こんにちは。

アレテーを求めて~

今日もトコトコ( ・ω・)

弁護士の岡本卓大です。

 

絶賛連載中の

神武征討記

今回は、外伝です( ・ω・)

 

 

 

神武征討記外伝

反省だけならサルでもできる!?

ヒヨシマルの浮気!?

 

 

ストーリーテラーのアメノウズメでございます。

「一人ひとりが主人公」の『神武征討記』。

今回の外伝の主人公は、ヒヨシマルです。

 

 

ヒヨシマルは、豊臣秀吉の前世で、年齢は神武様と同い年。

高千穂の百姓の子として生まれましたが、その頭の良さと人当たりの良さを買われて

神武様に登用されました。

高千穂王宮での下働きを経て、神武様の新婚旅行に同行中に、

オワリノブヒメの重臣であったキノシタノオネに一目惚れし、オワリノブヒメの下に預けられ、

キノシタノオネとも結婚しました。

神武様の計らいにより、ヒヨシマルは伊勢(三重県)勤務となり、尾張(愛知県)のオワリノブヒメに

仕えるキノシタノオネと伊勢で同居しています。

今回の物語は、本編神武東征編の3年前。ヒヨシマルが27歳のときのお話です。

ヒヨシマルとキノシタノオネは結婚して9年経ちますが、子に恵まれていません。

しかし、二人は、尾張・近江(滋賀県)などの戦災孤児の面倒を見、家に引き取り我が子のように育てていました。

主立った者としては、尾張出身の者では、カトウノトラノスケ、フクシマノイチマツ。

近江出身の者では、サワヤマノサキチ、オオタニギョウブがいます。

ある日のこと・・・

 

 

カトウノトラノスケ「どりゃ~~~!」

 

フクシマノイチマツ「うりゃ~~~!」

 

ヒヨシマル「おう。トラノスケ、イチマツ。

お主らは、二人とも強いのう。」

 

カトウノトラノスケ「あっ。ヒヨシマル様。このカトウノトラノスケ、

きっとヒヨシマル様の部下で一番の猛将になってみせます!」

 

フクシマノイチマツ「何を言うか!一番の猛将は、俺だ!」

 

ヒヨシマル「はっはは。二人とも、ともに励め。期待してるぞ。」

 

 

屋敷の中では・・・

 

 

サワヤマノサキチ「ここの部分の解釈なんだけど・・・」

 

オオタニギョウブ「どうかな。こう解釈する方がより良いのではないか?」

 

ヒヨシマル「おう。サキチにギョウブ。お主らは、また学問の研究か。

関心じゃな。」

 

サワヤマノサキチ「ヒヨシマル様。私は、きっとヒヨシマル様の

参謀になります。」

 

オオタニギョウブ「学問は面白うございます。」

 

ヒヨシマル「そうか。わしは智恵はあると言われるが、

学が無い。二人とも頼りにしているぞ。」

 

 

実の子はいないものの、武芸、学問に優れた子どもたちがヒヨシマルの家では育ち、

彼らが将来のヒヨシマルの腹心の部下に成長していきます。

そして、その子達を含めたヒヨシマルの家で最も柱となっていたのが・・・

 

 

キノシタノオネ「みんな。スイカを切ったわよ。食べましょう。」

 

カトウノトラノスケ「おお。スイカじゃ!」

 

フクシマノイチマツ「お袋様。ありがとうございます!」

 

サワヤマノサキチ「スイカ。いただきます!」

 

オオタニギョウブ「スイカ、スイカ!」

 

キノシタノオネ「うふふ。たくさんあるわよ。

たんとおあがりなさい。」

 

 

子どもたちと14歳しか離れていないのに、

お袋様と慕われているキノシタノオネ。ヒヨシマルの妻です。

キノシタノオネは、この頃、まだオワリノブヒメの臣下でしたが、

家庭やヒヨシマルの伊勢経営の手伝いが忙しくなり、実質的には

尾張への出仕はしていませんでした。

伊勢は、伊勢神宮周辺のみが神武様の領地。その他はオワリノブヒメ領という

建前であり、オワリノブヒメが伊勢統治のために派遣しているという形になります。

 

 

