日常における真の日常とは

日常における真の日常とは

日常を淡々と過ごしている、ごく普通のサラリーマンが感じる日常の不条理や疑問、あるいは爆笑ネタをお届けします。

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梅雨時は気分が乗らないなぁなどと思っていたら、いつのまに灼熱の日差しに汗がダラー。


というわけで、うな丼 である。

多くの日本人はうなぎが好きだ。
うな重だろうがうな丼だろうがひつまぶしだろうが、うなぎが好きだ。かつて、うなぎが嫌いという人に出会ったことがない。

休日に買い物に出掛けた先で、格安うな丼店を見つけた。看板には「XXXX駅前店」とあったので、どうやらチェーン展開しているようだ。
牛丼屋でもうな丼を出す時代だから、うな丼専門ののファストフードもありだな などと妙に納得した。

入り口のすぐ脇のポスターに
「うなぎの限界に挑戦! 特製うな丼 500円!  うな丼ダブル900円!」と大きく書かれている。随分と挑戦的なキャッチコピーである。

500円は安いなぁ、うん安い安い、と言いつつ店に入ってしまった。まんまと店の思うつぼだ。

「いらっしゃいませ~、お一人様ですかぁ?カウンターのお席にどうぞぉ」
「ご注文はお決まりですかぁ?」
「あっ、外のポスターにあった500円のうな丼をください。」
「ブラス100円で大盛りにできますけど、どうしますか?」
「いえ、普通でいいです」
「ご一緒に肝吸いはいかがですか?」

(えっ、肝吸い? あっそうか、さすがに500円だから、何にも付いてないんだな。)
と、即座に考えながら目の前の小さなメニューをチェック。肝吸い150円の文字を見つける。

「いや、肝吸いは要りません、うな丼だけで」
「はぁい、暫くお待ちください」

いくらファストフードでも相手はうな丼だ。店員の言葉通り暫く待つものと思っていたら、2分も待たずに出てきた。
「お待たせしました、うな丼です」

うわっ、うなぎ、ちっさいな」が第一印象である。
申し訳程度の大きさのうなぎである。
うなぎの面積はご飯の面積の1/3くらいしかない。どんぶりを上から見ると、うなぎの小ささが際立つこと、この上ない。
割りばしでうなぎをつまみ上げて、改めて確認する。うん、間違いなく小さい。

か、しかし、一口食べてみれば、そこはうな丼である。やっぱり美味しい。
確かにうなぎは小さいが、うな丼のたれだけでもご飯はいけるのだ。もはや、うなぎが美味しいのか、たれが美味しいのか、分からないけれど美味しいのだ。
「これが500円かぁ」と感動しながら食べていると、隣の席に小柄な男性が座った。 60~70歳くらいと思しき男性で、ストライプのポロシャツを着て小さなバッグを肩に斜め掛けしている。 最近はやりの町歩きの途中でうな丼をいただこうという感じである。

「ご注文はお決まりですかぁ?」
「うな丼をお願いします」
「ブラス100円で大盛りにできますけど、どうしますか?」
「あぁ、大盛りでお願いします」
「ご一緒に肝吸いはいかがですかぁ?」
「あっじゃ肝吸いもお願いします」
「いま、肝吸いをご注文頂くと、サイドディッシュが半額になるんですけどぉ、何か召し上がりますかぁ?」
「サイドディッシュってのは何ですか?」
「メニューのこちらの中から選んでください」
「・・・じゃ、大根サラダをお願いします」
「はぁい、暫くお待ちください」

おとうさん、随分と小柄だけど大盛り頼んで大丈夫? 大根サラダも店員さんの勢いにつられて頼んでしまったのでは? と他人事ながら心配してしまう。

2分程待っていると、隣の席にうな丼が出てきた。
「お待たせしました、うな丼大盛りです。」

うな丼の大盛りは、気の毒なほどにうなぎが小さく見える。大盛りにはうなぎダブルじゃないと太刀打ちできない。

「お待たせしましたぁ、大根サラダと肝吸いです」
肝吸いは美味しそうだが、大根サラダは40点くらいかな。

おとうさんも私と同じで、まずはうな丼からうなぎを箸でつまみ上げている。
うなぎが小さいことを必死で受け入れようとしているかのようだ。無理もない。おとうさんのご飯は大盛り。うなぎの小ささが際立ってしまっている。


改めてメニューをチェックしてみた。 おとうさんの注文は、うな丼大盛りに肝吸いと大根サラダ半額で計950円であった。


おとうさん、きっと私と一緒で入り口脇のポスターのキャッチコピーに引き寄せられて来たんだよね?
それなら、うな丼ダブルでご飯は普通盛りが正解だったかも。ご飯とうなぎの面積の黄金比が堪能できたと思うよ。