最近SSDに換装したノートブックのほうがデスクトップよりもWindowsの起動が速く、残念な状態だったのとそろそろ容量が不足してきたので、SSDに載せ替えることにしました。従来でしたら2.5inchのSSDをSATAで接続するところですが、最近はM.2フォーマットのNVMEが速いらしく、それもPCIe接続なのでSATAに比べ5倍以上は速くなりそうでした。

私の2015年に購入したマシン、Lenovo Think CenterM73を調べてみると、NVMEはサポートしていない(記述すらない)ことがわかりました。

ですが、世の中を調べてみると、BIOSでは起動できないのでClover EFIというBootloaderを間に入れて使用している人を多々発見。自分も試すこととしました。これは多くの人柱に感謝の意味と覚書です

 

まず、NVMEとClover EFIが使える条件は、

1.M,2ソケットがなくてもPCIeスロットが使えること。

2.BIOSがUEFIモードに切り替えられること。

3.Clover EFIはUSBメモリーで起動するのでUSBに空きがあること。

4.OSはWindows8以降ドライバーが存在している。

でした。

幸い、ThinkCenterはGen2とはいえPCIeのグラフィックボード用スロットがあり、x16まで対応可能。

これなら、ねらうNVME SSDが使えそう。

シリコンパワーの1TBメモリーです。Amazonで約2万円!高いとみるかはお任せします。

PCIe Genenration3でx4が使えますから、相当早いと期待。

これを使用するには、M.2からPCIeへの変換アダプターが必要で、これもAmazonで2,000円程度で手に入ります。

ただし、ヒートシンクとねじが付いていることを確かめないといけません。

アイネックス ヒートシンク搭載 M.2 SSD 変換PCIeカード AIF-08

 

まずWindowsが動いているうちに、Clover EFIの準備をしておきます。

Clover EFIは、元々Apple OSXをX86マシンで立ち上げるためのツールで、GUIの構成ツールはMACでしか動きません。

WindowsユーザーはISOファイルをダウンロードします。

https://sourceforge.net/projects/cloverefiboot/files/Bootable_ISO/

2019年5月時点で

"CloverISO-4920.tar.lzma"

が最新です。

このlzma圧縮ファイルは、Explzhなどの解凍ツールを使ってISOファイルにします。

https://www.ponsoftware.com/

私が10年以上愛用しているツールで使用法は割愛します

 

解凍すると

"Clover-v2.4k-4920-X64.iso"

ファイルができますから、これをUSBメモリーにBoot可能な書き込みます。

書き込みツールは、Rufusを使用しました。

https://rufus.ie/

こちらです。USBメモリー16GB程度を差し込むと認識してくれます。ISOファイルを選択して書き込むだけです

(デバイス名にGRUB2の名前がついていますがご愛敬、Grub2ではBootできなかった)

USBメモリーの中身はこんな構造です。

         autorun.inf

         autorun.ico

     <DIR>          EFI <-Cloverのブートに使用する重要なファイル
     <DIR>          Library<-Cloverのほかのドライバーなどファイル
     <DIR>          usr<-Cloverのマニュアルなどのファイル

 

ここで肝心のNVMEドライバーを導入しますが、実はすでにISOイメージには入っているので移動するだけです

"EFI>CLOVER>drivers-Off>drivers64""NvmExpressDxe-64.efi"

"EFI>CLOVER>drivers64UEFI"にコピーします。

 

ディスクの準備ができたら、外付けDVDかUSBでNVMEにWindows10をクリーンインストールの準備をします。

DVDによるFactory Recoveryは、後述するGPTにならない可能性もあります。

Windows10のイメージは、

https://www.microsoft.com/ja-jp/software-download/windows10%E3%80%80

ここからダウンロードできます。USBにも書き込めます、おそらくUSBが便利です。

Windows10のイメージができました。

 

さて、大きな問題は、Clover EFIは、名前のごとくUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)を使用します。

