私の好きな料理の本。
それはそれは、数々あって、どこから紹介したらよいのやら・・。
記念すべき第一回は
「神田裕行のおそうざい十二カ月」です。
暮らしの手帳社発行。
私が購入したときで2200円+税でした。
この本は十年連続ミシュラン三ツ星の「かんだ」のご主人が執筆されています。
ところが、載っている料理は、親子丼やほうれん草のごま和えだったりするのです。
つまり、自分でも作ったことがある家庭料理がでています。ところが、やはり学ぶところがあるのです。
たとえば、親子丼。
玉子を手ですくうと弾力のない水っぽい部分が後に残ります。
これは取り除くのです。玉子のくさみの素なのだそうです。
また、私は溶き卵をつかっていたのですが、この本は違います。
先ほどの処理をした玉子を溶かずに白身も黄身もぽとんと落とします。
でも、白身だけを木べらで大きく混ぜて、白身が固まりだしたら黄身をつぶして軽く混ぜて、半熟の状態で火を止めます。
一度ぜひ試してみてください。とろりと濃厚な食感を楽しむことができるでしょう。
この方法はいろいろな卵とじに応用できます。
ほかにも大事なポイントが満載で親子丼は語られていきます。
私はこの本で、豚の生姜焼きをよく作ります。
豚の生姜焼きなんて、どこも同じに思える料理です。
でも、この本ではなぜか添えるキャベツの千切りとドレッシングの作り方がわざわざでていました。
しかもそのドレッシングにはからしをいれてもよいとのアドバイス。
この本の通りにつくって食べた生姜焼きの劇的においしいこと!
キャベツにドレッシング、生姜焼きのハーモニーがとてもおいしいのです。
料理の本そっくりの盛りつけにするのもポイントです。
先生からもキャベツをもり、ドレッシングをかけ、その上に生姜焼きを盛りつけるよう書いてあります。
もちろん、真上にのせるわけではありません。ちょっと手前にかするくらい重なるように盛りつけてあります。
肉のたれも一部含んだサラダが一部やわらかくなってごはんと食べるとき、いろんな歯ごたえを楽しめることでしょう。
野菜のかき揚げもよく作ります。
にんじん、玉ねぎ、グリンピースが主な材料。
「グリンピース?」とはじめは本当に美味しいのかしら(失礼💦)と思って、でも「いやいや、この本では美味しいものしか載っていないからだまされたと思って(失礼💦)作ってみよう」と素直にレシピのまま作ってみたら、その美味しいこと。
家族も魅了されてしまいました。
こんなに美味しいものしか載っていない本はなかなかないことでしょう。
でも本がまるで小説のように文庫本のような大きさなものですから、きっと「料理エッセイか?」と勘違いされてしまっているかもしれません。ご安心ください。カラー写真も満載なのです。それに愛用者としては、これだけしっかりした表紙のおかげで何十年も愛用しても本が壊れないわと嬉しく思っているのです。
家で家庭的な日本料理を作るのがお好きな方はぜひ手にとってみていただきたい名著だと思っています。