こんにちは。

アレテーを求めて~

今日もトコトコ( ・ω・)

弁護士の岡本卓大です。

 

引き続き、

『宇宙一わかりやすい僕らの神話のお話( ・ω・)』

のお時間です。

 

 

果たしてオモイカネはどのような策を出すのか?

続きをお楽しみください( ・ω・)

 

 

天の岩戸(後編)~光ある世界へ

 

 

太陽の光が消え、暗黒に包まれる地上世界・・・

豊葦原瑞穂国(トヨアシハラノミズホノクニ)と言われた日本は、

血と暴力と闇が支配する地獄絵図と化していた。

 

 

土蜘蛛大王「くっくく、愚かなる人間どもよ。

アマテラスに見捨てられし、哀れなる者どもよ。

嘆くがよい!憎しみ合うがよい!奪い合うがよい!

そして、殺し合うがよい!」

 

土蜘蛛皇子「ねえねえ、父上。」

 

土蜘蛛大王「なんじゃ。我が息子よ。」

 

土蜘蛛皇子「神って、いろんな生き物を作ったんだよね?」

 

土蜘蛛大王「そうじゃな。」

 

土蜘蛛皇子「僕たち、土蜘蛛は神が作ったの?」

 

土蜘蛛大王「そんなわけは無かろう。我らは、神の敵じゃ。」

 

土蜘蛛皇子「でも、神が作ったんじゃなければ、僕たちは何に作られたの?」

 

土蜘蛛大王「そ、それは・・・闇よ!闇が生み出したのよ!」

 

土蜘蛛皇子「ふーん。じゃあ、闇は神が作ったの( ・ω・)?」

 

土蜘蛛大王「そ、それは・・・知らぬ!そんなことは考えんでよい!」

 

土蜘蛛皇子「ふーん。父上も知らないことがあるのか( ・ω・)」

 

土蜘蛛大王「お前は何を言いたいのだ?」

 

土蜘蛛皇子「なんかさぁ。僕たち、神を敵と言ってるけど、

本当は神に作られたんじゃないかなって、

思うことあるんだ。

だって、神って、万物の創造主なんでしょ?

悪も神が作ったのかなぁ( ・ω・)?」

 

土蜘蛛大王「おかしなことを言うヤツじゃな。」

 

土蜘蛛皇子「ホントは、僕ら、神とも仲良くやれたりしないのかなぁ。」

 

土蜘蛛大王「神は敵じゃ!世継ぎであるお前がそんなことでは、家臣どもに示しがつかぬ!」

 

土蜘蛛皇子「ふーん。戦いって、僕、好きじゃないんだよね。

神と悪も仲良くなれたらいいのに( ・ω・)」

 

土蜘蛛大王「・・・」

 

 

天界、高天原(タカマガハラ)の天の安河。

ここに、八百万(ヤオヨロズ)の神々が集結していた。

 

オモイカネ「八百万の神々よ!天の岩戸にこもられし、

アマテラス様を呼び戻すために、みなで祭りを行うぞ!」

 

タジカラオ「お祭りですか?」

 

オモイカネ「そう。お祭りじゃ。それも盛大にな。」

 

アメノウズメ「お祭りは大好きだけど、

そんなことでアマテラス様が出てきてくださるのでしょうか?」

 

オモイカネ「小道具がいる。鏡だ。」

 

タジカラオ「カガミ?」

 

アメノウズメ「なんですか?カガミとは?」

 

オモイカネ「鏡というのはな。光を反射してその姿を映すものじゃよ。

イザナギ殿。八咫鏡はどこかな?」

 

イザナギ「八咫鏡なら、アマテラスの御所にあるよ( ・ω・)」

 

オモイカネ「アマテラス様の侍女よ。すまぬが、八咫鏡を持ってきてくれ。」

 

侍女「かしこまりました。」

 

 

注釈 

八咫鏡(ヤタノカガミ)とは?

