1957年(昭和32年)より60年以上にわたって放送されている きょうの料理。
私は、中学生のころからテキストを買って40年以上のおつきあい。
古いテキストにも、素敵なレシピがあります。
忘れられないでほしい、私の好きなレシピをご紹介できたらと思っています。
中学生の私にとって、「今月のお菓子」という、お菓子のページは、作ってみたいページのひとつでした。
なぜって、お菓子を差し入れする女の子って素敵!!って思っていたからです
「レモンのはちみつ漬けだよ~」なんて配っている女子の輝いていたこと!!
さすがに 男子に配る 勇気はなかったけど、せめて お友達に配ってみたい!
だから、簡単そうなお菓子がでていると、チャレンジしたくなっていたのでした。
そんなときに出会った、「キャロットケーキ」のレシピ。
昭和54年ごろのレシピと思われます。
当時は、まだ野菜をお菓子に使うブームの前で、お菓子に人参が入ることにびっくりしました。
でも、高価なバターを使わないこと。
全国的に今よりずっと盛んだったお中元、お歳暮でサラダ油が山のようにあった実家では、ちょっと作ってみたいお菓子でした。
そして、作ってみて、その美味しさに感激したものでした。
当時は今みたいにアメリカ風の味のものを扱っているお店は少なかったと思います。
食べたことのない味との出会いでした。
今日は、そのレシピをまず、ご紹介しましょう。
もともとは、通常のきょうの料理のテキストに掲載されていたのですが、その後、「NHKきょうの料理 カラー版 ポケットシリーズ30 今月のお菓子」にも掲載された、メリー南先生のレシピです。
このレシピを作るのは、私にとっては久しぶりです。
おそらく、中学生以来ではないでしょうか。
その後も作りたいと思いながら、主人が甘党でないので、作らなかったのでした。
この記事を書くにあたり、作ってみます。
いったい、どんなできあがりになるでしょう?
ちょいちょい、私のコメントを文字の色をかえていれさせていただきます
キャロットケーキ
材料
約10センチ×12センチのハート型 3個分 最近はハート型ってあまり見ませんが、当時は良く売っていました。今回はダイソーのアルミ箔のパウンド型 S 6枚入りから3枚 使ってみました。
小麦粉 175g
シナモン 小さじ1
重曹 小さじ1
ベーキングパウダー 小さじ半分
塩 小さじ1/4
にんじん 140g
サラダ油 150cc
卵 2個
砂糖 140g
下準備
1.小麦粉、シナモン、重曹、ベーキングパウダー、塩を合わせて、2回くらい ふるっておく。
2.にんじんは、皮をむき、すりおろしておく。テキストでは将棋の駒のような形の昔ながらのおろしがねが使われていましたよ♡アメリカだとチーズおろしのようなものを使うことが多いです。
3.型に油(分量外)をぬり、底の型に合わせて薄紙をしいておく。
→今回は、アルミ箔のパウンド型を油を塗らずに薄紙も敷かずに そのまま使いました
4.オーブンは160度に熱しておく。
生地をつくる
5.ボールにサラダ油、卵、砂糖を入れ、泡だて器でよく混ぜる。お菓子作りを普段される方からみたらかなり大胆な作り方ですよね。でもテキストの写真でもこのように作っていました💦
6.約3分くらい、なめらかになるまで混ぜる。お味見してみたら、とってもおいしかった
7,すりおろしたにんじんを加えて、よく混ぜ合わせる。この時ボールの縁をゴムベラできれいにしながら混ぜる。これもお味見してみたら、甘くておいしい
8.1のふるった粉を一度に入れ、木しゃもじで粉の粒がなくなるまで混ぜ合わせる。
ここでお味見すると、重曹のせいでやや微妙になりました^^でも、シナモンがいいかんじ。
9,用意した型の八分めまで生地を入れる。この型だとはんぶんちょっとになりました。
天板に並べます。私はわざとたがいちがいにしてみました。
10.160度のオーブンに入れ、25〜30分で焼く。竹ぐしを刺して、何もつかなければ焼き上がり。
最初こんなに低かったのに・・・。
焼けたら・・・。膨らんでる!!
型からだしてみました。
アツアツを切って食べてみよう!
あ~!青春の味だ!
若いときに作った、あのキャロットケーキの味です!
甘さは優しくて、これより控える必要はないように思います。
最近のキャロットケーキのレシピは、アメリカ風に、くるみや、レーズンが入っていたり、上にクリームチーズと砂糖のクリームが塗ってあったりするのですが・・・。
私が中学生のころは、くるみやクリームチーズを近所で買うのは全国的にはむずかしかったかもしれません。クリームチーズを買うために大きな街にでかけたのを覚えています。
このレシピの作者の方はお名前からすると、きっとアメリカ風のレシピもご存知だったのかもしれませんが、全国の人が作れるレシピにしてくださったのかもしれません。
小麦粉が、薄力粉と書かずに、小麦粉と書いてあるのも、もしかすると、海外の「オールパーパス粉」という中力粉に近い、むこうの粉を使いたかったのかもしれません。
でも、それは今でも日本で買うことはなかなかむずかしい粉です。
今日は私は薄力粉のバイオレットを使いました。中学生のときは薄力粉のフラワーだったかな。
聞くところによると、キャロットケーキとは、砂糖が高価だった時代にイギリスなどで砂糖のかわりににんじんをたっぷり使ったケーキを作ったのがはじまり(?)のようです。
マドレーヌが小麦粉と砂糖が同量のことを思うとたしかに砂糖が控えられてはいますが、さすがにそれなりに砂糖を入れないとなりません。
現代のレシピに慣れている方が、このケーキを召し上がったらどう思われるかしら・・・?
くるみやレーズンやクリームはないけれど、
まわりがカリッとして、中がふわっとして、
油がのってしっとりして、スパイシーなケーキは・・・。
素朴ではあるけれど、青春を思い出す、今も輝きを放つレシピでした