ある雑誌の取材で「自分の人生に影響を与えた本を紹介してほしい」と言われ、一冊挙げるならこれかなぁと思い、久しぶりに読み返した本があります。「ビジョナリー・カンパニー」という本です。詳細な内容は忘れかけていたのですが、読み返していくうちにやっぱり無意識のうちに影響を受けていたことを実感しました。

本の内容は簡単に言えばこうです。世界的な超優良企業(ソニーやウォルマート、ボーイングなど)を「ビジョナリーカンパニー」として筆者が絞り込み、ビジョナリーカンパニーになれなかった比較対象企業との違いは何なのかを明らかにしていきます。そうしていくうちに、今まで常識と考えられていた経営哲学が、次々と否定されていくのです。15年も前に書かれた本ですが、今でも多くの経営者やビジネスマンに読まれているとても有名な本です。

団体スポーツは会社などの組織とよく似ていますから、このような経営の本はすごく参考になるのです。ただ、この本は「チームレベル」、つまり組織力を上げるヒントになったのはもちろんのこと、「個人レベル」でのモノの考え方にも影響を与えてくれました。特に以下の三点は心に残っている部分なので、紹介しておきます。(会社の話ですが、そのまま個人にも応用できると思っています。)


会社の基本理念を定めるのに「何が正しい」という正解はなく、重要なのは定めた基本理念を「どれだけ貫き通しているか」

一度決めた会社の「基本理念」は何があっても曲げないが、「方法・戦術」はいつでも変える覚悟を持つ

社運を賭けた大胆な目標(BHAGと呼ぶ)を掲げること。これは簡単には達成できないような非常に高い目標であり、かつ、誰にでも分かるような明確なものでなければならない



・・・


さて、今年を振り返ってみると、まずは「本当に濃い年だったなぁ」というシンプルな感想が一言出てきます。きっと今後の人生を通しても、2009年は特別な一年だったと言えるでしょう。小さな頃からの夢であった日本代表に初めて入る事が出来たこと、会計士試験の短答と論文一部科目に合格出来たこと。どちらか一つだけとっても嬉しいことですが、それを同時に達成できたことが何よりの嬉しい出来事でした。

照れくさい話ですが、約3年前、「公認会計士とバスケの日本代表を同時に目指す!!」と周囲にアツく宣言しました。決心を曲げないため、退路を断つ意味も込めて、宣言したのです。当時それを聞いて鼻で笑った人もいたかもしれせん。事実、無茶だと言われたりもしました。でも結果的に、運や機会にも恵まれ、どんな形であれ代表に入ることができました。会計士試験も失敗を経てようやく形のある結果を一つ残すことが出来ました。

今思えば、これはさきほどのBHAGの一種だったのかもしれません。
とにかく今年も当初の自分の信念を曲げずに、最後まで諦めずにやってきて良かったと思います。確実に成長できた一年でした。

最後になりましたが、今年も一年間応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。たくさん頂いたメッセージやファンレターの中で「頑張る姿に刺激を受けました」「私も頑張ろうと思いました」「勇気をもらいました」と書かれていることが何度かありました。

自分のしていることで、ほかの人が何らかの影響を受けてくれること、本当に嬉しいです。また頑張ろうという気持ちになり、こちらこそ勇気付けられます。来年も、頑張る姿を見てもらってまた勇気や希望を与えられるような人間に成長していきたいと思います。

2010年が皆さんにとって充実した一年になりますように。

それでは、よいお年を。