ヒヨシマル「おう。オネよ。わしとコイチロウは今夜は夕飯はいらん。

ハチスカノコロクらと打ち合わせの会合があるのでな。」

 

キノシタノオネ「あら?またですか。最近、多いですね。」

 

ヒヨシマル「いろいろと民のためにせねばならんことが多くてな。

コロクとはいろいろ相談せねばならん。」

 

キノシタノオネ「あまり飲み過ぎないようにしてくださいね。」

 

 

ヒヨシマルと弟のコイチロウは夕方出かけていきました。

おや、サワヤマノサキチが何か落ち着かない様子です。

サワヤマノサキチに声をかけるキノシタノオネ。

 

 

キノシタノオネ「サキチ。どうかしましたか?」

 

サワヤマノサキチ「えっ、いえ・・・」

 

キノシタノオネ「・・・?」

 

 

その夜。会合が終わり・・・

 

 

ハチスカノコロク「ヒヨシマル殿。今夜も行くんだろ?」

 

ヒヨシマル「ふふふ・・・もちろんだ。」

 

コイチロウ「兄上・・・そろそろ義姉上にバレてしまうのでは・・・」

 

ヒヨシマル「バカ野郎!女房が恐くて、女遊びができるか!」

 

 

三人が向かったのは、伊勢の飲み屋街にある『愛羅武(アイラブ)』という高級酒家でした・・・

 

 

シュカノママ「いらっしゃいませ!ヒヨシマル様達3名様!ご来店!」

 

ヒヨシマル「ママ。景気はどうだ?」

 

シュカノママ「ヒヨシマル様!お待ちしておりましたよ!

今日は、新しい女の子も入ったんで、しっかり教育お願いしますよ」

 

ヒヨシマル「ほう。新しい女の子か。よし、わしが、

夜の商売をしっかり教え込んでやろう。」

 

 

薄い衣を纏った若い女性達に囲まれるヒヨシマル達三人。

って、ここは、現代風に言ったら、キャバクラみたいなお店!?

 

 

ヒヨシマル「おう。姉ちゃん達!飲め!飲め!おい、ママ!

一番高い酒と伊勢エビ料理持ってこい!」

 

シュカノママ「はい!よろこんで!」

 

コイチロウ「今日も、可愛い子がそろってるのう。」

 

ハチスカノコロク「やっぱ、仕事の後は、お姉ちゃんのいる店で

一杯やらんとな。」

 

ヒヨシマル「おう!お主が新人か!名は!?」

 

キキョウ「キキョウと申します。よ、よろしくお願いいたします。」

 

ヒヨシマル「おお。ちと緊張しておるな。

まあ、楽にやれ。飲むがいい。」

 

キキョウ「ありがとうございます。いただきます。

(キャッ!お尻触られてる・・・面接だとお触り無しのお店だって言ってたのに・・・

あ~でも、この国のご領主様だし、我慢するしかないか・・・)」

 

 

ヒヨシマル達は、美女達の体を触りまくりながら、

飲めや歌えの大騒ぎ。

どんちゃん騒ぎが続きます。

すっかり酔っ払ったヒヨシマルは裸になり、目隠しをして、

店の女の子達に抱きつきます。

そこに来客が・・・

 


シュカノママ「いらっしゃいませ!

・・・ゲッ!」

 

コイチロウ「はっ!」

 

ハチスカノコロク「あっ、いや、こ、これは・・・」

 

 

その客がヒヨシマルに近づいていきます・・・

ヒヨシマルから離れていく酒家の女達・・・

ヒヨシマルは、その客に抱きつきます!

 

 

ヒヨシマル「おっ!これは誰じゃ!?

この柔らかい胸、なかなか良い腰つきじゃのう。

どうじゃ?わしと今夜、一緒に寝てみぬか?

良い思いをさせてやるぞぅ~!」

 

コイチロウ「あ、兄上・・・」

 

ハチスカノコロク「あっ、ママ・・・俺、帰るわ・・・」

 

???「ふ~ん。あなた、こういう遊びを毎夜毎夜、

やっていたのですか・・・

私が誰かわかりませんか?」

 

ヒヨシマル「へっ!?」

 

 

血の気が引いていくヒヨシマル・・・

ヒヨシマルが目隠しを外すと、そこには妻の顔が!

