トランプ米大統領は14日、世界保健機関(WHO)への資金拠出を停止するよう指示した。中国寄りとの指摘もあるWHOだが、今後のWHOの組織や運営にどのような影響を与えるのだろうか。
新型コロナウイルスをめぐるWHOの行動は問題だらけだった。実は台湾は昨年末の時点でWHOに「中国の武漢で非定型の肺炎が少なくとも7例出ている。現地当局はSARS(重症急性呼吸器症候群)とはみられないとしているが、患者は隔離治療を受けている」とする文書を送っていた。
しかし、WHOはこの文書を無視した。これは4月10日に米国務省がWHOについて「台湾から早期に受けた通知を国際社会に示さなかった」と批判していることを裏付けている。
今年以降のWHOのテドロス事務局長の発言を追ってみよう。1月30日「中国政府は感染拡大防止に並外れた措置を取った。不必要な渡航制限を行うべきではない」、2月3日「各国が中国からの入国を制限するのはWHOの勧告に反する」、習近平国家主席が武漢を訪問し事態収束をアピールした翌日の3月11日「新型コロナウイルスはパンデミック(世界的大流行)だ」、同25日「我々は感染拡大を阻止する機会を逃した。行動すべき時期は1カ月か2カ月前だった」-。
テドロス氏はWHO初のアフリカ人事務局長であるが、中国の後押しを受けての就任だった。エチオピアは中国からの多額な援助と投資を受けている国で、中国の戦略「一帯一路」のアフリカにおけるモデルとされている。
テドロス氏は事務局長就任前に、エチオピアで保健相や外務相を歴任しており、中国との関係は深いとされている。
中国のWHOへのアプローチの「成果」は、2007~17年の2期10年にわたり、香港出身で中国籍のマーガレット・チャン氏を事務局長に据えたことだ。チャン氏は台湾を中国の一部とする扱いをWHO内で行っており、それは中国政府の意向を受けていたと思われる。
なお、チャン氏は事務局長時代の15年5月、感染症に関する命名ルールを作り、地名を入れないこととした。今回、正式名称を「2019新型コロナウイルス(COVID19)」と呼ぶのは、このルールに基づくものだ。それ以前には、発生源の地名を入れるのが普通だった。
ただし、「2019」は、19年12月12日に中国・武漢市で発生したことが確認されているからである。習主席は今年1月7日に新型コロナの防止・抑制を指示したが、国際的には同20日になって「重要指示」を出し、国際的にも認めた。中国は1カ月以上も事実上隠蔽しており、WHOも台湾の警告を無視した責任は免れない。
国内の一部メディアは、トランプ氏の行動を、大統領選に向けた政治パフォーマンスだと批判するが、中国とそれに加担するWHOが今日の危機を招いたのは事実だ。
WHOの抜本改革まで行くかどうかは今後の状況次第だが、被害の大きな欧州がどう出るのかが鍵となるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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テロドスへの身辺調査が始まってるんだろな。本人は勿論、家族親族全て洗い出されて辞職を迫るかWTOの抜本的改革をさせるかなんだろうか?