こんにちは。

アレテーを求めて~

今日もトコトコ( ・ω・)

弁護士の岡本卓大です。

 

神武征討記の登場人物等はこちら( ・ω・)

 

 

 

なお、この物語はフィクションです。

極右、ネトウヨからの批判、誹謗中傷は受け付けません。

本作の著作権は、作者に属します( ・ω・)

それでは、はじまりはじまり~

 

 

 

この物語は、日本という国の原型を作った一人の

空前絶後の英雄の生涯を描いた物語である。

 

神武征討記

第28話「川越の名将!ヒカワノドウカンを味方にせよ!」

 

 

ストーリーテラーのアメノウズメでございます。

神武様、カムイ、ツチミカドヒメのわずか3人による奇襲が成功し、

秩父王宮に向かっていた3000のロッカクノドウヨ軍は潰走しました。

秩父王宮では、チチブカネビメが男の子を出産。

生まれた男の子は、ウラワツキノミヤと名付けられました。

 

 

神武「カネビメ。出産おめでとう( ・ω・)」

 

チチブカネビメ「神武様。ありがとうございます。

無事に安全に我が子ウラワツキノミヤを出産できたのも、

神武様達が、秩父王宮に向かう軍勢を奇襲で

追い払ってくださったからでございます。」

 

ショウリュウキ「かわいいわね・・・私も子どもが

欲しくなっちゃうわ。」

 

サキタマハニマル「ショウリュウキさん、ありがとう。」

 

ツチミカドヒメ「おめでたいところ、すまないけれど、

これからどうするの?

敵軍は、熊谷に集まってるのよね?」

 

カムイ「エツノケンシンという者がいかに強いとしても、

1万2000で2万7000と戦うのは、厳しいだろうな。」

 

ショウリュウキ「秩父から北上して挟撃するにしても、

こちらの兵力は、わずか1000・・・

各個撃破されれば終わりか・・・」

 

チチブカネビメ「一つ策はございます。

現在、大和勢力にも、我らにも属さない兵力を持つ者がおります。

その者を味方につけることができたなら、南から敵軍勢を挟撃

できるやも知れません。」

 

神武「両方に属さない兵力を持つ者。それは、何者だ?」

 

チチブカネビメ「武蔵(埼玉県)最強の武将。

川越の豪族ヒカワノドウカンという者でございます。」

 

ショウリュウキ「武蔵最強の武将。そのような者がいるのか?」

 

カムイ「ヒカワノドウカン。聞いたことがある名だ。

ゲンジノヨリトモが何度も勧誘しても、味方にならず、

川越の地をあっさりと明け渡し隠遁していると聞くが。」

 

チチブカネビメ「ゲンジノヨリトモら大和勢力の者たちも、

ヒカワノドウカンを恐れ、攻撃を加えません。

川越の通過を認めさせた上で、ヒカワノドウカンが大和勢力に

仕えぬことも黙認しているようです。」

 

神武「大和勢力と戦いもしないし、服属もしない豪族か。

だが、そんなヤツが味方になってくれるのかな?」

 

チチブカネビメ「それはわかりません。気難しい男のようです。

我が父チチブミツミネやサキタマギョウダ王が、何度呼びかけても、

助力はしてもらえませんでした・・・」

 

神武「とりあえず、会いに行ってみるか( ・ω・)

川越ってのは、ここからどう行けばいい?」

 

チチブカネビメ「北には敵軍がおりますので、

山道を抜け飯能に出て、入間川に沿って、入間、狭山と

北東に向かうのがよいかと思います。」

 

神武「・・・飯能、入間、狭山( ・ω・)?」

 

サキタマハニマル「神武君、僕が一緒に行くよ。」

 

神武「かわいい息子が生まれたばかりなのに、

すまんな。ハニマル。よろしく頼む。」

 

キバノヒンベイ「ハニマル様のことは、

このヒンベイがお守りいたしますぅ!」

 

ショウリュウキ「また山道か・・・」

 

ツチミカドヒメ「うふふ、ハイキングみたいで楽しいでしょ?」

 

