白須慶子さん、能GEKI | オカポンのブログ

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岡本 誠 OKAMOTO Makoto

白須慶子さんの舞台、「能GEKI」を木場のEARTH+GALLERYで観ました。
 
「葵上」と「一角仙人」という2作品の一部分を、それぞれニ人が演じる構成。能楽を現代の演劇にしています。舞台に何も置かず、二人だけの演技に、雅楽と二人の声楽がバックに流れる。日本古来の世界、独特の雰囲気に浸る、不思議な魅力を持った舞台でした。
 
白須慶子さんは「一角仙人」で仙人に酒を飲ます巫女のような役。日本舞踊の美しい動きとちょっとセクシーな仕草で楽しませてくれました。
 
能楽は何も知らないのですが、笙・笛・鼓の音、謡(うたい)の声がとても心地良かった。謡は古語なので意味を掴むのが難しいのですが、お経のようなサウンドで落ち着きます。
 
「一角仙人」で、仙人が宙を掴む仕草で照明が変わり、雨を止めてしまう、という素敵な演出がありました。こういうシーンがもっとあると良いと思いました。
 
コロナ対策で席を25に絞り、舞台の客席が同じフロア。さらに舞台の左右と後は壁。役者は客席の後ろから登場し、客の前で履物を脱いで、ここから舞台です、という演出は面白かった。ただ白い床に所々に黒いキズがあったのが少し気になりました。
 
去ね(いね)、色香(いろか)、といった古い言い回しも良かった。謡の意味がすべて分かると良いのですが、それは購入した台本を読んで勉強します。
 
雅楽、着物、日本舞踊、謡といった日本特有の文化表現で作られたこの舞台。今はコロナ禍で外人観光客がゼロですが、それが過ぎたら、外国語のプロンプトを表示させて、インバウンド客に受ける舞台になると思いました。