時の施政者をここまでコケに・・・ブッシュさん | ネオ・ビジョンかわら板

時の施政者をここまでコケに・・・ブッシュさん

「日本人が知らない恐るべき真実」 というサイトで拝見した記事があまりにおもろいので、ここでも紹介。


いやぁ。このニュースはチラとテレビで取り上げていたようですが、ここまで痛快な内容とは。

感心、というよりは、もはや感動しました。


これは4月29日にワシントンで開催されたナショナルプレスクラブという日本でいう記者クラブのアメリカ版が企画した夕食会で、コメディアンのスティーブン・コルベアという人が、ブッシュ本人を目の前にして行ったスピーチ。



ほんと素晴らしいす。いわゆるアメリカンジョーク、つーやつがここまで毒を含ませてやれるとは。


その模様の動画 がこちら。


以下内容全文。


スピーチを始める前に業務連絡です。入り口に黒の防弾仕様のSUV14台をとめた人、車を動かしてください。別の防弾SUV14台が動けません。

 わーお、なんという光栄でしょう。私の英雄、尊敬するブッシュ大統領 と同じテーブルでこんなに近くに座れるなんて。まるで夢のようだ。

 誰かつねってくれないか。わかる? 僕、ちょっと眠たそうでしょ。つねったくらいじゃダメだ。誰かちょっと狙撃してくれ! なんだ、今日は暗殺者は来てないのか。ちぇっ。あいつなら助けてくれるのに。

 それはさておき、お話を始める前に、カクテル のお代わりが欲しい人はそれを隣の人に告げてください。すぐにNSA(国家安全保障 省)がいつものように盗聴して注文をお持ちします。


マーク・スミス と記者クラブ の皆さん、大統領 夫人、大統領 閣下、私はスティーブン・コルベアと申します。今宵、大統領 を褒め称えさせていただく光栄にあずかりました。


 私も大統領 と同じで、コンピュータ いじってばかりのガリ勉 野郎なんかじゃありません。事実なんてくだらんものは気にしません。私たちは頭よりも肝っ玉で考えるんですよね、大統領 ? 真実は肝っ玉にあるのです。神経の末端は頭よりも内臓のほうが多いって知ってるかい? 調べてみなさい。「いや、本を調べてみたら、そんなことはないぞ」と反論する奴もいるでしょう。だから本なんてあてにならないんだよ! 今度は本じゃなくて肝っ玉にあたってみなさい。私はそうして、肝っ玉に神経の機能を教えてもらったんだ。

(これはブッシュ が本や新聞を読まないことをからかっている)



 私は自分の番組『コルベア・リポート 』で、肝っ玉から話しています。いいですか? 視聴者に真実を伝えているんです。論理的な考察というフィルター なしに! 私はこれを「ノー・ファクト・ゾーン」と呼んでます。この名前、FOXニューズは勝手に使わないように。(FOXニューズがいつも事実をブッシュ 政権の都合のいいように捻じ曲げて報道していることをからかっている)



 私は単純なオツムの単純な男です。単純な信念に従って生きています。第一の信念。私はアメリカ を信じています。信じられないでしょうがアメリカ は本当に実在するのです! 私の肝っ玉によると、私はそこに住んでいるらしいのです。アメリカ はどうも大西洋 から太平洋 に広がってるようです。絶対に五十州あると思います。この大スクープ に明日のワシントン ・ポスト紙が飛びつくのが待ちきれません。



 私は民主主義 も信じています。民主主義 はアメリカ が誇る輸出品です。中国 が一個3セント で大量生産する方法を思いつくまではね。

 ようこそ、中国 大使閣下。マクドナルド のハッピーミール は中国 あってのものです。



 私は、国民 をできるだけコントロール しない政府 こそがいい政府 だと考えます。その意味でアメリカ はイラク に素晴らしい政府 を作りました。(イラク の無政府 状態をからかっている)



 レディス&ジェントルメン、私はこれはヨーグルト だと信じていて、バター じゃないなんて信じられません(マーガリン のCMのパロディ )。何よりも私はブッシュ大統領 を信じています。



 最近の世論調査 でブッシュ大統領 の支持率 は史上最低の32パーセント まで落ち込んでいることは知ってます。しかし私も大統領 も、世論調査 なんか気にしません。世論調査 なんてものは「現実的」に考える連中を反映したデータにすぎません。皆さんご存知のように、現実なんてものはリベラル のたわ言です。