神武「秩父の兵は、置いていこう。山道なら少人数の方が

動きやすいし、秩父もいつまた攻められるか、わからないしな。」

 

チチブカネビメ「秩父兵の指揮は私が執りますので、

ハニマルをよろしくお願いいたします。」

 

 

こうして、神武様、サキタマハニマル、キバノヒンベイ、

ショウリュウキ、ツチミカドヒメ、カムイの6人は、秩父の東の山道を

越えて、川越へ向かいました。

その頃、エツノケンシンの軍勢は、上野(群馬県)と武蔵(埼玉県)の境、

現在の伊勢崎市付近を、利根川に沿って東進しておりました。

 

 

ビワジマノウサミ「ケンシン王。この利根川を渡れば、武蔵(埼玉県)でございます。

敵軍は、ここより南東の熊谷に2万7000の軍を展開しております。

鶴翼の陣のようですな。」

 

カキザキノイズミ「我らの2倍以上の兵力で三方向から包囲殲滅するつもりか・・・」

 

ミノワノナリマサ「渡河して武蔵(埼玉県)に入るとすれば、この伊勢崎から本庄に行くか、

東進して太田から熊谷、またはさらに東進して館林から埼玉(さきたま)王宮が

かつてあった行田あたりでの渡河となりましょうか。

少なくとも、敵軍が布陣する熊谷での渡河は避けるべきかと。」

 

エツノケンシン「・・・オワリノブヒメ軍は?」

 

ビワジマノウサミ「おそらくは信濃(長野県)から軽井沢を通って、

高崎付近を通る進軍になるかと。」

 

エツノケンシン「さらに東進し、館林から行田に渡河しよう。

オワリノブヒメ軍は、最短距離をとって高崎方面から本庄に渡河するだろう。

熊谷の敵軍を東西から挟撃する。

ヌマタオイカミは、オワリノブヒメ軍との連絡のため、高崎に向かってくれ。」

 

ヌマタオイカミ「御意!」

 

 

その頃、信濃(長野県)上田付近では疾走する騎馬兵団1万の姿がありました。

 

 

オワリノブヒメ「進め!この道の先には軽井沢!

そして、その先は上野(群馬県)じゃ!武蔵(埼玉県)は近いぞ!」

 

ヒヨシマル「信濃(長野県)というのは、山道が続くなぁ・・・」

 

キノシタノオネ「サル殿!ノブヒメ様に遅れを取ってはなりません!」

 

マエダノマツ「ノブヒメ様!偵察隊の報告によれば、

上野(群馬県)は、エツノケンシン殿が、

すでに攻略しているようです!」

 

オワリノブヒメ「で、あるか!

ならば、ケンシン軍とうまく連携したいものよの。

進軍しつつ、情勢を把握せよ!

偵察隊をさらに放て!」

 

 

それぞれの道を進軍するエツノケンシン軍とオワリノブヒメ軍。

彼らと熊谷に陣を張る大和勢力軍勢との決戦の日は近い・・・

場面は、再び、神武様の下へ。

神武様達は、川越に到着しました。

川越、ヒカワノドウカンの屋敷・・・

 

 

ヒカワノドウカン「なんだ?貴様ら?何をしに来た?

俺は誰にも仕えぬ。」

 

神武「俺は、天孫一族の王太子・神武。ヒカワノドウカン殿に

助力をお願いしに来た。」

 

ヒカワノドウカン「天孫一族だろうが、大和勢力だろうが、

俺は誰にもつかぬ。帰れ。」

 

サキタマハニマル「ヒカワノドウカンさん、お願いします。

あなたも僕たちと同じ武蔵(埼玉県)の人。

武蔵(埼玉県)を守るために協力してください!」

 

ヒカワノドウカン「お主は・・・サキタマギョウダ王の息子のサキタマハニマルか?」

 

サキタマハニマル「そうです。父上・・・サキタマギョウダ王は、

長瀞で大和勢力のナンボクチョウタカウジ軍と戦って戦死しました。

ヒカワノドウカンさんの力が必要です。どうか協力してください。」

 