八咫鏡は、天叢雲剣(アメノムラクモノツルギ)=草薙剣(クサナギノツルギ)

八尺瓊勾玉(ヤサカニノマガタマ)と並ぶ、三種の神器の一つである。

アマテラスがニニギの尊に授け、その後、天皇の皇位継承の証として、

代々、天皇に受け継がれることとなる。

 

 

八咫鏡が届けられる。

 

 

タジカラオ「この銀色の板がカガミ?」

 

アメノウズメ「なにも映らないけど?」

 

オモイカネ「光が無ければ、鏡は映らん。だが、アマテラス様がこの鏡を見れば・・・」

 

 

八百万の神々は、酒や鳴り物、笛や太鼓を持って、

天の岩戸の前に集合する。

そして、盛大なお祭りが始まる。

 

 

天の岩戸の中。

 

 

アマテラス「暇ねぇ。もう何日ここにこもってるかしら。

でも、外に出たら、スサノオが・・・怖いわ・・・」

 

 

岩戸の外から賑やかな音楽や歓声が聞こえてくる。

 

 

アマテラス「なにかしら?なんだか賑やかね。」

 

 

天の岩戸の外では、八百万の神々が、太鼓を打ち、笛を吹き、

飲めや歌えの大騒ぎ。

なかでも、アメノウズメの踊りは、圧巻である。

 

 

アメノウズメ「はい、はい、はい~、みんな楽しんでる~」

 

タジカラオ「おい!ウズメ!お前、見えてる!公然わいせつで捕まっちゃうぞ!」

 

 

目のやり場に困るタジカラオ。

熱狂的に踊り、舞うアメノウズメは、着物がはだけても気にせず踊り続ける!

 

 

神々「ナイス!セクシー!ナイス!セクシー!おお~、ウズメちゃ~ん!」

 

 

アマテラス「なんなの?一体、なにごとなの?

なんで、私が引きこもってるのに、みんな楽しそうに騒いでるの?」

 

 

そっと、岩戸を少し開けて外をのぞき見るアマテラス。

 

 

アマテラス「アメノウズメ。一体なにが起こってるの?」

 

アメノウズメ「あら、アマテラス様!

アマテラス様より尊い神がお生まれになったので、

みなで、新しい神さまの誕生を祝っておるのです!」

 

アマテラス「私より、尊い神ですって!?それは、どのような方?」

 

アメノウズメ「あの八咫鏡の前におわす方です!」

 

アマテラス「八咫鏡の前?見えない!もう少し乗り出してみよう!」

 

 

アマテラスが八咫鏡を見ると、そこには、光り輝く美しい女神の姿・・・

 

 

アマテラス「まあ、なんと美しい方・・・この方が、尊い神・・・」

 

オモイカネ「今だ!タジカラオ!」

 

タジカラオ「ドスこーい!!!」

 

 

タジカラオが岩戸を押し開き、身を乗り出したアマテラスを岩戸から引き出す!

 

 

アマテラス「きゃっ!」

 

神々「アマテラス様じゃ!我らの尊い神がお出ましになられたぞ~!!!」

 

アマテラス「えっ!?どういうこと!?」

 

オモイカネ「アマテラス様。この隠居者の計。お許しくだされ。」

 

アマテラス「オモイカネ殿。そなたの策か。」

 

タジカラオ「アマテラス様。ご無礼いたしました。お怪我はありませんか?」

 

アマテラス「タジカラオ・・・だいじありません。」

 

アメノウズメ「ああ、アマテラス様!よくぞ、岩戸を出てくださいました!」

 

アマテラス「アメノウズメ・・・」

 

神々「アマテラス様じゃ!アマテラス様じゃ!」

 

アマテラス「みな・・・」

 

 

そのとき、地上にも、長らく絶えていた日の光が降り注いだ。

 

 

村人「お天道様じゃ!お天道様じゃ!ありがたや!ありがたや!」

 

村娘「ああ、生きて再びお天道様を拝めるとは!ありがたや!」

 

悪党「なんというすがすがしい光じゃ・・・

わしは、一体、なんということをしておったのじゃ・・・」

 

 

土蜘蛛と戦っていた神の兵。

 

 

神の兵「光じゃ。アマテラス様の太陽の光じゃ!」

 

土蜘蛛「キィー」

 

神の兵「光が戻った今、もはや貴様など、我の敵ではない。まだやるか?土蜘蛛よ!」

 

 

土蜘蛛たちは退散していく。

 

 

土蜘蛛大王「バ、バカな!?太陽の光!アマテラスが出て来ただと!」

 

土蜘蛛皇子「父上。なんか気持ちよい・・・」

 

土蜘蛛大王「なんじゃ?なぜ、涙が・・・?」

 

土蜘蛛皇子「父上。僕、人間達と一緒に踊ってきたい!」

 

 

太陽の光を浴び、なんと土蜘蛛親子は人の姿に!