 コップに半分水が入ってると「半分しかない」と考えるような悲観論者のことは無視しましょうや、大統領 閣下。「グラスの半分は空」と考える連中は無視すべきです。だってもう三分の二は空なんですから。それでも、私からすれば、少しは液体が残っているわけで。でも、そんなの飲まないけどね。Backwash(唾が逆流してる)に決まってるから。(Backwashには「民度の低い僻地」という意味もある)



 私が言いたいのは、ブッシュ大統領 はこれで終わりじゃないということです。こんなの大逆転の前の子守唄みたいなもんです。『ロッキー』みたいなもんですよ。今のブッシュ大統領 はロッキーで、チャンピオン のアポロ は……彼以外の全世界です。今は第十ラウンド。ブッシュ は血だらけです。セコンドのミックは副大統領 ディック・チェイニーです。ブッシュ は「切ってくれ! ディック、切ってくれ」と叫びます(セコンドがボクサー の目の腫れを切って試合を続行させる)。ブッシュ がダウンするたびにみんな「よく戦った! そのまま寝てろ!」と叫びます。ブッシュ はどうするでしょう? ロッキーのように何度でも立ち上がります! そして最後にロッキーは……あ、結局勝てないんだっけな。



 オッケー、たとえが悪かった。私は殴られっぱなしの男の心温まる話をしたかっただけでね。とにかく、国民 の68パーセント がブッシュ大統領 の仕事を評価していないという調査は無視すべきです。いいですか? これは論理的には国民 の68パーセント が大統領 を評価していない事実を意味してるわけじゃないでしょ? よく考えてみてください。私は考えてませんが。



 私はこの大統領 を支持します。なぜなら彼は何かを象徴しているからです。それだけでなく何かの上に立ちもします。たとえばペルシャ湾 の空母とか、911テロの瓦礫とか、最近はハリケーン にやられた街の廃墟に立ちました。彼の姿は、アメリカ は何かされれば必ず反撃する、という意志を表明しています。世界で最も強力なヤラセ 写真によってね。



 今、石油危機が起こっています。ブッシュ大統領 は非常に先進的なエネルギー 対策案を持っています。大統領 ともあろうものが、この危機に際して、牧場で無意味 に藪を刈ってるだけのはずがありません。大統領 は石油に代わる画期的な資源を開発しているのです。2008年 には、やぶ蚊の力で走る自動車 が実現するでしょう!



 とにかく私はブッシュ大統領 が大好きです。彼は良き隣人です。妻を愛し、生涯の伴侶としています。世論調査 も同意しています。大統領 夫人は真の淑女で、素晴らしい女性です。ただ私には一つだけ彼女に不満があります。大統領 夫人は子ども たちに読書 を奨励しています。申し訳ないですが私は本が大嫌いです。本なんか信じません。だって事実しか書いてないんですから。ハートがないね。本を書くような連中は私たちに何が事実で何がウソかを教えてやろうという鼻持ちならないエリート 主義者だ。百科事典 にはパナマ運河 は1914年に開通したと書いてあるって? 私には「それは1941年 だ」と言う権利があります。それがアメリカ の自由です! 私は大統領 の味方ですから、何が事実かは歴史に決めさせます。

(またしてもブッシュ が本や新聞を読まず、歴史や外国の事情に無知なことをからかっている)



 ブッシュ大統領 の最も素晴らしいところは、決して信念を曲げないことです。月曜日に信じたことを水曜日に変えたりしません。火曜日にどんなことがあったとしてもです。情勢がいくら変化しようと大統領 は考えを決して改めません。



 こうして大統領 のお側に立てて感動している私ですが、会場を見渡すと、アメリカ をダメにするリベラル なマスコミ 人だらけで反吐が出ます。いや、FOXニュース は違いますよ。FOXニュース は両サイドの意見を報道しますから。大統領 の意見と副大統領 の意見を。



 リベラル なマスコミ 人は、いったいなぜ、政府 による国民 の盗聴や、東ヨーロッパ の秘密牢獄でアメリカ 政府 がやってた拷問を暴いたりするんですか? そういうことが秘密なのには重大な理由があるんですよ。すっげームカつく事実だからです。国民 を嫌な気分にしたかったのなら、マスコミ はよくやったと思いますよ。



