「なんであの時ボールをキープしたんですか?」

先週、ホームコートの府中で行われた日立戦の後のサイン会にて、
意外なことに、この質問を何人かの方にされたんです。

ゲーム終了まで残り15秒くらいあったと思います。10点くらい勝っていてこちらのオフェンスです。もう日立はファールもしてきませんしディフェンスもしてきません。ちょうどボールを持っていた僕は、シュートにも行かずにそのまま何もせずゲーム終了までドリブルをして待ちました。これはよくある光景です。

そう、ちょうど似たような話をどこかで見たような気がしたんで、ちょっと探してみたらやっぱりありました。田臥勇太選手のブログ(携帯からだと直リンクできないかも、「リスペクト」という記事です)です。

この記事を読んだときは、「そういう考え方もあるんだ」と率直に思いました。そのシーンは何度も見たことがありますが、そんな意味合いのものだとは知りませんでしたから。ただ、僕の場合はリスペクトの思いを込めてというよりは、相手が何もしてこない以上は当然のマナーかなと単純に思っただけです。アメリカのバスケットをなんでもかんでも真似する必要はないと思いますし…。まぁ、リスペクトとか横文字使うとなんとなくかっこいい気もしますが。

ベンチから「岡田!スリー!」とのジェスチャー(←もちろんこれはジョーク)。そうだなー、自分のスタッツも悪かったし、スリーならちょうど100点目だし(でもトヨタでは100点目を取った人は全員にビールを奢るという隠れルールがあるらしい)・・・っていう考えも浮かびましたが到底出来る雰囲気じゃありませんでした。空気を読んだというか、やっぱり相手との暗黙の了解なんでしょうね。

そういうわけで、質問してくれた件に関して、プレーする側と見ている側のギャップを埋めるのも大切かなと思って、ちょっと書いてみました。もちろん、相手が最後までやるならこっちも最後までやりますよ。ここは日本ですから。

特にあの試合は子供たちがたくさん見ていましたから、「なんで最後までやらないのー?」と聞かれたお父さんお母さん、回答に困ったら「こんな考えもあるんだよ」って教えてあげてくださいね。


そう、リスペクトと言えばルー、チャック、マイケルの三人の外国人選手についてですが、彼らの中にその言葉は顕著に見られます。

棟方さんが話してくれたんですが、
「あいつらは日本人のチームメイトをすごく信頼しているよ。例えばシューターがノーマークなのにシュートを打たなかったり、躊躇したり、遠慮したりすることをとても嫌う。『なんで打たないんだ』って。それは、日本人選手への信頼の現れだし、シュートに関しては日頃からお前らの方が入るということを素直に認めている。現時点であいつら三人が一番シュート確率が高いにも関わらずね。」、と。

確かに見ててもその通りなんです。それはきっと彼らの中にリスペクトの心っていうのがあるんだろうなって思います。さっきはアメリカどうこうって言いましたが、そういう所はすごく良い所だと思うし、それこそ僕が彼ら三人をリスペクトしている所でもあります。誰かの良いところを素直に認めて自分の技術力向上に繋げる事は大切だと思うし、心がけていることでもあります。ただの負けず嫌いではダメなんです。

誰かに信頼されるということは非常に嬉しいことです。でもまだまだ、もっともっと確かな信頼を得られるよう頑張っていきたいと思っています。バスケットに関しても、人間的にもです。

さてさて、ということで遅くなりましたが先週末のホームゲームでは応援ありがとうございました。暖かい声援のおかげで二連勝、首位をキープすることができました。

今週末は北海道でレラカムイとアウェイゲームです!
さすがに東京からは応援に来れないと思いますが・・・
北海道の皆さん、少しはアルバルクも応援してくださいね!(笑)

ではでは。

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