さて、11月の水曜日、今回を含めると4回にわたってご紹介してきた、なつかしの、きょうの料理。
このたびは、昭和の時代のチーズパイをご紹介したいと思います。
こちらは、たしか、昭和58年(?)8月号の入江麻木さんの作品。
その名も、チーズパイ!
現代でいうと、レアチーズケーキというかんじでしょうか。
パイというよりタルトに近いなあと思うのですが、当時はタルトという名前がそれほど知られていなかったので、あえてパイにしてくださったのかもしれません。
当時、学生だった私は、このページを見たとき、私は母とこのチーズパイを作る決心をしました!
オーブンを使わなくても完成するし、ゼラチンでかためたものなら、なんでも好きな母が、「これ作って。」とめずらしくおねだりモードだったので!
当時の我が家のガスオーブンは温度の調整がむずかしく、かなり人力に頼っていましたので、オーブンを使わなくてよいのは、気が楽でした。
当時はグラハムクラッカーがなかなか売っていなくて、母がわざわざ東京の明治屋まで探しに行ってくれたように思います。
結局、どうしてだったか、次の写真のような、白い、普通の塩味のクラッカーを使って作ったようにも記憶しています。
同じクラッカーでも、グラハムクラッカーとはかなり違います。
味も食感も、色も。
日本ではあまりグラハムクラッカーに出会うことはありません💦
アメリカでグラハムクラッカーというものは、どのスーパーでも見かけました。
キャンプファイヤーやバーベキューの火で、串にさしたマシュマロを焼いて、このクラッカーに、焼いたマシュマロとチョコレートをはさんで食べる、「スモアーズ」。
どこの家庭でもやる、おなじみのお菓子で、日本人でいう焼きおにぎりみたいな立ち位置(?だいぶちがう??)にあるお菓子なので、このクラッカーはどこでも売っていました。
アメリカのグラハムクラッカーはこんなふうにわりと茶色が濃いし、クラッカーがちょっとビスケットに近いかんじの食感とやや甘さを備えていました。
日本でグラハムクラッカーをさがすと、なかなか見つからず、(Amazonならあるけど。)近所で私はこの二つを手に入れました。
食感がやや硬くて、やや塩味系。
食感がビスケットで、やや甘い系。どちらかというと、こちらのほうが、アメリカのグラハムクラッカーに近いような気もしますが、アメリカ製のほうは、もうちょっとパリッとしていたかな・・・?
それで、今回、両方ミックスして、ビニール袋に入れて、それをジプロック袋に入れて2重にして上からすりこ木で叩いて、細かくしました。
でも、あとで思ったのですが、このクラッカーは土台にするときに、粗い食感は不要なので、スピードカッターでもっと粉々にすればよかったなあと思いました。
無塩バターを室温に置いていたものを加えて混ぜます。手が汚れるのが嫌だったので、本では手でまぜていましたが、私は袋の上から混ぜ込みました。これも、スピードカッターでまぜちゃえはよかったかも💦
タルト型に入れるのですが、私のタルト型は底が抜けるタイプなので、うっかり底をもってしまうと、すべて変形させる恐れがあるため、タルト型の外側にパイ皿を置きました。
これで、底を抜くことはありません!!
両手に使い捨てのビニール手袋をして、ぎゅっぎゅと押し込んでタルトの形にしていきます。底の部分はこぶしでぐんぐんおさえました。分厚いボロボロのタルトより、薄くてきっちりしたタルトのほうがいいですから、ここはぎっちりすべてぺしゃんこにしましょう。
冷蔵庫に入れると、がっちりと固まります!
チーズタルトの具を入れたのですが、中にゼラチンが入っていますから、冷蔵庫で冷やしかためます。
ラップがタルトにくっつかないように、厚紙でまわりをかこってラップをしたんだけど、うっかりラップをタルトに少々くっつけてしまった💦まあ、あとで、上から生クリーム塗るので、心配いりません
冷蔵庫で乾かないためです。
チーズ生地のボコボコ感をごまかすために、生クリームを上から塗ります!