 

 

キノシタノオネ「仕事とばかり思っていたのに・・・

ほう、あなたと寝るのですか・・・

そんな風に浮気までしてたのね!」

 

ヒヨシマル「オ、オ、オネ!ち、ちがう!

ちがうんじゃ!」

 

キノシタノオネ「なにが!ちがうか!

このアホタワケが~!!!」

 

ハチスカノコロク「いかん!あの構えは!」

 

コイチロウ「女どもよ!総員退避~!物陰に隠れよ!」

 

ヒヨシマル「あ、あわわ・・・」

 

キノシタノオネ「風神雷神覇!!!」

 

ヒヨシマルにすさまじい雷雨と稲妻が降り注ぐ!

キノシタノオネの奥義!風神雷神覇がヒヨシマルに炸裂した!

 

ヒヨシマル「ああぁ~~~!!!」

 

シュカノママ「ひ~!夫婦喧嘩は家でやって~!

お店壊さないで~!」

 

キノシタノオネ「あっ、ママさん。お代は置いておきますね。

こら!さっさと帰るわよ!このサルが!」

 

シュカノママ「ま、まいど、ありがとうございます~!」

 

 

ヒヨシマルは、簀巻きにされ、キノシタノオネに引きずられて行った・・・

そして、翌日・・・

 

 

キノシタノオネ「実家に。尾張に帰らせていただきます。」

 

ヒヨシマル「オネ!オネ様!ご、誤解じゃ!

ふざけていただけで、浮気などせぬし、したこともない!」

 

キノシタノオネ「本当に?」

 

ヒヨシマル「・・・したこともない・・・は嘘になるかも知れんが、

あくまで、店の女の子は仕事でやっとることじゃ!

わしは、彼女らの生活のために!」

 

キノシタノオネ「お金を払って性欲を満たしてきた・・・

サイテー。」

 

ヒヨシマル「オネ様!オネよ~!

わしが愛しておるのは、お前だけじゃ~!」

 

キノシタノオネ「愛が無くても、欲望は満たすのね・・・

男って、汚らしい!」

 

ヒヨシマル「オネ様~!」

 

キノシタノオネ「尾張に帰ります。では、さようなら!」

 

 

激怒したキノシタノオネは、尾張に帰ってしまいました。

 

 

カトウノトラノスケ「お袋さん・・・いったいどうしたんだ?」

 

フクシマノイチマツ「ヒヨシマル様!なにがあったんですか!?」

 

ヒヨシマル「じ、実は・・・」

 

カトウノトラノスケ「オヤジ殿・・・サイテー。」

 

フクシマノイチマツ「お袋さ~ん!帰ってきて~!」

 

サワヤマノサキチ「すみません・・・僕がお袋様の尋問に

答えされられてしまい・・・」

 

オオタニギョウブ「いや。オヤジ殿が悪い。」

 

ヒヨシマル「だ、誰も、わしの味方をしてくれない・・・

そうじゃ!ハンベエ~!ハンベエ~!知恵を貸してくれ~!」

 

 

ヒヨシマルは、ミノノハンベエの屋敷に行きます。

 

 

ヒヨシマル「ハンベエ!オネ殿の怒りを解くために、

智恵を貸してくれ!」

 

ミノノハンベエ「殿・・・私は軍師であって、

夫婦喧嘩の仲裁役ではございません・・・」

 

ヒヨシマル「ハンベエ!反省しておる!助けて!」

 

ミノノハンベエ「反省だけならサルでもできます・・・

離婚原因になり得ますよ・・・」

 

ヒヨシマル「ハンベエ!なんとかして!」

 

ミノノハンベエ「下手に策を弄する方が事態を悪くします。

誠心誠意謝って、あとは時間が解決してくれるのを待つほかないかと・・・」

 

 

尾張。オワリノブヒメの宮殿。

 

 

マエダノマツ「オ、オネ!?どうしたの!?」

 

キノシタノオネ「マツゥ~、浮気されたよぉ~!」

 

マエダノマツ「浮気!?あのサル顔が!?