ヒカワノドウカン「サキタマギョウダ王が死んだか・・・

だが、俺は、貴様らの争乱に関わるつもりは無い。」

 

神武「なぜだ?ヒカワノドウカン殿。あなたは、自分の国である

武蔵(埼玉県)が侵略されているのに、なぜ動かない?」

 

ヒカワノドウカン「侵略か・・・それは、貴様ら、権力者だけの問題だな。

民達にとっては、誰が支配者であっても変わらん。

支配者がサキタマギョウダであろうが、ゲンジノヨリトモやナンボクチョウタカウジ

であろうが、また、神武王太子だったか?お主であろうが、民達の生活には

なんの変わりも無い。

働き、税を搾り取られ、労役にかりたてられ、戦があれば兵士として戦わされる・・・

誰が支配者でも民の苦しみは変わらぬ。

どの支配者でも同じだ。

貴様ら権力者は、民を労働力、税を納める資金源、そして、戦の兵力としてしか

扱わん。

誰が支配者であったも変わらぬものを、なんのために、わざわざ民達を兵として

戦わせなければならない?

なぜ、貴様ら権力者の争いのために無駄に民達を死なさなければならない?

誰が支配者であっても同じ以上は、無駄な戦には参加せず、ただ、戦が終わるのを

待てば良い。

そして、戦が終わった後に、また荒れた大地を耕し、その結果できた作物を

新たな権力者に搾取される。

ただ、それだけのこと・・・」

 

サキタマハニマル「そんな!?父上は!」

 

ヒカワノドウカン「民にも優しい王であったな。それは認める。

だが、ゲンジノヨリトモらの侵略から民を守る力は無かった。

弱き王。民を守れぬ王ならば、滅ぼされてもやむを得まい。」

 

神武「ゲンジノヨリトモ達は、関東各地の民達を徴兵しているらしいではないか。

川越の民も徴兵されることになるのではないのか?」

 

ヒカワノドウカン「ヤツらは、川越の民には手は出さん。

俺がいるからだ。

俺は川越の民だけ守れればそれでよい。

武蔵(埼玉県)の支配者が誰になろうと興味は無い。

税は課されるだろう。だが、それは支配者が誰であっても

同じことだ。」

 

神武「わかった。自ら動く意思の無い者に頼むべきことは無い。

川越の民達に、俺自らが呼びかけることを了承してほしい。」

 

ヒカワノドウカン「なに?民達に呼びかけるだと?

何を言っている?民など、支配者が命令しなければ自らの意思で

動くことなど無いぞ。」

 

神武「そんなこたぁ無いさ。川越の民の一人一人にだって

ちゃんと自分の意思がある。

自分の国を侵略から守りたいという人だって、中にはいるだろうさ。」

 

ヒカワノドウカン「民の一人一人の意思?

お主、いったい何を言っておるのだ?

民というのは、自らは物事を決める意思も能力も無い連中。

支配者が命じて初めて動くのが民というものだ。」

 

神武「誰が支配する者で、誰が支配されるしかできない存在なんて、

誰が決めたんだ?

一人一人、同じ人間だ。」

 

ヒカワノドウカン「同じ人間!?貴様、王族なのだろう!?

天孫一族と言えば、アマテラス大御神の孫である天孫、

ニニギノミコトの直系の王家!

その天孫一族のお主が、民達と同じ人間だと!?」

 

神武「王族も、将も、兵も、民も、役割が違うだけで、

同じ人間だ。当たり前のことだろ( ・ω・)?」

 

ヒカワノドウカン「わからん!なぜ、最も高貴な血筋である

特別な存在であるはずの天孫一族の王太子が、そのような考えを!?」

 

神武「特別な存在?俺は、ただの一人の人間だぜ( ・ω・)」

 

ヒカワノドウカン「し、信じられん・・・あの名君であるサキタマギョウダ王や、

チチブミツミネ王ですら、高貴な王として、民を慈しむべきものとして

接していた・・・

それを、この天孫一族王太子である神武という男は、民の一人一人を

自分と同じ人間だと言うのか・・・信じられん・・・」

 

