4年から始める本当の「志望校対策とは

 

さて、今回はすべての受験生が悩む、この志望校対策について簡単に私見を述べます。

 

志望校対策と言っても、4年、5年はまず土台作りになると思います。


難関校志望でも、それは同じです。

 

違いがあるとすれば、勉強の量と質をどこまで求めるか。

 

御三家、難関校志望は塾の復習+αとして、苦手なジャンルや単元、設問タイプの基礎固めをしておく必要があります。つまり、基礎力強化のための問題集ですね。

 

上位校、中堅校志望は塾の学習で理解が不足している点を補うための、つまり参考書のような+αが必要になるでしょう。

 

この「+α」は、生徒のレベルや志望校、通っている塾によって違いがありますが、どちらにしても「基礎」の徹底を図るためのものを選ぶとよいと思います。

 

ここでやりがちな失敗は、テクニック本に頼ることです。


テクニック本は、この時期に必要はないです。

テクニックに頼ると、この先6年になってから伸び悩みます


なぜなら、テクニックを使うことばかり考えて、自分の頭で思考できなくなるからです。

 

4年、5年はいうなれば「試行錯誤」の期間です。

 

すべての科目で底上げをと言いたいところですが、現実的には国語と算数になるでしょう。

理社は塾の復習でも結構な量ですし。

 

算数は、まず例題レベルを理解+演習量で補足できるような参考書型の問題集が良いかなと。

チャート式みたいなものですかね。

それのめどがついたら、応用問題も少しずつ解いてみてもいいと思います。

基礎クラスでも、応用問題は解いていたほうが良いと思いますね。

応用問題を解くことで、基礎ができているかどうかの確認ができると思いますし。

応用問題を解くときは、解説がくわしいものがお勧めですね。応用問題は「量」より「質」です。

 

国語は、中学受験の範囲となる漢字、知識、文法(品詞レベルまで、+敬語)を早めに終わらせる。

できれば5年の夏ごろまでには、一通りは終わらせたいですね。

論説文対策にもなりますし。

 

そのうえで、読解問題集を。

読解問題集は、その生徒のレベルよりやや上の素材を扱ったものが良いですね。

上位、難関、早慶、MARCH系附属、都立小石川志望ならZ会の問題集が目安になるのではないかと思います。

中堅クラスなら、学研か受験研究社から出版されているものがやりやすいかなと。

 

※お勧めの問題集の詳細は、アメンバー限定記事で、後日紹介していきます。

 

読解については、よく「精読」といいますが、自分は「精読」はほどほどにするという考えです。


精読しても主観(自分の持っている知識の範囲でしか文章を「読めない」のは、認知心理学でも証明済みです。今井むつみさんの本でも、そう書いてありました。)でしか読めない以上、問題を解くときにそれが邪魔になる場合がありますよね。

 

精読=主観、でも問題を解くときは客観って、矛盾していませんか?


これについては、また別記事で書きます。

 

だから、問題を解くまでセットでやり切るほうがよいのかなと。


目的は、あくまで「問題」を解けるようにすることであり、「読書」ではないので。

 

大事なのは、6年になるまで国算を中心に基礎固めをある程度、終わらせておくこと、またはその努力をしておくことです。

 

特に、意外と軽視しがちな国語は。

 

6年は意外と、時間が取れません。

塾での拘束時間も大幅に増えるうえ、学校行事も多くなるからです。

 

これらのことを踏まえて、

6年ではいよいよ実践トレーニングを行っていくという感じになります。

 

実践トレーニングの核となるのは、

 

1・入試問題演習(志望校の過去問も含む)・・典型題・頻出問題の学習

2・弱点補強・・実践レベルで、まだ解けない、もしくは苦手なものを把握し、補強。

 

この2つとなります。

 

2については、できれば6年の9月以降に時間を確保して行う必要があります。


本来なら夏にやりたいですが、塾に拘束される時間も多いうえ、志望校の過去問など、取り組ませるものも多く出されますから、「時間がない」でしょうね。


それに、夏は「暑い」ので、体力消耗が激しくなり、取り組める「量」が、意外と少なくなる。

時間はあるけど、頭がついていけない状態ですね。

 

夏期に過度な期待は禁物です。

塾は「天王山」と煽りますが、気にしないことです

 

ちなみに、ある大学受験の個別指導のオンライン塾の塾長さん(開成高→東大→外資コンサル→塾を起業、塾でも東大合格者を輩出)がYouTubeで言っていましたが、中学受験をした生徒とそうでない生徒の差は、「国語力」と言っていて、中学受験をしない生徒は先取してほしい科目として「英語」と「国語」を勧めていました。

 

たくさんの国語の難しい問題を解いてきたから、必然と文章という情報を読み取る力と思考力、集中力、そして文章や設問から学んだ学問的知識などが身についている状態で中学生になるので、普通の小学校生活をしていたら、太刀打ちできないレベルになっていると思います。

 

特に御三家や難関校の問題を解いてきた生徒は、大人が思う以上に「大人びた精神状態」になっています(笑)恐らく、中学生の段階で大学入試レベルの文章や設問にもそこそこ対応できるのではないかと思います。(もちろん合格点を取れるかどうかは、また別の話ですけど)

 

今回は4年から6年までの志望校対策という視点から、簡単なアウトラインを書いてみました。

 

一昔前の中学受験の常識は、今は通用しません。

 

難度も高いですし、それに伴い、勉強量も一昔前と比べ3倍くらいに増えています。


自分もそこそこ長く、この業界にいますが、教える内容が昔と比べて、かなり高度になってきています。


これは御三家に限らずです。逆に上位校レベルの問題の難度がかなり上がってきているので、5年以上前の過去問は難度の参考にはならないのではないとすら思っています。

 

一方で御三家(都内)や渋渋、豊島岡、早慶あたりは不変というか、難度を抑えている気がしますね。


まあ、もともとの難度自体が高いのですが(笑)

 

今回は以上になります。

 

ではよい一日を、実りある受験生活を。


タカウジ