現在20代前半の自閉症息子が支援学校高等部3年生の頃、
卒業後の進路を決める為に
生活介護施設や就労支援b型施設など
色々な施設に見学に行ったのですが 、
ある就労bと生活介護を併設している施設の責任者の方に言われたことが今でも忘れられません。
その施設は大きな工場の中にあり、
就労b利用者の人たちは大きなテーブルでそれぞれ軽作業をし、
工場の隅の一角の小さなテーブルで生活介護利用の方々が
それぞれ自立課題に取り組んでいました。
息子は私と一緒に見学に行き、
就労bの方々と同じ作業を体験させて頂きました
その間、約1時間ぐらいだったのですが、
私は退席するように言われたので
工場の外に出て時間を潰し、
1時後に工場に戻り、息子の様子を聞いたり、息子に感想を聞いたりしていたのですが、
その様子を見ていた責任者の方に
「お母さんは息子さんとの距離が近い。普通、健常の高校生の息子に根掘り葉掘り聞かないでしょう?障害があるからって甘やかしてはダメ」
「卒業後は厳しい環境に居ないとどんどん甘えて何も出来なくなるよ、
(と生活介護利用者の人達を指差して)ほらあんなふうに」
…なんか生活介護の人たちをバカにしたような言い草で胸が痛くなってしまい、
結局はその施設はお断りし、
別の作業所に通うことになりました。
しかし、指摘された息子との距離については
実は私はその時、
息子とちゃんと距離を取れていると思っていたので、
当時は心外で大層驚き腹が立ちましたが、
今、あの頃のことを振り返ると
確かに言われた通り距離が近かったし
高校生の息子に対する言葉遣いや振る舞いではなかったな…と思います
しかし、いくら厳しい環境で頑張らせることが大事だと言っても
雪がチラつく2月に
暖房もつけず(付いていたかもしれませんか全効いていなかった)冷たい椅子に座って
ダウンコートを着たまま細かい作業を頑張っている利用者の方々を見て
(…厳しい環境といっても流石にこんな寒い中で長時間の作業に耐える必要ある?)
と疑問に思いました。
ただその責任者の方も
利用者さんの将来を考えてあえて厳しい環境で厳しく接しているのかも知れません。
でも個人的には
就労bで作業できる人が偉い、作業できずに生活介護でマイペースに過ごしている人がダメ
とは全く思いません。
実際息子が通っているのも生活介護施設ですし(一応その中で仕事をしているので工賃は貰ってますが)。
ただでさえ自閉症という障害を持って生まれて、
健常者には分からない苦労をしてきたであろう息子に
必要以上に厳しい施設に通わせたいとは思いません。
どんな施設に通うにしろ、その人らしく過ごしているのならそれでええやん
と思います。
ただあの時、距離が近いとハッキリ指摘して頂けたおかげで
息子との距離感を見つめ直す良い機会になったので良かったです
早期にグループホームへ入居させる決断が出来たのも、あの時のあの言葉のおかげかも知らんけど
この先、障害があるお子さんの進路に悩む親御さんに参考になれば幸いですならんやろ
読んで頂きありがとうございました