男の子は青で女の子は赤。

私が幼い頃暗黙の了解で決まっていた事柄。

兄がいた私は幼いながら赤色に抵抗があった。
「お兄ちゃんは青でなんでちーちゃんはあかじゃないの?」
兄の真似がしたくてしかたなかった私はよく母に赤なんか嫌だとだだをこねていた。
私は兄のお古の青いラインが入った上履きを持って行くようになった。
トイレにいくと「男の子が女の子のトイレにはいっているー」とよくからかわれた。
私は男の子じゃないし。
考えればわかるだろと幼稚園生のくせに、冷静にあたまで突っ込んでいた。
私はトイレの扉をガタンと開け「ちーちゃんやし」と出て行った。
女の子やしって言い返さなかったのは、見ればわかるだろと頭で思っていたのもあるが、私という存在が青を選んだとわかってほしかったから。私が男の子にうまれていたら兄がいることで青の上履きで同じだと安心するだろうし、もし姉がいたら赤じゃないことにだだをこねるだろう。
男の子とか女の子とかじゃなくて自分の周りの環境。周りの環境で私の考えはできあがるし、その考えが私をつくりあげる。性別はたまたまどっちかになってるだけで私が女の子に生まれたのは私が選んだんじゃない。私の生き方は私が選ぶ。小さいながらどこかにそんなふうに思っていたんだろうな。
兄がいたから高校、大学に進学するのは当たり前、塾、予備校にいくのも当たり前、卒業したら就職するのが当たり前。根は周りが作る。枝は選択して自分が作る。
私の生き方ってそんなかんじ。