恐ろしい時代になったなぁと思っていたら、こんな記事が出てきたよ!因みに加瀬氏はオノ・ヨーコの従姉妹です。コミュニティ(共同体)を破壊するものが見えて来たと僕は思う。
イタリアの共産主義者がマルクス主義とは違った理論で予見していたとは知らなかった ^^; 。一つ賢くなったかなあ。
加瀬英明のコラム
http://www.kase-hideaki.co.jp/magbbs/magbbs.cgi
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私たち日本国民は、韓国で歴代の政権が反日感情を煽ってきたのに、困惑しきっている。
韓国政府や、アメリカ、オーストラリア、カナダなどに移住した韓国人が、旧日本軍の慰安婦が「性奴隷(セックス・スレイブ)」だったと主張して、世界各所に「慰安婦像」を建ててきたために、日本が非人道的な国だとひろく信じられるようになっている。
韓国のこの誹謗に対して、日本政府や、民間による反論が、不十分なのかもしれない。
河野洋平官房長官が慰安婦について故(ゆえ)なく謝罪し、日本を代表する(と信じられている)朝日新聞が、娘たちを拉致して慰安婦となることを強いたという、捏造した報道を繰り返したとしても、どうして慰安婦が「性奴隷」だったという嘘が、世界に受けいれられるようになったのだろうか?
「反日」の日本人による「性奴隷」という造語が、人々のみだらな好奇心をそそったのは間違いない。
慰安婦が「性奴隷」だったという韓国の訴えが、世界にひろまったのは、今世紀に入ってから先進国において不平不満が権利だとみなされて、社会を動かすようになったからだろう。
人類は長い歳月にわたって、与えられた境遇に耐えたものだった。
ところが、テクノロジーの恩恵によって、豊かさが爆発したように増したことによって、個人に何よりも高い価値が与えられ、人々が放縦で我儘になった。
そのために、人類の歴史ではじめて不平不満が権利として、認められるようになっている。
▲個人が王座についた
都会に住んでいると、誰もがかつての王侯貴族のような生活を営んでいる。贅を極めているのに、贅に耽っているのに気付かないが、これほどの贅沢はない。スマホを使って、世界中の料理が自宅まで届く。タクシーを拾って、行き先をいえばよい。指先一つで、家電を動かせる。
テレビによって、居間でバラエティー・ニュース・ショーをはじめとする芸能(おわらい)番組を楽しめる。
あらゆるサービスが、身の回りにある。サービスserviceの語源は、ヨーロッパ諸語のもとのラテン語で、奴隷を意味するセルヴスservusだ。
今日、先進国に住む人々は、大勢の奴隷にかしづかれているのだ。それなのに、不満でいっぱいだ。豊かさと便利さが増すにしたがって、人々の不平不満が増してきた。
80年代が終わるまでは製造業が世界を制していたが、金融業によって代られ、今世紀に入ってネットが普及したために、すべて個人の嗜好に迎合するようになっている。産業革命は大量消費時代をもたらし、ネット革命は個人を主役にした。
▲権利の概念が一変した
そのなかで、人々が際限ない欲望を満たす権利が与えられている、と思い込まされて、権利という概念が一変した。
10年ほど前から、アメリカで始まった女性たちによる「ミー・トゥ #MeToo運動」が、そうだ。10年か、15年前にレイプされたと名乗り出ることによって、有力者がつぎつぎ社会的地位を奪われている。
レズビアン、バイセクシュアル、ゲイ、トランスセクシュアル、クイア(変態)が差別を蒙ってきたから、社会的な権利を主張している。
LGBTQ運動も、最近になって出現したものだ。アメリカ、イギリス、ヨーロッパでは、新聞やテレビがLGBTQIと、Iインターセクシュアルを加えている。
個人が崇められる時代だ。個人は多様であるから、性的な嗜好までが細分化されるようになっている。
「差別語」を排斥するのも、「差別」によって被害を蒙ってきたという人々の地位を、向上させるものとされる。
