飼っていた手乗りジュウシマツが死んだ。
はじめて自分で選んで買った鳥。
はじめて自分で育てた小鳥。
僕の手の中で死んでいった。
涙が止まらなかった。
そして、自分のせいで死んだんだ、と自分を責めた。
小学校低学年だった。
僕が物心ついた頃にはインコやジュウシマツを外で鳥カゴに飼っていた。
きっかけは忘れたが、ヒナからならして手乗りジュウシマツにしよう、ということになった。
今になればわかるが、ヒナは太ってる方が健康で強い。
しかし、ペットショップで選ぶとき、親から勧められた丸々と太ったヒナより、スリムでカッコいいのを見た目で選んだ。
生物図鑑を見ながら毎日、手に乗せて餌やり機であげた。
日々の成長が嬉しくて、すごく愛着が湧いた頃だった。
朝起きてカゴを見てみると横たわって、目を細めて、弱っていた。
あまりにもショックで悲しくて動揺した。
胸からこみ上げる、モヤモヤ感。
「毎日しっかり世話をして可愛がってたのにどうして?」
それからも必死でなんとかしようと、本を見たりペットショップに電話したりして、回復するように力を尽くしたが、及ばす死んでしまった。
もっと僕がちゃんと選べば、こんな事にならなかった。
もっと僕がちゃんと育てていたらこんな事にはならなかった。
両親がなだめたが、僕は深く悲しみ落ち込んだ。
庭に穴を掘って埋める事にした。
「ごめんね、僕のせいで死なせてしまって。僕がもっとちゃんと育てられたら、、、」
泣きながら後悔した。
それから自分で選択する事に迷い、自信が持てなかった頃は特に後で選択ミスした時、時々思い出していた。
自分は正しい選択ができないのではないか?
不幸な選択をしてしまうのではないか?
そんなことを思っていた。
でも、今なら、それも最善の選択だったと言える。
僕が最期まで看取ってあげることができて、墓に埋めてあげることができた。
そのまま、ペットショップにいたら、カゴの中でひっそりと死んでいたかもしれない。
そして、この事から僕は小さな生命の大切さや失うことの悲しみを学んだ。
今の優しさはあのジュウシマツのおかげでもあるんだ。
自信を持ってそう言える。
ありがとう。
天地人に感謝
生かされていることに感謝