今回、ご紹介するのは、北欧の食器メーカー、アラビアの古い食器です。
先日、バナナブレッドを置いていた食器。
では、アンティークか? というと、そこまでではない。
アンティークというと、骨董品のことなのですが、アメリカの関税法の定義としては、100年以上まえのものでないとそう呼ばないらしい。
古いといっても・・・。
このバレンシアというシリーズは、1960年から2003年に生産された人気シリーズです。
だからバブルのころはもちろん、新世紀になったときもまだ販売していたのです。
そういえば、あのころの実家にあった「ミセス」などといったちょっとおしゃれ好きな主婦むけの雑誌の広告でよくこの柄の食器のアップがあったように記憶しています。
あのころは、ピンとこなかったのよね💦
若かったからスイカの柄とか、キュートなものが好きだったのよ💦
アンティークと言わないとなると、あえて表現するなら、ヴィンテージかな・・・?
ヴィンテージも本来はもうちょっと古いものに使うことが多いとは思いますが💦
ARABIA社の歴史は古いのです。
1873年11月、スウェーデンの「ロールストランド」社が、フィンランドのヘルシンキ郊外にあるアラビア地区にアラビア窯を設立しました。
ローストランド社といえば、この柄に見覚えのある方も多いのではないでしょうか。(最近おでかけできていないので、わからないけど、今もデパートなどで買うことができるのではないかと思います。)
パソコンで調べた情報によると、(てなわけで、今回私が書いている情報は、私があくまでパソコンで調べた情報なので、的確にお伝えできているか自信がないのですが💦)1900年の初め頃まで「アラビア」窯では、主にロシア向けの日用食器、衛生陶器、銅版転写によるディナーセットを製造していたそうです。
パリ万国博覧会に出展されたアラビア製品が金賞を受賞することとなり、『アラビア/Arabia』の装飾技術は国内外から非常に高い評価を受けることとなります。
1914年に第一次世界大戦を迎え、『ロールストランド/Rorstrand』社が『アラビア/Arabia』社を売却するのです。
そうして、1916年に独立を果たした『アラビア/Arabia』は、フィンランドを代表する陶磁器メーカーとして地位を確立し始めるのです。
さまざまなデザイナーによる素敵な作品を輩出してきたアラビア社。
しかし、時代の流れとともに、手書きの器を作り続けるのはむずかしくなってきました。
この、バレンシアは、ARABIA社、最後のハンドペイント作品となってしまったそうです。
現在はアラビア社は、イッタラグループが所有するフィンランドの陶器ブランドです。
さて、歴史はこのへんにして・・・。
器のことを、お話したいと思います。
このバレンシアは手書きなので、描いた方によってだいぶ作風が違うんです。
たとえば・・・。
(画像はお借りしました)
こんな風に花のまわりに白い余白が多いのもあれば・・・。
(画像はお借りしました。)
こんな風に花のまわりの白が少ないのもある・・・。
これじゃあ、何の柄かわかりにくいのでは!!と思う反面、このかんじがいいのよ~っていう人もいる。
実際、このタイプは広く流通しています。
青い色が濃いのもあれば、明るいのもある。
だから、面白いのだけど、何枚か揃えたいときは、同じ作風を集めるべきか、違う作風を集めるべきか、迷うところだし、それに思うような柄に出会えるかどうかも、運次第なところがあるんです。
まだそこまで古くないおかげか、まだ北欧食器屋さんなどに扱っていることがあります。
Amazonでも販売しているし、オークションやメルカリにでてくることもあります。
ちょっとおしゃれなお店で販売していることもあります。
私のお皿は19センチほどの直径で、ケーキを置くのに便利なサイズだと思います。
このお皿に自分がお好きなケーキが似合うかどうか想像してみてくださいませ。
コバルトブルーの手書きが美しいのですが・・・。
日本でも呉須という青い色の食器によくみられる現象なのですが・・・。
色の濃い部分が、角度によってはギラっと光るものもあるのです。
私はそれも手作りの証明と思って、気にしませんが、気になる方はいらっしゃるかもです。
これが、手作りする方にとっては苦労する部分だと想像します。
色を濃くだしたいけど、コクするほど、ギラっとしてしまう可能性が高まるのです💦
次はティーカップです。(コーヒーカップかも?)
上から見るとこんなかんじ。白い肌なので、紅茶の色がよくわかります。
ソーサーの柄です。
これも手作りなので、この中心の輪のような模様がソーサーによってちがったりします。
「もしかして、どれか偽物なのかなあ💦」なんて思いがよぎったりするのですが、お皿は本物であれ、偽物であれ、気に入っていればいいのかなと思うのです。(騙されて高く買うと悲しいので、値段は自分の予算内ですますのが大事ですね。)
それに、日本の昭和の食器もわりと柄がまちまちというのはよくあることで、職人さんの気分次第の時代だったのかもしれないですね。
ティーカップは高台がとっても深いです。
大きなティーカップなので、どんなにたっぷり入ってしまうのだろうと心配になるかもしれませんが・・・。
実は200ccの水を入れてみましたが、ここまできました。
みかけほど入らないので、適量の紅茶を楽しむことができます。
失礼して、裏返してみましょう。
手描きの時代ならでは。裏の文字も手書きですね。
人それぞれの個性があってどれも違うので、おどろきます。
もしかして、鑑定士さんから見たら、あやしい作品もあるのかしら・・・??
でも、もう手に入れたので、本物と思って、大事にしたいと思います。
手描きの作品は味がありますね。
また復活してほしい柄だなあと思っています。