宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<M&A(企業合併、買収)の暴れ者、ブーン・ピケンズ死去 (2 | Hideoutのブログ

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 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」

令和元年(2019)9月13日(金曜日)

         通算第6193号  

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 M&A(企業合併、買収)の暴れ者、ブーン・ピケンズ死去

  その荒っぽい乗っ取り手口を真似ているのが中国人のファンド

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 石油成金、世界の「乗っ取り王」として悪名高かったT・ブーン・ピケンズ氏が死去した。91歳だった。

 ウォール街の一部には彼を尊敬する人も多かったが、日本で悪名が高くなったのは小糸製作所の株式20%を買い占め、TOBを仕掛けたからだ。日本の経営風土になじみのなかった「乗っ取り」だったから「黒船来る」と大騒ぎだった。筆者はピケンズに一度インタビューしている。


 もともとが石油エンジニア、それが石油を掘り当てて石油企業を起業したのではなく、次々と乗っ取りを仕掛け、濡れ手に粟の利益を得てのしあがったのだ。買収を仕掛けると言っても、もともと買収を成功させ、企業を乗っ取って経営しようという意欲はなく、要は高値買い取り(これを恐喝のブラックメイルにひっかけて「グリーンメール」という)。


 買収後、会社経営に乗り出したのはアイカーン(TWA航空を買収し自ら経営した)。買収した後、当該企業をバラバラに部門売却して差益を貸せいたのがゴールドスミス、そして買収資金を捻出する手口として、ジャンク債を起債して、巨額の融通資金をつくる手助けをしたのがミルケン。80年代から90年代にかけて、アメリカ資本主義は「乗っ取り屋たちの天下」だった。


 防御する側は「ポイゾンビル」という条項を会社約款に入れたり、買収がしにくいデラウェア州に本社登記を移したり、TOBが難しいように自社株買いを行ったり、これまた弁護士の稼ぎ場だった。

 その強欲資本主義が日本にもやってきて、M&Aが常識となったものの、アメリカ的な敵対的買収のケースは稀だった。


 ピケンズの真似をして荒稼ぎを展開したのが中国の強欲ファンドである。

シャープを買収した郭台銘の典型例が明示するように、日本的経営とはまったく違った、殺伐とした企業風土を日本にもたらした。

ということは日本的経営の美徳が同時に破壊された


 植民地経営とは、未開地、もしくは非武装の国を乗っ取り、人民を駆使し、利益を搾り取り、教育も福祉も与えず、ひたすら我欲を達する。

香港は英国の植民地だった。その旧植民地の香港が、旧宗主国の企業を乗っ取る。主客転倒、というより強欲がAからBに移転した。香港の証券取引所がロンドンの証券取引所を買収すると発表した。直後に、ロンドン証券取引所は、この買収提案を拒否した。


 明後年の大河ドラマが渋沢栄一と聞いて、「算盤と論語」を説いた人が、ようやく再評価されるのかと安堵した心理になった。

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(速報)

  郭台銘、国民党を離党、無所属で総統選挙へ立候補表明

   国民党も韓国諭では勝てないと判断し、裏側で支援する方向

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 「中国の代理人」=郭台銘が次期台湾総統選に立候補する。本日(9月13日)、正式に記者会見する。

 郭は「鵬海精密工業」を立ち上げ、アップルへの部品納入などで、のし上がったが、「台湾企業」というより中国共産党の意向に沿ってシャープを買収したり、米国へ食い込んだりして、ビジネスを急拡大させ、一部に「台湾のトランプ」という評価もある。


 国民党は予備選を行って正式に韓国諭(高雄市長)を党公認候補としたが、郭台銘は諦めずに、無所属でも挑戦する可能性を探ってきた。世論調査では、郭と韓国諭は互角とされるが、問題は中国共産党の「意向」だった。


 北京は韓国諭では勝てないと判断し、郭台銘支持に廻ったとされ、それが無所属での立候補を決断させたのだ。しかも何文哲(台北市長)も、郭支援に廻るらしい。

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読者の声  どくしゃのこえ  READERS‘ OPINIONS 