 

 

土蜘蛛大王「アマテラスよ!お前は、悪であるこの土蜘蛛すら許すというのか?

太陽の下に生きることが、我ら悪の者にすら、許されるというのか!?」

 

土蜘蛛皇子「みんな~、友だちになろうよ!」

 

 

人間と一緒に祭りに加わる土蜘蛛皇子。

 

 

土蜘蛛大王「アマテラスよ・・・神は善も悪も差別することなく、

太陽の光を、恵みを与えるというのか?・・・ならば、わしらは・・・」

 

 

天から、アマテラスの声が響き渡る。

 

 

アマテラス「地上の者たちよ。迷惑をかけました。私は、もう隠れません。

すべての者を照らす太陽として、再び、みなを照らします。

戦いはやめなさい。

奪うことをやめなさい。

奪い合うのではなく、みなで分け合いましょう。

あなたたちは、みな、わたしの子。

そう、私は、神。アマテラス大御神。

私は、みなすべてを愛します。」

 

 

こうして、天の岩戸は開き、光ある世界へと戻った。

地上は、豊葦原の瑞穂の国に戻り、人々は神の光を

太陽の光を崇め、祭りを行った。

 

 

高天原では、事後処理が行われていた。

今回の事件の責めを負うべき者たちの裁判である。

 

 

佞臣「ア、アマテラス様・・・お許しを。」

 

アマテラス「佞臣よ。そなたが武装を意見しなければ、スサノオとの問題は起きなかった。

だが、そなたの間違った進言を聞いてしまったのは、わらわじゃ。

責めは、わらわ自身にある。」

 

佞臣「そ、それでは、お許しくださるのですな?」

 

アマテラス「佞臣よ。神位剥奪の上、地上に追放とする。

人として、庶民として生きるがよい。」

 

佞臣「い、嫌じゃ~、わしは、権勢をふるたいのじゃ~」

 

 

佞臣退場。

 

 

オモイカネ「よろしいのですか。アマテラス様。

あの者の子孫達が、きっと、日本(ヒノモト)で、

また同じようなことを繰り返しますぞ。」

 

アマテラス「その頃には、世の統治者は

人間達が自ら選ぶ時代となるでしょう。

過ちを犯すことはあるでしょう。

それでも、その過ちから学んでいく・・・

私は、人間達の知恵と選択を信じたいと思います。」

 

オモイカネ「やれやれ。お優しい最高神様じゃ・・・

まあ、そこが良いのでしょうな。」

 

 

スサノオが引き出される。

 

 

アマテラス「スサノオよ。何か申し開きはありますか?」

 

スサノオ「申し開きなど・・・無い。」

 

アマテラス「どのような刑を受けても不服は無いと?」

 

スサノオ「死罪であれば、武士の情けじゃ。切腹させてほしい。」

 

アマテラス「それだけかしら?」

 

スサノオ「わしの罪は負う。娘たちをわしの子として責めるのはやめてほしい。」

 

アマテラス「わかりました。判決を言い渡します。」

 

スサノオ「おう。姉上に裁かれるなら本望じゃ。」

 

アマテラス「スサノオよ。そなたの思慮無き振る舞いが、

この世に闇を招く結果となった。

その罪は、死をもって償うも足りぬほど重きもの。

よって、神位剥奪の上、地上追放とする。

ただし、そなたが自らの行動により、

神としての尊敬を集めたときは、再び神と名乗ることを許す。」

 

スサノオ「アマテラス姉ちゃん・・・」

 

アマテラス「不服か?なお、そなたの娘たちは、わらわが大切に育てよう。」

 

スサノオ「不服などあるものか!このスサノオ、生まれではなく、

自らの行動によって、地上の者たちから神と呼ばれるようになってみせるわ!」

 

アマテラス「スサノオ。がんばってね。」

 

スサノオ「ああ、アマテラス姉ちゃんも、元気でな。」

 

 

スサノオは、ヒゲと爪を切られ、地上に追放された。

こうして、天の岩戸事件の裁きは終えることとなる。

そして、この後、スサノオは、地上世界において、

様々な活躍をし、神として祭られることになっていく。

それは、また別のお話・・・

 

 

以上、前編、後編2話が、

天の岩戸のお話でした。

読んでくださり、ありがとうございました。