上位校、中堅校の入試問題(国語)や入試状況について
さて、今回は以前、難関校、最難関校の入試問題傾向をざっくり書いたので、今回は上位校、中堅校のことをざっくりと書こうかなと。
上位校は、進学校だと本郷、攻玉社、芝、巣鴨、城北、世田谷、サレジオ、暁星、栄東、東洋英和、頌栄、香蘭、東京農大一、三田国際、広尾小石川、都市大、横浜雙葉、横浜共立など四谷偏差60前後レベル、附属だとGMARCH系、國學院久我山ST、神大附属、国立だと学芸大系ですかね。都立も小石川以外はおもにここのゾーンですかね。
ただ、ここのゾーンに今後入りそうな気配がするのが、山脇、青陵、芝浦工大、日本学園(明大附属予定)、開智日本橋、成城、都市大等々力、成蹊、あと順天(北里大学附属予定)、佼成学園(順天堂大学付属予定)かなと。
上位校、中堅校の入試動向を見分けるポイントは2つです。
1つ目は、受験者層が毎年、変動する。
2つ目は、入試問題の難化です。
受験者層が毎年、変化するとは?
実は難関校より動向を読むのが難しいのが、この上位、中堅です。
理由は
難関校受験者も併願校として受験する可能性が高い。とくに3日以降。だから倍率や偏差値以上に、ハイレベルの戦いになる。
学校説明会での評判、昨年の倍率、高大連携、大学実績などの複合的な背景が絡まり、いきなり人気校になる学校が出始める。
これは正直、模試だけでは読めません。模試は12月初旬で終わりますが、実は12月までのデータを踏まえ、志望校を変えるご家庭も意外と多いのです。
実際、併願校は1月まで悩んで決めるご家庭が多いのも、このゾーンの志望者のご家庭ではよくあることなので。
以上のことを踏まえると、単純に過去問の出来や偏差値だけで志望校選びをするのは危険と言えるでしょう。
過去問の合格者平均をクリアしていても、受験する年には、その合格ラインが大幅に上がる可能性も否定できないのです。
実際、人気がある学校は毎年のように合格ラインが上がっているという実感があります。
入試問題が難化?
よく語られる話ですが、10年前の御三家などで出題されたレベルの問題が、今の中堅校の入試レベルです。
これは国語に限らず。
それに大学入試改革の影響を受けて入試問題を変えるのも、この層です。
例えば、資料の読み取りなどは成城や都市大等々力。
意見作文は頌栄、世田谷。横浜雙葉、都立など。
逆に資料などの読み取りや会話形式の問題などは、都内の難関校の入試問題ではあまり見なくなりました。
ただ浦和明の星や栄東(東大)は別です。駒東も今年、出しましたよね。
広尾は医進で小論文のような問題を出題します。都立小石川もそうです。
逆に言うと、それくらいです。
ただ、あくまで過去の問題と比べて相対的に難しいということであり、国語の難度はやはり今の難関校、最難関校のほうが上です。
では、どんな点が難しくなったかというと、
文章の難度が上昇
(大学入試レベルに近くなっている、特に進学校。本郷、世田谷、昭和秀英など)
文章量の増加
(平均でも1000字レベルで増えている、例えば東洋英和、青山英和、中大横浜)
記述量の増加
(記述問題の増加、もしくはすべて記述問題に切り替える学校も多くなる。近年では芝、世田谷、城北、高輪、頌栄、明大明治、法政大学など)
また、2つの文章を比べる+記述量増加、文章の難度も上がるというトリプルの学校としては、香蘭など。
このような感じです。
上位校、中堅校志望の方ほど、実は戦略的に受験勉強をしないといけないと思います。
ゆる受験だと、恐らく全滅の可能性もあります。
4年から計画的に基礎固めをし、どの科目(特に国算)も偏差50を切らない勉強をしていく必要があるでしょう。
難関校志望者ほどの難度の高い問題を解く必要ないですが、勉強量はある程度、確保しておかないと厳しいと思います。
国語でいえば、
漢字、語彙、文法は、最低限。これは基礎ではなく、読解のベースになるものであり、これだけで読解の問題が解けるようになるわけではありません。
英単語だけ覚えても、英語の問題が解けないと同じ理屈です。
そのうえで、
A文章の構造(全体像、論理構成、段落、場面構成)を意識して読む。
B文章から、様々な概念や社会通念を学ぶ。
C設問から解答までのアプローチ法を学び、言語化、そして自分にフィードバックしながら、解法知識を増やしていく。
この3つを国語の学習の基本として取り組んでいくことが大切になります。
難関校と違うのは、B、Cで求められるレベルが高校入試レベルか、それを超えたレベルぐらいで留まるという点です。
もちろん、生徒の学力レベルにある程度、合わせながら中学入試頻出のテーマや問題を中心に取り組むことが効率的な学習につながります。
今回は以上になります。
ではよい一日を、実りある受験生活を。
タカウジ