新しいBIOSの仕組みで8TB以上のディスクやBootの方法に自由度を与えますが、従来のディスクのパーティションMBR(Master Boot Record)ではなく、GPT(GUID Partion Table)という方法を使います。

ThinkCenterはUEFIをサポートしているもののハードディスクはGPTに変換する必要があります。

私の場合、従来のハードディスクのWindowsにNVMEを追加したので、NVMEを追加した状態でWindowsのWindows Power Shellから変換ができます。

Windows 10のスタートアイコンを右クリック->Windows Power Shell(管理者)

従来のコマンドプロンプトに入り、MBR2GPT.EXEという命令を実行します。

メニューWindows PowerShell
Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved.

PS C:\Windows\system32> cmd
Microsoft Windows [Version 10.0.17763.475]
(c) 2018 Microsoft Corporation. All rights reserved.

C:\Windows\system32>MBR2GPT /Validate /Disk:1 /AllowfullOS
MBR2GPT: Attempting to validate disk 1
MBR2GPT: Retrieving layout of disk
MBR2GPT: Validating layout, disk sector size is: 512 bytes
Disk layout validation failed for disk 1

ここでDisk:1の1は、ディスク管理で表示されるディスクの番号で対象のNVMEを探して入力します。

/Validateオプションは、検証するだけで、ここでFailしているのは何らかの問題があり、変換できないということ。

/AllowfullOSオプションは、このMBR2GPTは通常Windows Reで使用されることを前提らしく、通常のOSで使う場合このオプションを指定します。

さてこれでFailした場合DISKPARTというツールでパーティション情報を一切消去します。

 

同じく、コマンドプロンプトで

メニューWindows PowerShell
Copyright (C) Microsoft Corporation. All rights reserved.

PS C:\Windows\system32> cmd
Microsoft Windows [Version 10.0.17763.475]
(c) 2018 Microsoft Corporation. All rights reserved.

C:\Windows\system32>diskpart

Microsoft DiskPart バージョン 10.0.17763.1

Copyright (C) Microsoft Corporation.
コンピューター: THINK-CENTERM73

DISKPART>DISKPART> list disk

  ディスク      状態           サイズ   空き   ダイナ GPT
  ###                                          ミック
  ------------  -------------  -------  -------  ---  ---
  ディスク 0    オンライン           465 GB  1024 KB        *
  ディスク 1    オンライン           931 GB      0 B
  ディスク 2    オンライン           953 GB  1024 KB        *
  ディスク 3    メディアなし             0 B      0 B

DISKPART> select disk 2
ディスク 2 が選択されました。
DISKPART>

DISKPART>CLEAN ALL

DISKPART>CONVERT GPT

 

この後、Windows10のシステムディスクを取り外し(これは重要で、Windowsを同時に別々のハードディスクに導入すると片方のブートレコードを消してしまい、ブートできません。(何度もインストールしなおす羽目になりました)

Windowsをインストールしてください。なんとWindowsのUSBイメージでは、NVMEのドライバーがBIOSになくても自分のドライバーで導入してくれます。
 

ただし、まだWindowsは立ち上がりません、ここで、うかり元のWindowsのハードディスクをつなげて立ち上げないことです。

ここで先のClover EFIのUSBを差し込み、BIOSでBoot順位をUSBを優先にすれば、Clover EFIが立ち上がります。

LegacyのBIOSの設定をやめる
1. CSMのDisable
2. Secure BootのDisable
3. EFI Only
 

 

これは同じくCloverEFIを使用した海外の例私もほぼ同じです。

https://www.win-raid.com/t2375f50-Guide-NVMe-boot-without-modding-your-UEFI-BIOS-Clover-EFI-bootloader-method-18.html

ブートできなくてもたくさんのブートオプションが表示されてしまいます。

これはplistを編集して隠せるのと、Cloverのスクリーンは、Themeとして変更できますのでご自由に。

 

これだけです。すばらしい!

左がHDDで右がNVMEです。起動は22秒しかかりません