ども、どれもお気に入りの岡田達也です。
昨日のつづき。
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僕にはいくつかのキャッチフレーズがある。
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「らくだに乗った王子さま」
これは、恥ずかしながら自分で言い出したものだ。
22歳で東京に出てきてからというもの
出会った人に、自分が鳥取出身だという話をすると
「あぁ、砂丘があるとこね」とは言われるけど
“砂丘にらくだがいることを誰一人として知らない”という事実に驚かされた。
「鳥取の観光大使」を目指していた僕は
(30年経った今でも諦めてません)
「砂丘のらくだは有名じゃないのか?!」
「これはいかん! なんとかしなければ!」
そんな思いで、このキャッチを考えた。
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「桃色の声を持つ男」
とある芝居の稽古中だった。
演出家・成井さんの怒声が飛んできた。
「おまえのセリフを聞いてると眠くなるんだよっ!」
おそらくだけどーー
成井さんだけでなく、劇場でも多くのお客さんを眠りに誘ってきた自負はある。
でも、それは、僕の演技だけが原因とは言い切れないんじゃないだろうか?
例えば、観ている側の体調とかコンディションも関係しているのではないか?
満腹なら人は眠くなるだろうし
そう思っているとーー
「だいたいな! そんなピンク色の靄(もや)がかかった、紫色のカーテンみたいな声しやがってっ! だから眠くなるんだよ!」
あっ……
やっぱり私のせいだった……
以来、「桃色の声」だの「ピンクヴォイス」だの言われ続けている。
成井さんはセンスがあるのかもしれない。
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「B級AV男優」
何の公演のときだったか忘れたが、アンケートの中にこんな一文があった。
「岡田達也は、B級AV男優のようだ」
それを読んだ劇団員全員が妙に納得していた。
“その理由を考えずとも、説得力がある”
キャッチフレーズとはそういうものかもしれない。
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「人類が生んだ最高傑作」
30代の僕はなんでもやっていた。
なんでもできた。
仕込み・バラシでは舞台監督さんの手足となり
搬入出では前職の経験を活かしトラックを転がしていた。
居酒屋では
先輩のグラスが空になれば水割りを作り
後輩が遠慮して食べてなければ皿に料理を取り分け
お会計で割り勘の金額を決めるという重責を担った。
その雄姿を見ていた、首藤健祐さん(東京ハートブレイカーズ)が言った。
「たっちゃんは「人類が生んだ最高傑作」だな」と。
続けてこう言った。
「これで芝居が上手くなれば「人類が生んだ神」になるかもしれない」と。
以来、神を目指して頑張っているが、まだその域には達していないようだ。
ちなみにーー
その後はこのキャッチを好んで使っていたのだけど
上川隆也先輩にこう言われたことがある。
「あれ、なんだっけ? 達也は「人類が生んだ最後の鳥取県民」だっけ?」
……いつの日か復習してやろうと思っている
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「未来の鳥取県知事」
若い頃からぼんやりと考えていた。
いつか歳を取っていい大人になったら、生まれ故郷の役に立てないものかなぁ、と。
そうは思ってみても、具体的なビジョンは一切浮かぶことなく、ただただ芝居を続けるしかなかったので
苦肉の策として「未来の鳥取県知事を目指しています」と公言するようになった。
でも今は
鳥取県の高校演劇の審査員も務めさせてもらってるし
鳥取県文化振興財団さんの演劇部門のアドバイザーとして声をかけていただいたり、と
本当に地元のお役に立てるようになってきた。
あの頃、ぼんやりと考えていたことが、少しずつだけど実現してきている。
自分でも想像していなかった道だけど
それはとても嬉しく、ありがたいことであって
この先も続くといいなぁと思っている。
だからこの先も「未来の鳥取県知事」を掲げて
「……おまえ、いつになったら知事になるんだよ?」というツッコミをもらいながら
故郷のために仕事できたらと思っている。
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この他にも
会津藩さんからご指摘があった「黒いカリスマ」もあったことを忘れていたので
それはまた次の機会にでも。
キャッチフレーズが多すぎる気もするけど
すべてお気に入りなので、今後も大切にしていきたい。
では、また。
追伸
東京砂漠やります。
3月16日(火) 13時~
(アーカイブ配信あります)
詳細はこちらをお読みください!
お待ちしています!