■豊かさとお金の関係・・・若い世代に贈る言葉

経済の世界では、お金なしでは何ひとつできることはないと信じら
れています。しかし、私の人生を振り返って言えることは、お金とは本当の豊かさではない、ということです。では、本当の豊かさとは何かというと、それはあなたの心の中の、信頼するする心です。本当の豊かさとは友人であり、人々がつくり出すコミュニティです。そしてまた、きれいな水であり、美しい森、花咲く木々なのです。つまり、自然です。

しかし、現代世界はまったく逆のことをおこなっています。川を汚
し、森を壊し、海を汚している。お金を得るために、本当の豊かさを壊しているのです。コミュニティや家族も、お金のために崩壊しようとしています。みんなお金を稼ぐのに忙しく、家族がお互いを大切にすることができなくなっているのです。コミュニティや家族が今、どんどん壊れている。これは人々がお金の奴隷に、お金を稼ぐ機械になりさがっているからではないでしょうか。お金を稼ぐために忙しくて、人生を楽しむ余裕すら残っていないのではないでしょうか。

お金とはたんなる手段にしかすぎない。本当の意味での豊かさとは
何か、それは「人間」なんです。もともとお金とは、交換の手段でした。しかし、今それが「豊かさ」と勘違いされている。教育システムそのものが、そういうふうにつくられているのです。 何のために教育を受けるのかといえば、社会に出てより多くのお金を稼ぐ、よい稼ぎ手になるためだと考えられていますね。 つまり、教育がお金を稼ぐための手段になりさがっているのです。

しかし、それは逆立ちです。本来、教育とはそれ自体が目的であり、お金を稼ぐことは、その中の手段のひとつであるべきです。ですから、みなさん、自問してください。今、どうしてこの大学で勉強しているのか。 世界についてよりよく知り、学び、自分は何者かを理解し、幸せとは何かを探究するためにここにいるのでしょうか。あるいは、お金を稼ぐ人になるためにここにいるのでしょうか。

もしも、ここにいる目的が、より多くのお金を稼ぐ仕事に就くことになっているのなら、もう一度問い直してもらいたい。そんな間違った考え方のせいで、この地球の環境が危機に瀕しているのではないか、と。 お金が目的と化し、自然をお金儲けの道具にしてしまっている。家族もそうです。本来は家族の幸せが一番であるはずなのに、お金が目的になってしまい、家族の幸せは過小評価されています。

働いてたくさんお金を稼いだとしても、まわりを見まわせば、きれ
いな水もない、安全な食べものもない、自然もない。そんな状況でお金がどんな意味を持つのでしょうか。

皆さん、ここでお金を稼ぐための勉強をするかわりに、どうしたら
自然のため、コミュニティのため、家族のためによい仕事ができるようになれるのか、その知恵を学んでほしいのです。

(明治学院大学での講演から抜粋)
写真は、http://www.uplink.co.jp/film/rental/campaign/campaign01.php から拝借

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明治学院大学でのサティシュ・クマールさんの講演内容だそうです。素晴らしい講演ですね、生で聞いてみたかったですねえ~。


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