あんなのと浮気する女なんているの!?」

 

キノシタノオネ「・・・人の亭主にえらい言いようね。」

 

マエダノマツ「とりあえず、久しぶりに尾張に来たんだから、

ノブヒメ様にご挨拶なさい。」

 

 

オワリノブヒメと会うキノシタノオネ。

 

 

オワリノブヒメ「なに?サルが浮気をした?」

 

キノシタノオネ「ノブヒメ様!悔しゅうございます!」

 

オワリノブヒメ「・・・その話の内容からすると、

サルはお主に抱きついたのだな。

浮気はしてはおらんと思うが。」

 

キノシタノオネ「浮気しようとしました!

浮気しようと考えただけで許せない!」

 

オワリノブヒメ「オネよ。お主のような良い女は他におらん。

サルめには、お主以上の女は現れることはない。

そして、あのサルを好いてやる女も、お主しかおらん。

案ずることは何も無い。」

 

キノシタノオネ「ノブヒメ様・・・」

 

オワリノブヒメ「それとも、我があのサルを手討ちにしてやろうか?

だが、あれも神武の臣。神武にも筋は通さねばならんか・・・」

 

キノシタノオネ「めっそうもございません!

ノブヒメ様や神武様のお手を煩わすような問題ではございません!

我が夫婦の問題は、我が夫婦で片をつけまする!」

 

オワリノブヒメ「ふっ。しかし、サルめが女遊びをしただけで、

その怒りよう・・・

オネは、あのサルを好いておるのじゃな。」

 

キノシタノオネ「あの人は、サルのような顔をしていますが、

面白い男です。あれほどの男は天下のどこにもおりません。」

 

マエダノマツ「なに?オネは、夫の自慢をしに来たの?

ふふっ。」

 

キノシタノオネ「ふふっ。」

 

オワリノブヒメ「まあ、幸せそうでなによりじゃ。

サルめには、我からも叱りの文を書いておこう。」

 

イケダノツネオキメ「ノブヒメ様。サル・・・ヒヨシマル殿と

ミノノハンベエ殿がキノシタノオネ殿に会いたいと来ておりますが・・・」

 

オワリノブヒメ「ほう。」

 

キノシタノオネ「我が夫とハンベエ殿まで!?」

 

 

部屋に通されるヒヨシマルとミノノハンベエ。

 

 

キノシタノオネ「・・・何のご用でしょうか?」

 

ヒヨシマル「オネ・・・すまん。わしの反省の気持ちを

お前に伝えたくて・・・

ハンベエに同行してもらった。」

 

キノシタノオネ「ハンベエ殿まで巻き込んで・・・

それで、どう伝えてくれるのですか?」

 

ミノノハンベエ「オネ様。では、どうかご覧下さい。

ヒヨシマル様の反省の気持ち。」

 

ヒヨシマル「反省!」

 

 

ヒヨシマルは、ミノノハンベエに手をつき、

反省のポーズをする。

 

 

キノシタノオネ「・・・・・・」

 

ヒヨシマル「ダメじゃ!ハンベエ!

ぜんぜんウケてない!」

 

ミノノハンベエ「ふう・・・それがしに言われても・・・」

 

キノシタノオネ「・・・ふっ、ふふふ・・・

はっははは・・・なんですか?それは?

ホントに、バカねぇ。」

 

ヒヨシマル「オネ様!」

 

キノシタノオネ「今回だけは許してあげます。

もう二度と浮気しようなんてしないでね。」

 

ヒヨシマル「オネ~!オネ!戻ってきてくれるのか!?」

 

キノシタノオネ「とりあえず、あなたがバカな女遊びをできないように、

私が神武様からあなたがいただいている給料を管理します。

いいわね?」

 

ヒヨシマル「ひ~!キビしいぃ~~~!」

 

キノシタノオネ「ふふ。さあ、伊勢に帰りましょうか。

子どもたちも待ってるわ。」

 

 

戦場では神武十将軍の一人として名将と呼ばれるヒヨシマル。

しかし、名将も、私生活はこんなものだったりする。

キノシタノオネはその後も、ヒヨシマルの子を産むことは

生涯無かったが、ヒヨシマルは、妻であるキノシタノオネのことを

誰よりも愛し続け、大切にしたという・・・