こんばんは。

オカダトモコです。
 
先日の昼下がり、母が突然言いました。
 
「着物って、幾らぐらいで買い取ってもらえるのかなあ」
 
あまりに急だったので、なんのことかさっぱり分からず
 
「なに、急に」
 
と答えたところ、
 
「最近、坂上忍がCMしてるじゃない。着物の買い取りの。
 ああいうところにお願いしたら、どれくらいで引き取ってもらえるのかなあと思って。
 
 わたしも年だし、そろそろ片付けられる物は片付けておかないと、残されたらあんたも困るでしょう。
 
 そろそろ『終活』っていうの?
 やった方がいいねって、お父さんと話しててね。
 
 今年は屋根裏部屋を片付けようってことになったのよ」
 
 
母からの
 
突然の終活宣言。
 
 
娘、何も言えず。
 
 
 
我が家は10年ほど前に、
父が会社を倒産させ、家を借金のカタに取られてしまったため、
 
現在借家住まいです。
 
 
築40年の古い家ではありますが、
二階建ての一軒家で、
屋根裏部屋や「納戸」と呼ばれる小さな物置部屋があるため、
 
前に住んでた家からの荷物を
全てそこに押し込んでいます。
 
私が幼い頃に使っていたものや
母が嫁入りに持参した着物や
趣味の道具など諸々。
 
 
両親がいなくなったら、
この大量の荷物をどうするんだろうな…と、
少し前(両親が入院した頃)から、
ぼんやりと考えてはいました。
 
 
持ち家ならそのまま置いておいてもいいのかもしれないけれど、
両親が死んだら、わたしはこの家を出て行くことになるから、
処分なり何なりしないとな…と。
 
だって家賃もったいないし、
一人なら部屋数少ないマンションで十分だもんね。
 
 
 
そう。
ぼんやりとは考えていました。
 
「いつかはちゃんと考えなきゃいけないな…」と。
ぼんやりと。
 
でも両親も考えていたんだなあと。
 
 
ありがたいという気持ちもあります。
置いたままにされたら、後が大変だから。
ひとりで片付けるなんて、考えるだけでゾッとする。。
 
だからありがたい。
けど、ちょっと寂しい。
 
だって、気付いちゃうじゃないですか。
 
その時は近付いているんだなってこと。
 
 
 
実家を離れてれば良かったのかもだけど、
すっかり実家に根付いてしまったいま、
 
腹が立つことも
喧嘩することもあるけれど、
 
日々の思い出を共有する家族がそこにいるという毎日。
家に帰れば両親がいるという毎日。
 
 
でもしばらくしたら、それはなくなる。
 
 
昔飼っていた犬の話とか
親戚のおばさんの話とか
前に住んでた家の話とか
 
「そうそう、そうだったね〜」
「懐かしいね〜」
 
そんな風に、思い出を共有できる人たちが、この世からいなくなる。
 
 
そう思ったら、少し胸がきゅうっとなりました。
 
 
誰もが通る道だけど。
一人で受け止めるしか仕方がないのだけど。
まだ起きていないことを憂うのは無駄かもだけど。
 
 
突然の終活宣言は、なかなかに堪えるものでありました。
 
 
以上、42歳の現場から。
オカダトモコでした。
 
 
 
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