 しかし、ブッシュ大統領 になってからの五年間、ホワイトハウス の記者の皆さんはずっとイイ子ちゃんでした。ブッシュ大統領 の無茶な減税についても、イラク に大量破壊兵器 がなかったことについても、野放しの地球温暖化 についても、記者会見 であまり突っ込み ませんでした。それらは私たちアメリカ 国民 が知りたくないことですからね。あなたがた記者の皆さんは、それを追求しないだけの節度がありますね。本当に記者クラブ は大統領 と仲良くやってきました。



 もう一度ホワイトハウス 記者の決まりをおさらいしましょう。何かを決めるのは大統領 。それを記者に伝えるのは報道官。記者は大統領 のお言葉 をタイプ して、編集部 に送って、おうちに帰って、カミさんとセックスして寝るだけです。



 記者のなかには、頭をひねって本を書く人もいるかもしれません。反骨のホワイトハウス 記者が権力に立ち向かうって内容の本をね。要するに、それって作り話ですね!



 だって、大統領 の閣僚が、記者の質問にきちんと答えなきゃならない理由なんかないでしょう? 何を言っても記者は満足しないんだし。閣僚の入れ替えをやれとうるさかったから人事を刷新したのに、マスコミ は「そんなことしても無意味 だ。沈みゆくタイタニック 号の甲板のイスを動かすようなものだ」と書いたでしょ。まったく失礼なたとえです。この内閣は斜めに傾いているかもしれませんが、沈んでいるわけじゃなくて、上昇してるんです。飛行船 ヒンデンブルグ号のように!(ヒンデンブルグは上昇して爆発した)



 (中略)

 もちろん、新しい大統領 報道官のことを忘れてはなりません。トニー・スノー氏。シークレットサーヴィスからは「スノー・ジョブ 」と呼ばれています(これはブロージョブ 、フェラチオ のシャレ。FOXニュース のキャスター だったスノーが政府 のおべっか使いだとからかっている)。報道官は困難な仕事です。なんという勇気でしょう。駐イラク 大使の次にきつい仕事です。

(中略) 



 実は私も報道官に志願していました。私はきっと素晴らしい報道官になれたはずです。だって報道陣に対する軽蔑心でいっぱいですから。この痴れ者どもの扱いは心得ております。



 実際、私は報道官になるためのオーディション ・ビデオ を持ってきました。大統領 閣下に御笑覧いただければ幸いです。



(以下、オーディション ・ビデオ )

大統領 報道官になったコルベアが、3月にブッシュ大統領 を追い詰めたヘレン・トーマス *1 さんにどこまでも問い詰められる。


なんて気持ちいいんでしょうねぇ。マイケル・ムーアも拍手喝采でこのニュースを見ていたことでしょうね。


911~イラク戦争開戦に至るまで、見事に米メディアが総FOXTV化していた頃を考えると隔世の感、ですね。


こうしたバランス感覚をもてるというのは、アメリカ民主主義は捨てたモンでないということですね、ほんと。


さて、あのクレイジーな戦争から早3年。

今、日本で、ブッシュさんとどこかよく似た風情の施政者が、いろいろとクレイジー&難ありな法案を通そうとしております。


「共謀罪」「教育基本法改正」「憲法改正」・・・

さらに言えばにすでに成立しちまった「国民保護法」「個人情報保護法」。


すべて一連の流れで、国民およびメディアを規制する法案 

として、広い意味で、自分は考えてします。



「国を愛する心」をもてば、「戦争もやむなし」


いざ有事が起こった際は「国民の生活権の制限もやむなし」


「テロリストや犯罪者から国民を守る」ため、「表現・抗議活動の規制もやむなし」


有事に備えて、「国家(為政者)たちの情報秘匿もやむなし」


国を愛する心を持ち、国家の安全を守るため、無意味な反政府な表現活動は自粛し、自らの私利私欲を捨て、いざというときの有事に備え、一丸となって、国体を維持していきましょう。


そんな感じですかね。「恐怖」を背景にした狂騒的なブッシュ支持からようやく脱却しつつあるアメリカ。先の衆院選で、これまた狂騒的に小泉支持を表明した方々も、そろそろ目が覚める頃なんじゃないでしょうか。覚まさないと非常にまずい事態にたたされている、と感じています。