こんにちは、岡田医院です。

 

今回は『糖尿病』について書いてみたいと思います。

 

『糖尿病』とは、『インスリンの作用不足による慢性の高血糖を主徴とする代謝症候群』とされています。

 

インスリンを分泌する膵ランゲルハンス島β細胞の破壊・消失による『1型糖尿病』と、
インスリン分泌低下などをきたす遺伝因子に、過食、運動不足、肥満などが加わり発症する『2型糖尿病』に大きく分けられます。

 

ここでは、いわゆる生活習慣病としての『2型糖尿病』について書きます。

 

2型糖尿病の主な原因としては
①遺伝的素因
②肥満(過食、運動不足)
が挙げられます。

 

遺伝的素因とは『糖尿病家系』という言葉もあるように、「インスリン分泌能が遺伝的に弱い」など、糖尿病になりやすい体質のことを指します。このような遺伝的素因のある人に、肥満や過食などが加わることで糖尿病を発症します。

 

『糖尿病』は慢性的な高血糖が続くことにより全身の血管が障害され、様々な合併症を引き起こします。

 

細い血管が障害されると、
・視力低下や失明(糖尿病性網膜症)
・腎機能低下(糖尿病性腎症)
・手足のしびれ(糖尿病性神経障害)
などが引き起こされます。

 

特に『糖尿病性腎症』は進行すると人工透析が必要になり、2016年時点で人工透析の原因疾患の1位が糖尿病性腎症(約40%)とされております。

 

比較的太い血管が障害されると、
・脳梗塞
・狭心症、心筋梗塞
・末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)
などが引き起こされます。

 

末梢動脈疾患では特に足の血流が悪くなり、感染を合併することにより足が壊死し、下肢切断の原因となります。

 

これらのような合併症は患者さんのQOL(生活の質)を大きく下げるだけでなく、命にも関わってくるため、『糖尿病』の予防、早期発見、適切な治療が必要となります。

 

これからしばらくは『糖尿病』について書いていこうと思いますので、お付き合いください。