「なぜ、買うつもりがなかったのに、ついレジに持って行ってしまったんだろう…」 「どうして、こっちの方がお得なはずなのに、違う方を選んでしまったんだろう…」
私たちの日常は、「選択」の連続です。
しかし、その選択は本当に常に合理的でしょうか?
後から考えると「なんであんな選択をしたんだろう?」と不思議に思うような、ちょっと非合理的な意思決定をしてしまうこと、ありませんか?
実は、そうした人間の「不合理な」行動の裏には、特定の心理的なメカニズムが働いています。
そのメカニズムを解き明かし、私たちの経済活動における意思決定のクセを研究するのが「行動経済学」(行動心理学とも呼ばれます)です。
この学問を知ることは、単に「へぇ、面白い!」で終わるだけでなく、私たちが日常で無意識のうちに陥っている「認知バイアス(思考の偏りや思い込み)」に気づき、それを防ぐヒントを与えてくれます。
さらに、インスタグラムをはじめとするSNSでの発信や、ビジネスにおけるコミュニケーション、マーケティング活動にも応用できる、非常に実践的な知識でもあります。
そこで今回は、私自身のアウトプットも兼ねて、数ある行動経済学の理論の中から、特に私たちの身近な場面やインスタグラム運用などでも活用できそうな、代表的な6つの法則・効果をピックアップし、具体例を交えながら分かりやすく解説していきたいと思います。
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【解説1】伝え方次第で印象激変!「フレーミング効果」
まず最初にご紹介するのは「フレーミング効果」です。
フレーム、つまり「枠組み」という言葉が示す通り、これは同じ情報であっても、どのような「枠組み」で提示されるか、つまり伝え方や表現方法によって、受け手の印象や意思決定が大きく変わってしまうという心理効果です。
内容は全く同じはずなのに、言い方を変えるだけで、なぜか魅力的に見えたり、逆にネガティブに感じられたりする。
そんな経験はありませんか?
それがフレーミング効果の仕業かもしれません。
具体例を見てみましょう。
例えば、ある情報について説明する際に、2つの表現方法があるとします。
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表現A:「7割の人が知っている情報」
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表現B:「3割の人が知らない情報」
この2つは、論理的には全く同じ事実(100人のうち70人が知り、30人が知らない)を述べています。
しかし、多くの人は「7割の人が知っている」と聞くと、「え、そんなに多くの人が知ってるなら、自分も知っておかないとまずいかも」「どんな情報なんだろう?」と、より強い関心を持つ傾向があります。
一方で、「3割の人が知らない」と聞いても、「ふーん、知らない人もいるんだ」程度で、前者ほど強い興味は抱きにくいかもしれません。
これは、「知っている人が多い」というポジティブな側面を強調する(フレームに入れる)ことで、情報の価値や重要性が高く感じられるためです。
別の例も見てみましょう。 ある商品の在庫状況についてです。
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表現A:「大好評につき、すでに950個売れました!」
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表現B:「大好評につき、残り在庫はあと50個です!」
これも、合計1000個の商品があるとすれば、同じ状況を示しています。
しかし、「残り在庫50個」と伝えられた方が、「もうすぐなくなってしまう!」「早く買わないと!」という希少性や限定性が強調され、購買意欲が刺激されやすいのではないでしょうか。
これは、マーケティングでよく用いられるテクニックで、フレーミング効果と希少性の原理を組み合わせたものです。
逆に、ネガティブな側面を強調するフレーミングもあります。
先の例で言えば、「7割の人が知らない」という表現を使うとどうでしょう。 「え、7割も知らないなんて、これはかなりマニアックな情報なのかな」「自分には関係ないかも」といった印象を与え、むしろ興味を失わせてしまうかもしれません。
これは、「損失回避」(後述します)の心理とも関連し、ネガティブなフレームは時に人を遠ざけます。
このように、フレーミング効果は、どの側面を切り取り、どのような言葉で表現するかによって、受け手の感情や判断を大きく左右します。
