2014年7月
ある都内で行われたイベントにて
美容健康器具のPRで来日していたのは
ポルトガル代表
クリスティアーノ・ロナウド
世界最高のサッカー選手
会場は取材陣に囲まれ
異常な熱気がロナウドに注がれていた
ロナウドに直接質問ができるラストのコーナー
およそ1万人以上から選ばれた強運を持つ
サッカー少年３人
その中に岩岡遼太くん（当時小学６年生）がいた
覚えたてのポルトガル語で
ゆっくりとロナウドに話しかける
僕の夢は将来あなたと一緒にプレーすることです。
どうすれば夢は叶いますか？
アドバイスをお願いします。
たどたどしいポルトガル語に
会場からは笑いが起きた
なぜ笑うんだ。
彼のポルトガル語は上手だよ。
一生懸命に話をしているのだから
笑うことはないだろう。
一瞬会場は静まり返ったが
ロナウドの対応に
すぐさま大きな拍手が沸き起こった
拍手がやむと岩岡くんの方を振り向き
優しい笑顔でゆっくり語り掛けた
信念を持って、努力をして、
チャンスを逃さないことだよ
そんなサッカー少年は
僕らの前に再び現れた
第99回全国高校サッカー選手権
決勝で強豪青森山田を破って
高校日本一に輝いた
山梨学院のメンバーの一人として
岩岡君は、当時をこう振り返る
本格的にサッカーを始めた僕にとって
ロナウド選手はあこがれの選手でした
FKを時のポーズやドリブルなどを
いつもまねしていました。
ロナウド選手のユニフォームを集めるほど
大好きで仕方がなかったんです
緊張のあまり頭の中が真っ白で足が震えて
ただ目の前にいるカッコ良くていい匂いのする
ロナウドを見つめていた
彼は決して華やかなサッカー人生ではない
何度も挫折を味わいながらここまで来た
山梨学院でも2年間Aチームに入れず
出場機会にも恵まれなかった
3年生になってようやくチーム入りするも
コロナ禍で部活は中止
サッカーなどできるはずもなく
何度もやめようかと思った
そのたびにロナウドとの約束を思い返した
今自分にできる限りの努力を続けた
そして
高校日本一に輝いた
僕のツイッターのアイコンは
ロナウド選手と一緒に取ってもらった写真
これが僕の誇り
あのロナウド選手の笑顔
立ち振る舞い
そして優しさ
そのすべてが忘れられなくて
今でもずっとアイコンにしている
僕にとっては
もう一生忘れられない
人生においても
とても重要で大切な経験なんです
僕のサッカー人生はまだまだ
今まで足りなかった努力を
もっとしなければならない
ロナウド選手の偉大さは
よくわかっている
一緒にプレーするのは
たぶん難しいかもしれない
でもいつかどこかで
ロナウド選手が
あの時の少年ががんばってるな
とそう思ってもらえるように
信念を持って努力し続けることが
僕なりのロナウド選手への
恩返しになると思っている
ロナウドとの約束を叶えるため
信念を持って努力しチャンスを逃さない
いつの日か少年は
夢を叶えるだろう
きっと
Written by Kaz Okayasu
