今日はいよいよ第3回目です、(けいざい深話)黒田日銀の半年
もいよいよ海外との接触に入ります。
デフレ脱却、日本は三回目の挑戦になります。
しかし、世界が注目しているのは間違い有りません。
では、朝日新聞の報道をどうぞ。
朝日新聞 朝刊 2013年9月27日付けニュースです。
(けいざい深話)黒田日銀の半年:
3 肌で感じたFRBの慎重さ

8月下旬。日本銀行総裁の黒田東彦(はるひこ)は、
米西部ワイオミング州のイエローストン国立公園に近い、
高級リゾートにいた。
目の前には雄大なロッキー山脈が広がる。
この避暑地で毎年夏に開かれているのは、世界の中央銀行総裁や
著名学者が集まる国際金融シンポジウムだ。
「日銀が導入した量的・質的な金融緩和は、
すでに効果を上げつつある」
非公開の討議で、黒田は得意の英語でこう自賛した。
そのシンポで最大の話題は、日銀同様に金融緩和を続けてきた
米連邦準備制度理事会(FRB)が、その緩和策の縮小に
どう踏み出すのか、だった。
FRBは、国債などの金融資産を毎月850億ドル買い、
市場にお金を流す「量的緩和第3弾(QE3)」を続けている。
緩和効果で株高が続き、景気回復も継続している米国はいま、
日欧より一足先に金融緩和を縮小しようとし始めている。
黒田は、高原のさわやかな陽気のなか、
国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事や、FRB関係者と
語り合っていた。
グラスを片手に表情はやわらかだ。
その一方で、黒田はFRBの次の一手を読み取ろうと、
神経をとがらせていた。
緩和の出口に向かいつつあるFRBと違い、
日銀はいま大規模緩和のまっただ中にいる。
だが、あと2年もすれば、日銀も異例の緩和から
どう抜け出すのかを考えなくてはならない。
一足先を行くFRBは、格好のお手本になるからだ。
だが、FRBは感触をつかませなかった。
帰国した黒田は、日銀幹部にこう漏らした。
「バーナンキ議長が欠席していただけでなく、
それ以外のFRB関係者の発言もほとんどなかった。
彼らはすごく慎重になっている」
FRBが神経質になっていたのは
「(緩和縮小を)急ぐ必要はない」(ラガルドIMF専務理事)
と公然と批判されていたことが背景だ。
緩和縮小観測で、世界から「緩和マネーが減る」
という見方が広がっていた。
新興国など各国で株価が下がり世界経済は混乱していた。
9月18日。世界の金融市場が、米国の金融緩和縮小を
織り込んでいたにもかかわらず、FRBはそれを見送った。
黒田が肌で感じた通り、FRBは急に、慎重姿勢に転じていた。
緩和縮小の見送りを受け、株価は世界で急上昇した。
市場は緩和マネーという「モルヒネ」を求め続けている。
日銀のある幹部はいま、「やはり異例の金融政策からの出口を
模索するのは難しいのか」とつぶやく。
日銀は、いまは大規模緩和による景気浮揚効果に沸いている。
だが、FRBの姿は、2年後に日銀が置かれる立場を
暗示している。
=敬称略(高田寛、渡辺淳基)
■この連載へのご意見は
「keizai@asahi.com」まで。
☆☆☆
世界の金融のプロが集って開いた国際金融シンポジウムでしたが
FRBは手の内を明かさないまま金融緩和縮小という大方の見方
とは別に緩和政策を続行することにしました。
新興諸国から、市場から投資マネーが逃げているという悲鳴にも
似た訴えが政治的配慮を受けて先延ばしにしたものと思います。
一度金融緩和というモルヒネを打つと慢性的モルヒネ症候群に
成り、その中毒症状から逃げ出すのは大変です。
日本も2年後には経済回復、借金体質の改善が完了していないと
金融緩和を止めることは困難に成るでしょう。
それこそ高橋是清の様に誰かが死んだだけでは収まりません。
その難しさは、黒田総裁自身が一番解っているのだと思います。