これは日常生活や自己管理にも応用できる。
例えば、10kmのランニングをしている時。 「まだ1kmしか走っていない…」と考えるよりも、「よし、残りあと9kmだ!」と考えた方が、ゴールまでの距離が縮まっていく感覚(カウントダウン効果)が得られ、モチベーションを維持しやすいかもしれません。
これも、見方(フレーム)を変えることで、心理的な負担を軽減する工夫と言えます。
インスタグラムでの発信においても、キャッチコピーやプロフィールの自己紹介文などで、同じ内容を伝えるにしても、よりポジティブに、より魅力的に、より相手の興味を引くような「フレーム」で表現できないかを考えてみることは、非常に有効なテクニックとなるでしょう。
【解説2】最初の印象が全てを決める?「アンカリング効果」
次にご紹介するのは「アンカリング効果」です。
アンカー(Anchor)とは、船を停泊させるための「錨(いかり)」のことです。
行動経済学におけるアンカリング効果とは、最初に提示された情報(価格、数値、特徴など)が、まるで錨のように人々の思考に強く影響を与え、その後の判断や評価の基準(アンカーポイント)となってしまう心理現象を指します。
私たちは、何かを判断する際に、最初に与えられた情報を無意識のうちに基準点としてしまい、そこから大きく外れた評価をしにくくなる傾向があるのです。
最も分かりやすい例は、価格表示におけるアンカリングです。
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割引表示: 「通常価格 10,000円 → 特別価格 7,000円!」と表示されていると、「10,000円」という最初の価格がアンカーとなり、「7,000円」が非常にお得に感じられます。たとえ、その商品の本来の価値が7,000円以下だったとしても、最初のアンカーによって割安感が生まれるのです。Amazonなどでよく見かける「参考価格」からの割引表示も、この効果を狙ったものです。
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松竹梅の法則: 商品やサービスのプランを「松(高価格)」「竹(中価格)」「梅(低価格)」の3段階で提示すると、多くの人が真ん中の「竹」を選びやすくなる、という法則です。これは、「松」の価格がアンカーとなり、「梅」では物足りないと感じる心理が働くため、「ちょうど良い」と思える「竹」に落ち着きやすくなるからです。飲食店やサービスの料金プランでよく見られます。
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超高級品との比較: 本当に売りたい商品の隣に、あえて桁違いに高価な商品を置くことで、本来売りたい商品が相対的に安く見えるようにする手法です。例えば、10万円のバッグの隣に100万円のバッグがあれば、10万円のバッグが「手頃な価格」に感じてしまうかもしれません。
このように、価格におけるアンカリングは非常に強力ですが、その影響は価格だけに留まりません。
情報提示においてもアンカリングは働きます。
例えば、「顧客満足度99%!」といった強い数字を最初に提示されると、そのサービスに対する期待値や信頼性が無意識のうちに高まる。
「〇〇大学合格者数 No.1!」といった実績も、その塾や予備校の質を判断する上での強力なアンカーとなります。
さらに、アンカリングは「ヒューリスティック(経験則や思い込みに基づく簡易的な判断)」を生み出す原因にも。
これは、私たちの認知バイアスの一つです。
有名な思考実験に、以下のようなものがあります。 (※正確な問題設定とは異なる場合があります)
リンダという31歳の独身女性がいます。彼女は非常に聡明で、率直な物言いをし、大学では哲学を専攻していました。学生時代には、差別問題や社会正義に関心を持ち、反核デモにも参加していました。 さて、現在のリンダについて、以下のどちらの可能性が高いでしょうか? A. リンダは銀行員である。 B. リンダは銀行員であり、フェミニスト運動にも積極的に参加している。
多くの人は、リンダの学生時代の活動という事前情報(アンカー)に影響され、「B」の方がよりリンダらしい、つまり可能性が高いと判断してしまいます。
しかし、確率論的に考えれば、「銀行員である」という集合(A)は、「銀行員であり、かつフェミニスト運動家でもある」という集合(B)を必ず含んでいます。
したがって、論理的には「A」の可能性の方が「B」よりも高いか、少なくとも同じでなければなりません。