スパチュラをうごかしたいのだけど、タルトがボロボロしてくるのでうまく動かせない💦
なつかしのドレンチェリーを刻みます。当時はブルーベリーも生で売っていなかったし、なぜか、どこのスーパーでもドレンチェリーを売っていたので、これを飾りにしたのです。
でも、現代だったら、ドレンチェリーは富沢商店に行かないとなかなか手に入らないし、他のお菓子に使うことも少ないので、ブルーベリーとかでもいいのかも。(あるいは飾りなしか。)
こんな風に完成したんだけど、なんともレトロ・・・。
ボロボロ・・・
タルトのはじっこが美しくないのが、気になる・・・。
包丁も小さな包丁使ったのがいけなかったかも💦
長い、ケーキ用の切れる包丁がおすすめ。
それに本の写真を見てみたら、なんと、生クリームはタルトのはじっこを隠すように塗られていました
それで、気を取り直して、作り直し。
生クリームははじっこまで塗ります!
タルトのはじっこもかくしちゃう!
もうドレンチェリーの飾りもしないで、現代的に仕上げてみることにした!
わお!
ぼろが見えなくなって、なんだかこっちのほうが美味しそうよね
包丁もケーキ用の長いタイプで、ギコギコさせないで、切りました!
さて、お味のほうは・・・。
うーーーーーーーーーん。
美味しいのだけど、クラッカーの部分の手作り感が強すぎる💦
日本の場合は、本場のグラハムクラッカーがないときは、クラッカーより、クッキーを選択すべきだったかも。
カリカリ感がかなりするし、手で圧力がかからなかったところのボロボロ感がある💦
クラッカーよりはクッキーのほうがまとまりやすかったかも💦
厚みがありすぎるところもあるし💦
(とまあ、結局は、私の技術の無さがいけないんだけど・・・。)
その後、現代のレシピでレアチーズケーキを調べてみると、台はクッキーを使用しているものも多い。あるいは、アーモンドプードルも入れた香り高い生地を作って使う作り方もありました。
今回のレシピは当時、まだ日本で、今みたいに便利なオーブンは一部のご家庭にしかなくて、オーブンを使わなくても、本格的なお菓子を作れるように、心をくだいてくださったレシピだったのではないでしょうか。
さて、最後になりましたが、このチーズタルトのレシピを添付しておきます。
私のメモはピンクにしておきますね。
直径20センチのパイ型 一台分(みかけはタルト型に見えます。私が今回使っている型です。)
パイ生地の材料
グラハムクラッカー 200グラム
無塩バター 100グラム
中身の材料
クリームチーズ 150グラム
生クリーム 120cc
砂糖 70グラム
粉ゼラチン 3グラム
レモン汁 大さじ1 1/2
サワークリーム 30cc
飾りの材料
生クリーム 100cc
粉砂糖 10グラム
ドレンチェリー 適宜
作り方
パイ生地を作る
①ふきんの上でクラッカーを砕く。
②ふきんで包み、めん棒でさらに細かくなるまでたたく。
③(写真)
④常温でもどした、やわらかいバターを加える。
⑤指でよく混ぜ合わせ、そもまま約30分置く。(ここでよく混ぜるのがポイント)。
⑥⑤を型に入れ、均等に指でぴったり押さえる。
⑦写真のように、生地を型に均等に、ピッタリと堅く詰め、縁のスカラップの部分もピッタリ押さえ、約1時間以上冷蔵庫に入れる。
中身をつくる
⑧水大さじ1 1/2に粉ゼラチンを入れ、湿らせておく。
⑨ボールにクリームチーズを入れ、柔らかく練る。
⑩ふるった砂糖を加え、さらによく混ぜる。
⑪サワークリームを加え、よく混ぜ合わせる。
⑫レモン汁を加え、よくかき混ぜる。
⑬別に生クリームを八分立てにし、2回くらに分けて少しづつ⑫に加え、混ぜ合わせる。
⑭⑧のゼラチンを湯せんで溶かし、⑬に加えてサッと混ぜる。(手早く、サッと混ぜるのがポイント)。
⑮材料が全部混ざり合って、トロリとでき上った中身の状態。
型に詰める・冷やす
⑯冷やし固めたパイ生地の八分めまで中身を流し入れ、再び約1時間以上、冷蔵庫に入れる。
飾る
⑰飾り用の生クリームに粉砂糖を加えて八分立てにし、⑯の表面に、その2/3量をきれいに塗る。
⑱残りの1/3の生クリームを小さい星型の口金をつけた絞り袋に入れ、パイの周りに絞りだす。
⑲小さく切ったドレンチェリーを飾る。
レシピはここまで♡
以上、ぱんじさんとの、コラボ企画、きょうの料理♡でした
きょうの料理は、永久に不滅です!!