アーバンブランクス(UB)の純国産素材を厳選したオリジナルブランクを使った真鯛ロッド作りも一段落。
▲計7本作ったけど、どれも過去最高の使い心地で大納得。全長210~240cmでS(軟調)とMの2タイプ、どちらも良い感じ。
UBブランクスの特徴は、
・軽量感。
仕上げ自重330g前後と特別軽いわけじゃないのにとても軽く感じる。
※計算された曲がり角度(ベンディングカーブ)が、持ち重り感の軽減や抜群の抜け感を生み出すようです。
・堅牢感。
普通に加重を掛けた状態なら、どんなに竿を曲げても折れない・壊れないという安心感が凄い。軽量感と堅牢感のバランスがおかしい(笑)。
・感度抜群だけどやり取りが安心。
極小トラギスのアタリも明確に伝わるほどの感度だけど、ピーキーじゃない。高感度の竿はマダイの引きも鮮明化するためにやり取りが怖いんだけど、この竿は引きを絶妙にマイルド化してくれるのでやり取り時の安心感が抜群。
※高弾性カーボンに低弾性グラスをコンポジットしている妙味。
▲マダイヒット中。
・魚をリフトする時の荷重移動が絶妙で良型マダイを浮かせやすい。
良型が掛かると強い腰がじんわりと魚を浮かせてくれるのでやり取りもかなり楽。
・元~中間までのパワーが強めなので、コマセ撒きやアワセがしやすい。
とはいっても強すぎ・硬すぎではなく中間~先は柔軟に曲がるので、クッション性も文句なし。
という感じで非常に使いやすい竿に仕上がりました。UBブランクという過去最高の素材を手に入れたのは僥倖(ぎょうこう)、このブランク一辺倒になりそう。
キハダブランクに一目惚れ。
追加注文した真鯛用ブランクを受け取りに行った際、泳がせ~キハダ用の傑作ブランクがあるとのことで見せてもらいました。
出てきたブランクは軽くて柔らかくて強い・・・繊細さとごつさが共存しているような不思議な調子。
オレ 「軽いですねえ。これでオダモンクラスまでOKですか?」
UB氏「コマセキハダで使われる20~30号ハリス程度は余裕です。フカセや泳がせ用の40号ハリスもまったく問題なしです。ハリス80号でも竿が折れる心配はないんですが、スローテーパーなので曲がりが深くなってポンピングがしにくいかも。その場合は、ワンランク強いブランクを用意しますよ(笑)」とのこと。
力一杯負荷を掛けて曲げてみたりしつつ熟考1分、
「わかりました、じゃあコレください」(笑)。
お値段はマダイブランクの約2.5倍・・・財布のヒモがぶち切れてすっからかんになりがち~~(笑)。
▲左のマダイ用と比較してもそれほど大差ないような穂先(ティップ)で、繊細かつ柔軟。
▲中間(ベリー)に行くに従って急激に太さが増していきます。
▲元から1mまで(バット)は棍棒的ごつさに変身し、全体重を掛けてもびくともしない堅牢さ。元径はマダイ用=約8.3㎜、キハダ用=13㎜。
▲サインペンより太い元径が驚異の強さを生み出す。
▲マダイ用ブランクはわずか90gなのに対し、
▲キハダ用は200g強で、2倍以上の質量。
曲げてみる。
どんな風に曲がるかベンディングカーブをチェックしたいんだけど、一人では強い負荷を掛けられないので船に持ち込んでみます。
▲オレ「UBのキハダブランクを買ってきたよ~」。ユッキー船長「へー、こんなに細いんだ」。ヒューガ船長「これでキハダ大丈夫ですかね」。
「ちょっと曲げてみて」。
▲負荷を掛けて曲げてもらいます。「中間から急激に強くなるんだね」。
きれいな曲がり方をしますが、まだ負荷が足りん(笑)。
「思いきりやってみて。絶対折れないらしいから」。
で、
▲「しっかり持ってろよ」でグイーン。本気負荷を掛けるユッキー船長と耐えるヒューガ船長(笑)。目一杯曲げても破綻の気配なしで、ヒューガのされる(笑)。
「両手で力一杯だから20㎏以上は負荷が掛かってるはずだけど、中間から元はまだ余裕って感じだね」とユッキー船長も納得の強さ。
特に、最も負荷が掛かる中間部分がなめらかに丸く曲がって負荷を分散してくのが良い!
への字に曲がる竿はあまり好みじゃない…。
普通の曲がりチェックだと、折れたら怖いとおっかなびっくり曲げるものですが、今回は遠慮会釈なし(笑)。
どんなに曲げても歪みもきしみも壊れそう感も皆無、強度感が半端ない!
わずか200gの“棒”が、数十㎏の負荷に耐える・・・不思議なもんです。
曲がり方も硬すぎず柔らか過ぎず、計算され尽くした調子なんでしょうねえ。実釣チェックが待ち遠しいです。
各種パーツは、なじみの藤沢釣具さんで調達。
UBのブランクはマダイ用もそうですが曲がりが理想的なので、削ったりカーボンテープで巻いたりといった余計なことは一切不要。
根元からパーツをはめ込んでいくだけで簡単に製作可能なので、ガイドやバットパーツなど必要な小物を藤沢釣具で揃えます。
▲太さ調整用カーボンパイプにバットを組み、ブランクに接着し、ガイドを付けるだけの状態に。
しかし金がかかりますねえ、マグロロッド作り…。
二ケタまではいかないけど、値上がりと消費税がずっしり。でも、完成品を一流メーカーで購入するのに比べると、3~5割引きぐらいなので良しとしようかな。
何より自分好みの竿を作るのはかなり楽しいしね。
パーツが揃ったので早速製作開始。
桜が咲く頃に作り始めたので、
▲満開の桜をイメージ。
ブランクの凸凹を削ってから総巻きしてエポキシクリア塗装後、
▲さらに銀箔・赤箔を貼り付けてイメージに近づけていきます。
▲ブランク装飾が完成したらガイド取り付け。黒で下巻&エポキシ固定後、赤糸で飾り巻き。
▲ガイドスレッドにも箔を貼り付けたら完成。
▲なんだかわからない系カラーが最近の好み(笑)。後ろ側は同時進行中のマダイロッド。マダイロッドの方が繊細でガイド数も多いので面倒かな。
▲フロントグリップを巻き付けたらブランク部分は完成。あとはバット部分を接続するだけ。
▲バット。上はマダイ用のバットで、マグロ用の方が短くてゴツい。強い負荷が掛かる部分なので、荒いペーパーで強めに削ってしっかりと足付けし、最強ボンドで接着。パイプ内側の足付けと脱脂も入念に。
ボンドが完全に乾いたら完成。
▲リールシートとガイドの角度がズレたら全てがパーなので、リールを取り付けてズレがないことを確認するまでドキドキ(笑)。
▲船に持ち込んで曲げてみる。負荷10kg以上。バットは曲がらず、かなり強い。
▲力いっぱい負荷をかけても元からガイド3つぐらいまでは、ほぼ曲がらないぐらいの堅牢さ。
▲150号オモリをぶら下げた状態。硬調…。
▲柔軟に曲がるキハダロッドは持っているので、硬軟の使い分けができそう。
▲かなりの厚塗りで重さを気にせず作ったけど、600g以下なのでOK。
使ってみるのが待ち遠しい。
8月のコマセキハダ解禁後、一義丸では様子を見て出船するそうです。キハダもいいけどカツオが久々に釣りたいなあ。
バイバイ