カムイ「神武にとっては、民も将も、そして異民族のアイヌである俺も、

同じ人間。俺は、そういう神武に惚れ込んで付き従っている。」

 

ツチミカドヒメ「私もそうね。土蜘蛛の血を引く私のことも、

神武は、対等な人間として接してくれる。

そんな神武だから、私はついて行くことを決めた。」

 

ショウリュウキ「私は、沖縄に帰れなくなったとき、

国を作ると叫んだ神武に心を打たれて、長年従っている。

あなたは、支配者など誰でも同じというけど、私はそうは思わない。

神武のような王にこそ国を治めてもらいたい。」

 

ヒカワノドウカン「国?神武よ。お主は、どんな国を作りたいと言うのだ!?」

 

神武「俺が作る国は!!

一人一人の人間が大切にされる、

誰もが、平和に笑って暮らせる国だ~!!!」

 

ヒカワノドウカン「なんと!?」

 

神武「まあ、自ら動く意思が無いあんたに、

無理に動いてもらうつもりは無いさ。

あんたは、あんたの思う人生を生きてくれ。

あんた自身の人生なんだから( ・ω・)」

 

ヒカワノドウカン「ゲンジノヨリトモも、けして器の小さな男では無かった・・・

あやつも、天下を治めても、おかしくない器量を持った人物だとは感じた。

だが・・・この男は、いや、このお方は・・・

まさか、俺が、心に思い描きながら、存在するはずが無いと

思っていた、真の王者!?」

 

 

驚くヒカワノドウカンを尻目に、神武様は、川越の民達に直接呼びかけました。

戦いを強いるのではなく、自らの意思でともに戦いたいものを募り、また

戦いを怖がる者を責めることなく、一人一人の民と目を合わせて語っていく

神武様・・・

神武様の下には、川越の民達の中から志願する者が2000人、集まりました。

 

 

神武「みんな。よく集まってくれた!

これから北へ!熊谷へ出陣する!」

 

ヒカワノドウカン「お待ちくだされ!」

 

サキタマハニマル「ヒカワノドウカンさん?」

 

ヒカワノドウカン「わずか2000の兵では足りません。

このヒカワノドウカン、そして、私の私兵3000騎を、

神武様の旗下にお加えください。」

 

神武「ヒカワノドウカン殿。」

 

ヒカワノドウカン「人を動かすは至誠なるかな・・・

神武様。あなた様こそ、このヒカワノドウカンが

求め続けていた真の王!

このヒカワノドウカン!

今後、魂が滅するまで、神武様への忠誠を

お誓いいたします!」

 

神武「ありがとう。ヒカワノドウカン。

行こう!俺達の平和な国を作るために!」

 

 

武蔵(埼玉県)最強の武将ヒカワノドウカンの私兵を含めた

5000の兵を率いて、神武様達は川越を出発し、北の熊谷の

決戦に向かいます。

そして、その頃、エツノケンシン軍、オワリノブヒメ軍の他に

もう一軍勢、決戦の地・熊谷に向かっている軍勢がありました。

 

 

サルメノウズメ「ほらほら~!行くわよ~!」

 

キビノモモタ「思ったより、あっさり武蔵(埼玉県)に入れたな。」

 

クマノヤタ「敵さんも、まさか江戸湾(東京湾)から船で

北上する水軍がいるとは想定してなかったようだな。」

 

サカタキンタロ「このまま荒川に沿って北上すれば、

ハニマルの故郷の埼玉(さきたま)近くまで行けるはずだ。」

 

アチタケル「間に合ってくれよ!行くぜ~!」

 

 

江戸湾(東京湾)から船で北上するアチタケル、サルメノウズメ、キビツモモタ、

ハヤトイエヒサ、クマノヤタ、サカタノキンタロ、ダイダラボッタロウの率いる

水軍7000は、決戦の地・熊谷へ着々と近づいていました。

さあ、そろそろ、両軍が激突しそうね。

今回は、ここまでにしときますか。

次回は、

 

第29話「熱いぞ~!熊谷の戦い!開戦!」

 

お楽しみにね~

ナビゲーターは、アメノウズメでした。