今、ピアニスト人気がアイドル化しているという🎹

2021年ショパン国際ピアノコンクール第２位の反田恭平、東大出身という異色の経歴が注目されユーチューバーとしても活動する角野隼斗、数々の国際コンクールに入賞後、世界にその活躍の場を広げる藤田真央、2022年ロン＝ティボー国際音楽コンクールで優勝した亀井聖矢…

若手ピアニストが群雄割拠するピアノ戦国時代の到来か

ちなみに私は、2021年日本音楽コンクール第１位、昨年のクララ・ハスキル国際ピアノコンクールにも出場した谷昴登くん推しであります

先日、桐朋学園でピアノを学ぶ学生たちの演奏を聴く機会があった。　

門下生総勢23名による４時間半におよぶコンサートだった。

門下には推しの谷くんもいるらしいが、この日は登場せず、その代わりあの亀井聖矢の名前がプログラムの最後にあった。

サントリーホールでのリサイタルは即日完売という亀井さん。

演奏を聴ける機会はなかなかないと、朝から桐朋学園へ向かった。

長丁場の演奏会に備えて、まずはマックで腹ごしらえ。

朝マックのソーセージエッグマフィンのおいしいこと

開演より早く会場に着くと、人はまだまばら。

どこに座るか迷ったが、１段上がった前から３列目の席に座る。

その後、やっぱりいちばん前の席に座ろうか迷っていると、とある男性が「いちばん前は見上げなきゃならないから首が疲れますよ」と親切に教えてくれた。

男性の言葉に従い、先に確保した前から３列目に腰を落ち着ける。

会場となったホールは21年に完成したばかりの新しいホールで、ほのかに木の香りがする。

コンサート第１部は、２台ピアノによるコンチェルト。

モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、シューマンの豪華ラインアップだ。

すべての曲の感想を紹介したいところだが、一つ挙げるならベートーヴェンのピアノ協奏曲第３番第３楽章。

この日初めて聴いたが、なんて躍動感溢れる曲だろう。

演奏者も時に笑みを浮かべながら楽しそうに弾いている。

特に伴奏の男性が伴奏の域を超えていると思ったら、日本音楽コンクール第１位の方でした。

休憩を挟み、２部からはピアノソロ。

出演者の中には、まだあどけなさの残る高校生も混ざっているようだ。

昨年の日本音楽コンクール決勝の演奏を聴き、そのロマンチックかつダイナミックな演奏に魅了された朴沙彩さんも登場。

この日はラヴェルの夜のガスパールからスカルボを演奏する。

まるで鍵盤と一体になったかのような腕、指の運びが凄すぎて息を呑む。

ほかにもラフマニノフ、シマノフスキなど印象的な演奏がいくつもあった。

第３部の１人目は、モーツァルトのロンド K.511。

短調の旋律が美しい

やっぱり私はモーツァルトが好きなんだなぁ。

男子生徒が演奏したブラームスのヘンデルの主題による変奏曲とフーガ。

音楽を完全に我がものとしていて、長い曲だけど最後まで惹き込まれた。

本人に感動を伝えたかったほどだ。

この方も何かのコンクールの優勝者だった。

亀井さんの前に演奏されたショパンの「ドン・ジョバンニ」の「お手をどうぞ」の主題による変奏曲。

前回のショパンコンクール覇者のブルース・リウが演奏して話題になった曲だ。

モーツァルトのオペラから主題を取った変奏曲で、歌う旋律が楽しい。

休憩を挟み、いよいよ亀井さんの登場だ。

突然ステージが暗くなり、椅子もいつの間にコンサート用のものに代わっていた。

舞台に現れた亀井さんは、すらっとしていて想像よりも大きい。

しばらく椅子の高さを調整したあと、すぐ演奏に入った。

１曲目はショパンの舟歌。

たゆたうような左手、まるで水彩画というか印象派の絵画のようだ。

ピアニストの中には、よく客席の方に顔を向けて演奏する人がいるが、亀井さんはその逆。

客席と反対の左側を、しかもかなり後方まで顔を背けて弾くシーンがある。

亀井さんにしか見えない何かが見えているのだろうか。

舟歌の演奏後、しばらく沈黙が続き、２曲目のベッリーニ＝リストの「ノルマ」の回想へ。

亀井さんが先ほどのショパンの演奏時にも増して生き生きしている。

時に中腰になりながら、全身全霊でピアノを弾く亀井さん。

その姿はまるで、音楽の化身のようだ

彼はすでに、ホロヴィッツなどと同じく正真正銘のコンサートピアニストだった。

大迫力のフォルテシモ。

まるで雷に打たれたような衝撃に体が金縛り状態に陥る

演奏が終わったあと、観客はしばし放心状態。

隣を見ると、この日一緒だった母も、ほかの女性たちも目元をハンカチで抑えている

終演後の会場は「今、私たちは凄いものを目撃してしまった」という共通認識が芽生えたようだった。

コンサートが終わり、ピアノの蓋を閉じに現れた学生の中には亀井さんの姿も

ステージを降りると、フツーの男の子といった雰囲気。　

仲間同士、和気あいあいと楽しげに話している。

母が亀井さんに向かって手を振ると振り返してくれました。

天真爛漫で可愛い

コンサートが終わってからも、母の興奮は収まる気配がない。

すっかり亀井さんに魅了されてしまったようだ。

おばあちゃんをも虜にする亀井さん、ただものではありません

しかし、桐朋の学生たちのレベルの高さにはびっくり

女の子たちはみんなドレスを着て、髪も長く伸ばしていて可愛かった

しばらくはコンサートの余韻に浸れそうです

集合写真に収まる生徒さんをモニター越しに📷

若きピアニストたち～桐朋 木の香りコンサート

若きピアニストたち～桐朋木の香りコンサート