦礫を焼却した場合の焼却灰です。

岩手の瓦礫の放射線量を現在でも測定

していますがほとんどないと言ってもいい

数値だそうです。ただ瓦礫を焼却すると

放射性セシウムの濃度が濃縮されます。

その焼却灰を最終処分場に持っていき

処理します。その最終処分場の底は

コンクリートで固め地下への汚染の

可能性を無くさなければなりません。

その要件を大阪で満たすことの出来る

処分場はフェニックスセンターと大阪市の

北港処分場しかありません。

先にも記述しましたが、大阪府のガイドライン

で焼却灰の放射性セシウムの濃度の目安は

2,000Bq/Kgです。確定的影響を表す単位に

おきかえますと0.12~0.86mSvになります。

この数値により作業員や最前線で処理活動

あたる人への健康被害をお聞きしました

それは全くないそうです。

よくチェルノブイリ事故による発ガンとの

関連性を指摘する方がおります。

私の事務所にもそのようなお問合せが

ございましたので、その関連性があるのか

教授に尋ねてみましたが発ガンとの因果関係を

科学的に立証したデータは存在しないとのこと。

可能性はゼロではないが、それを立証できる

だけの正確なデータや根拠もないというのです。

なぜかというと広島長崎の原爆に被爆された

人より喫煙者の人のほうが発ガンリスクが

高いといった研究結果が示されているのです。

従って、教授は確定的影響ではなく

確率的影響であると指摘されていました。

私は府議会議員として府民の健康や安全を守る

責任があります。従って、放射性物質について

本当に受入れが可能なのか偏った情報を排除し

真に正確な情報を基に連日勉強会を行い

自身の知見を高めてまいりました。

偏った情報を排除したのには理由があります。

その裏側には必ず思想が隠れているからです。

その結果、私は条件付での受入れ賛成を

表明します。

条件とは焼却灰の最終処理方法を明確化。

土を何センチメートルか被せなければならない

のですが明確に何センチなのか?

平たく並べたらいいのか?

それとも山積みしたらいいのか?

これらの基準を国が明確にした段階で(近々)

その基準をもとに府独自の指針を作成し

受入れを速やかに行ってもらいたい。

なぜこのようなときに自身の態度を表明

したのかと聞かれるかもしれませんので

正直に申し上げます。

私の事務所へお問合せされる方は小さな

お子さんをお持ちの母様方が大半です。

お母様方は皆さんわが子を心配され

放射性物質を大阪に持ち込まないで

もらいたい、もしくは放射性物質は

関東圏だけに留めてほしいと言われます。

私はそのお電話にこう応えています。

私は震災で何もなくなった所を実際この目で

見てきた。あのすさまじい光景お母様は

一度でも見に現地に行かれましたか?

(お電話を頂戴し現地にボランティアや視察等

なんらかの形で訪問された方はゼロです)

私はその光景を目の当たりにし何とか

しなければという気持ちを強く抱きました。

別に誰かに頼まれたわけでもなく自然に。

同じ日本人として。

そう申し上げるとお母様方は皆、自身の見方や

考え方を変えてくれます。

ふと、気づいてくれると言いますか。

自身の子供が大切なのは誰しも皆同じです。

大阪が瓦礫受入れをしなければ何も心配する

ことはないかもしれません。

瓦礫を受入れたら大阪が損するだけやという

方もおります。しかし私はその意見には

断じて賛同できない。

では、東北の子供達はどうなるんですか!?

東北にも小さな子供はたくさんいるんです。

同じ日本国民の。

その子供達は放っておいていいんですか!?

この問題は損得の価値観を超越しなければ

決して解決しない問題です。

現地での瓦礫処理には約20年~30年かかる

試算が出ているのです。

現地で焼却施設や最終処分場を作ったらいい

と言う方もおります。測量から始まり今から

建設開始しても完成するまで約5年かかるんです。

その間、その地域の方々は山積みになった

瓦礫の下で暮らしていけというのですか?

悪臭が漂い害虫が発生する劣悪な環境で。

また、建設費は税金です。

子や孫につけを回すんですか?

そんなことを考えるよりも大阪人として少しでも

出来ることに協力していきましょうよ。

絆と言う一字で国民が本当に一つになろうと

いうのであれば大阪の心意気を示すときでは

ないでしょうか。

そして現大阪府知事に一言。

府市連携本部の議論で道頓堀をプールにして

開放したらいいとか、40年前の万博の話をしたり

訳のわからん議論をしている暇があるなら少しでも

この瓦礫問題について議論したらどうですか?

大阪府と大阪市の連携があれば受入れに

必要な事務的なハードルもトップ会談で

決められるでしょ。

東京都も秋田県も山形県も青森県八戸市も

静岡県島田市も埼玉も動いていますよ。

三大都市の大阪が何をしてるんですか?

難しい問題から逃げずに今やらなければ

ならない問題をしっかり議論してください。

そして本当の意味で血の通った政治を

府民に示していただきたい。

それが府知事の責任だ。

ブログがかなり長くなりました。

かなり熱くなってしまい…

最後までこのブログにお付き合い頂いた

皆様。ありがとうございます。

まだまだ書き足りない部分も沢山ございますが

私は一府議会議員としてただただ日本人の魂に

届けという思いで書かせていただきました。

今一度、被災され家族も財産も全て失ってしまった

東北の方々を思い、天皇陛下が瓦礫に頭をお下げに

なられた意味をお考え頂きますよう。

日本人の雄々しさに。