にもかかわらず、私たちは事前情報というアンカーによって、「リンダ=フェミニスト活動家」というイメージに強く引きずられ、より限定的な「B」を選んでしまうのです。
これが、アンカーによるヒューリスティック(代表性ヒューリスティック)の一例です。
このように、最初に与えられた情報や印象は、私たちのその後の判断を大きく歪める可能性があるのです。
面白いことに、「逆アンカー」とも言える現象も存在します。
その代表例が「ジャイアン効果」です。
これは、普段は乱暴で意地悪なジャイアンが、映画版などで時折見せる優しさや男気に、普段以上に感動してしまう、という心理効果から名付けられました。
つまり、普段の印象(アンカー)が非常に悪い人が、少し良いことをすると、そのギャップによって、本来以上に高く評価されるという現象です。
例えば、普段から品行方正な人がゴミ拾いをしても「偉いね」で終わるかもしれませんが、過去に大きな過ちを犯した人が更生のために真摯にゴミ拾いをしていたら、「本当に心を入れ替えたんだな」「すごい!」と、より大きな感動や賞賛を集めることがあります。
これも、最初の低いアンカーポイントからのギャップが、評価を増幅させている例と言えます。
私自身の話で言えば、普段の発信内容や話し方から「厳しそう」「怖そう」という印象(アンカー)を持たれることが多いようです。
しかし、実際にオフラインでお会いすると、「意外と話しやすいんですね」「もっと怖い人かと思ってました」と言われることがあります。
これは、元々の低いアンカーからのギャップが生み出している効果かもしれません(もちろん、意識的にキャラを作っているわけではありませんが…結果的にそうなっている面はあるかもしれません)。
アンカリング効果は、このように私たちの意思決定や対人評価に、良くも悪くも強力な影響を与えています。
マーケティングや交渉術にも広く応用されていますが、同時に、私たちが不合理な判断をしてしまう原因にもなります。
何かを決めるとき、「最初の情報に引きずられていないか?」「他の選択肢を公平に評価できているか?」と自問自答する癖をつけることが、アンカリングの罠から身を守るために重要です。
【解説3】みんなやってるから正しい?「バンドワゴン効果」
続いては「バンドワゴン効果」です。
これは、ある選択や行動が、多くの人に受け入れられている、あるいは流行していると知ることで、その選択や行動に対する支持や魅力が高まり、自分もそれに加わりたくなるという心理効果です。
行列ができているお店に「きっと美味しいに違いない」と思って並んでしまったり、周りの友人が持っているものを「自分も欲しい」と感じたりする。
これもバンドワゴン効果の一種です。
「バンドワゴン」とは、パレードの先頭を行く楽隊車を指し、「バンドワゴンに乗る」という言葉は、「時流に乗る」「勝ち馬に乗る」といった意味で使われます。
この効果は、「社会的証明(Social Proof)」の原理に基づいています。
私たちは、自分で判断するのが難しい状況や、情報が不足している場合に、「他の多くの人がやっていることは、きっと正しいのだろう」と無意識に判断してしまう傾向があるのです。
マーケティングでは、この心理が巧みに利用されています。
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「お客様満足度No.1!」
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「販売実績〇〇万個突破!」
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「ご利用者の95%が効果を実感!」
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「〇〇(有名人)も愛用!」
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「今、一番売れてます!」
といったキャッチコピーは、まさにバンドワゴン効果を狙ったものです。
「こんなに多くの人が選んでいるなら、きっと良いものに違いない」「乗り遅れたくない」という心理を刺激し、購買へと誘導します。
ECサイトのレビュー数や評価の高さ、SNSでの「いいね!」やシェアの数なども、この効果を高める要素となります。
バンドワゴン効果は、多くの場合、良い商品やサービスが自然と広まっていく助けとなります。
しかし、その影響力は時として、非常に非合理的な集団行動を引き起こす危険性もはらんでいます。