アメリカでは、リベラルなオバマ政権のもとで、ミスター、ミセス、ミスの呼称が男女差別に当たるから、「ミックスMX」と呼ぶように求められたし、「メリー・クリスマス」「クリスマス・ツリー」は、キリスト教徒以外の者を差別するから、「ハッピー・ホリデイズ」「ホリデイ・ツリー」と呼ばねばならなかった。
オバマ政権の最後の年には、大統領令によって、自分が信じる性によって男女どちらの便所を使ってもよいこととなった。トランプ政権になって撤回されたが、リベラルなカリフォルニア州などでは、「ジェンダー・フリー」(性差別なし)といって、便所に男女の区別がない。
▲不平不満が伝統社会を解体する
この8月には、サンフランシスコ市議会が条例によって「マンホール」のマンが女性を差別するといって、「メインテナンス・ホール」と、呼ぶことを定めた。
日本でも言葉狩りが猖獗をきわめ、女と帚が組み合わされているから差別だといって、婦人警察官、婦人自衛官が、女性警察官、女性自衛官に改められるなど、言葉の破壊が進んでいる。それなのに、厚労省が「妊婦」「産婦人科」という言葉を使っている。どちらかにしてほしい。
女権活動家が、妬む、妨げる、妖(あや)しい、嫌、姦、奴、奸などの字が差別になるから廃止すべきだと、要求している。
男女は体も、精神構造も違っているのに、差別することになるから「男らしい」とか、「女らしい」といってはならない。男女を区別すると、差別とみなされる。
アントニオ・グラムシ(1891年~1937年)といえば、イタリア共産党の思想家だったが、グラムシの著書は1960、70年代の全共闘世代の左翼のバイブルだった。
グラムシは共産主義者だが、階級闘争によって歴史の必然として革命が成就して、共産社会が実現するというマルクスの理論を否定して、先進国において豊かさが増してゆく結果、社会集団が解体して、革命への自覚を欠き、組織されることがない一般の人々に移ることによって、国家が消滅してゆくと説いた。
グラムシはネオ・マルキシストと呼ばれているが、在来文化の鎖によって縛られてきた社会集団が、個人に高い価値が与えられることによって、解体してゆくと予見した。
▲巨大な不平不満産業の登場
日本でも、不平不満によって、社会を統べてきた慣習が力を失いつつある。
「セクハラ」「パワハラ」「人種差別」「男女差別」「過ぎ去った歴史」から、「気候変動」まで、不平不満の種でいっぱいだ。
私は地球温暖化が、人間の活動によってもたらされていると、信じない。
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二酸化炭素(CO2)が目の敵(かたき)にされているが、CO2が増えれば、かえって緑化が進むことによって、作物の増収がもたらされる。
マスコミが北極の白クマの数が激減しているとか、北極の氷が急速に溶けていると、報道している。テレビが気の毒な白熊の映像を放映して、人々の同情をそそっている。
事実は、白クマの個体数は増えており、体重も増している。北極の氷も科学的なデータによって増えていることが、証明されている。
そのために、クリントン政権のアルバート・ゴア元副大統領をはじめとする、地球温暖化に反対する闘士たちが、白クマや、北極の氷を、温暖化の例として用いなくなった。
ところが、気候変動をはじめとして、人々の不平不満を煽ることによって、マスコミや各種団体が、巨額の金儲けをしている。
この裏では、仏教や、キリスト教などが説く、世界の恐ろしい終末観が手助けをしていよう。
不平不満が権利となったために、不平不満が巨大な産業となっている。不平不満が人々を元気づける。かつてなかった現象だ。
韓国が、旧日本軍の慰安婦が「性奴隷」だったと言いふらして、成功しているのは、このような背景があるからだ。 (かせ・ひであき氏は外交評論家)
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グラムシの理論?思想はマルクスとはまるで違うけど、現代社会を予見しているのには驚いた!
コミュニティ(共同体)が破壊されると二度とは戻れないと僕は思います。日本という国が破滅への道を歩む危険が有ると思いませんか?
日本という国の国体とは真逆な現象を止めないと破滅への道を辿るばかりです。