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(読者の声1)妙に納得したことがあります。雑誌の『RESIDENT』(10月4日号)に「トップに立つ人、補佐役の必読書」という特集があって、まずは管義偉のそれが吉川英治『宮本武蔵』、堺屋太一『豊臣秀長』。そして、コーリン・パウェル(元国務長官)のリーダーシップ論とか。

問題はその次です。

猪瀬直樹・元都知事が登場し、政治思想で三つ、文学で三つを揚げています。後者は順当ともいえるカズ・イシグロ『日の名残り』とトルーマン・カポーティの『冷血』、そして吉行淳之介の『私の文学放浪』でした。

問題は政治思想で猪瀬があげた三大書物が、丸山真男、網野善彦、橋川文三でした。

日本の戦後思想界の『三莫迦』といわれる人たちが、彼の源流だと知って、なるほど!。

保守の顔しつつ、「革新」的なアイディアだなどと、変なことを言い、西尾幹二氏が「狂人宰相」と名づけた小泉に取り入ったひとですが、彼の謎が、これで解けたと思いました。この話、いかに?

(HS生、水戸)


(宮崎正弘のコメント)評価は措くとして、小生がもっとも感動した小説のひとつは吉川英治『宮本武蔵』でした。カポーティは英文科時代、訳書の龍口直太郎教授が担任でしたので、毎日のように言っていたため辟易です。小生としては彼の『ティファニーで朝食を』のほうが面白いし、印象もカポーティらしいですね。

猪瀬氏のあげた小説でカズ・イシグロの作品は、郷愁と哀惜があって、なぜ彼がさきにノーベル賞に輝き、村上春樹が取れないかを、解説したあたりも参考になりました。

御指摘の「丸山真男、網野善彦、橋川文三が戦後思想界の『三莫迦』」というのは、その通りでしょう。


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(読者の声2)貴誌前号でしたか、英国の分析ですが、キャメロン前政権時代にオズボーン元財務相を中心とした中国資本への傾斜が混迷の背景の一つかと膝を打ちました。

キャメロン政権に巣くった中国人脈が英国の進路を誤らせ、国民投票で雌雄を決する形になったのかもしれません。香港の混乱も、英国の中国に対する影響力低下が一国二制度を揺るがし、増幅させているのかもしれません。

メイ前首相は、中国が関与した原発計画に国家管理の規制を打ち出すなど、中国と一定の距離を置く政策をとりましたが、ファーエイ問題で、トランプ米政権と軌を一にして全面規制を主張するMI6の意見を取り入れず、すでに導入している基地局などは継続して新規導入を控える部分規制に留まっています。

全面規制を主張したウィリアムソン国防相がメイ氏と対立、辞任に追い込まれました。経済を考えると正面から中国を刺激したくない政権の思惑が滲みました。ウイリアムソン氏は、南シナ海の航行の自由作戦に英艦隊を参加させ、空母「クイーン・エリザベス」をアジア太平洋に派遣すると対中強硬派でした。

英国内では、対中政策を巡って、腰が定まりません。移民問題とともに中国問題が英国の混乱に拍車をかけたことは間違いありません。

  (NO生、千代田区)


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(読者の声3)「日本国史学会」第69回連続講演会のお知らせ。



【日時】 9月14日(土)14:00〜16:45(開場13時30分、終了後懇親会)

【講師】 久野潤(大阪観光大学国際交流学部講師)

「日本人は紀元2600年をどう迎えたか」

     田中英道(東北大学名誉教授、当会代表理事)

「新連続講座(22)」&講演後、質疑応答

【会場】 拓殖大学文京キャンパス

(東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷」駅下車徒歩3分)C館C603教室

【資料代】 学会員2,000円 / 非学会員3,000円(大学生・大学院生は一律500 円)

当日入会可能)

【主催】 日本国史学会 http://kokushigaku.com/

【お問合せ】  03-6709-8872/kokushi@kei-bunsha.co.jp

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    来年の台湾総統選挙は複雑だな。