宮崎正弘の国際ニュース・早読み <<トランプは本気で打診したのだ。「グリーンランドを購入したい」 | Hideoutのブログ

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 四月に古稀を迎える爺ののブログです。

 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。

     半分冗談かと。でも欧州の防衛だけでも必要なんだな。ロシアに対峙する意志がEU諸国には希薄に感じられるもんな。軍事費もっと出せと言っても梨の礫。

    レアアースの鉱脈は何処も喉から手が出るわな。納得してしまったのは僕だけでは無いだろう❗


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)8月22日(木曜日)弐
          通算第6179号  
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(休刊のお知らせ)明日8月23日から9月2日まで海外取材旅行のため休刊となります 
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 トランプは本気で打診したのだ。「グリーンランドを購入したい」
  デンマークは本気で怒ったのか、それとも別の思惑があるのか?
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 他国の領地を購入することも、戦争以外に領土を拡げる手段であり、過去の歴史は幾多の例を残している。

 1603年 ジェファーソン大統領は、1500万ドルでルイジアナを購入した
 1667年、ジャクソン大統領は700万ドルでアラバマを購入した。
 1803年 ナポレオンはカナダ南東部を購入し、フランス領に編入した。
 1848年 米国はメキシコからカリフォルニア州、そしてネバダまで購入した。
 1861年、米国はアラスカをロシアから購入した。
 1917年、米国はデンマークから2500万ドルでヴァージン諸島を購入した
(現在の米領ヴァージン諸島のこと)
 そして1945年、ハリー・トルーマン大統領はグリーンランド購入をデンマークに打診した。だから、米国の購入打診は74年ぶりのこととなる。

 トランプ大統領は「グリーンランドを購入したい」と訪問前に発言した。たちまちデンマーク側は反発し、フレデリクソン首相(女性)は、「驚くと同時に失望した。『侮辱的提案』だわ。売り気はありません」と突っぱねた。

 ビリー元外相は「トランプは外交の基本をわきまえず、娯楽のつもりなのか。彼はナルシストか」と激しく反発した。九月初旬にマルグレータ女王二世の招待でコペンハーゲンを訪問する予定だったトランプは『延期』を発表した。

「思いつき」で発言したのか、それとも不動産リゾート開発でグリーンランドにもトランプタワーを建てる目的か? 欧米のメディアは驚きと同時に「これは娯楽番組か」とおちゃらけぶりの分析だった。

 じつは米国は本気なのである。
提示した金額は1兆ドル強だと英紙『ガーディアン』(電子版、8月22日)が伝えた。ホワイトハウスでは、NATOの安全保障をめぐっての戦略討議が行われ、NATOの軍事的要衝としてロシアと中国の軍事的脅威から安全をいかに維持できるか。デンマーク一国では物足りないのではないかと懸念が拡がっていた。

 そもそもグリーンランドがデンマークに編入されたのはそれほど古くなく、1953年までは植民地だった。国土の85%が氷河である。住民はイヌイット(エスキモー)、かれらはデンマークへの帰属意識は殆どない。
同じく「同君連合」の一員だったアイスランドは、十四世紀以来デンマークの支配を受けてきたが、1944年にデンマークから独立している。

 デンマークはグリーンランドに対して年間7億ドルを補助しているが、この税制負担もきついと言われ、またグリーンランド住民からすれば資源の収入の半分はグリーンランド自治領の歳入だとして、別途デンマーク政府に支払いを求めていた。デンマークは原油とガスに恵まれ、100%自給。余剰石油をドイツなどへ輸出している。

 デンマークとグリーランドでは所得格差ばかりか、住民の民族も言葉も異なり、ひとりあたりのGDPはデンマークが5・3万ドルにたいして、グリーランドは犬ぞりの狩猟生活と漁労だから所得も低く、そのうえ厳寒の自然環境からアルコール依存度が高く、麻薬も蔓延り、自殺率が高い。NATOの一員としてのデンマークはGDPの1・35%しか防衛負担がないため、日頃から米国は不満をぶつけてきた。


 ▲トランプの狙い、じつは地下埋蔵のレアアース、そして中国牽制にある

 もうひとつ重大な戦略的目標があった。
地球温暖化でグリーンランドの氷河が溶け始めているが、地下に眠る大油田と、レアアース鉱脈である。
グリーランドは氷土だが、面積は日本の五倍以上。住民はイヌイット系のエスキモーを中心に五万七千人しかおらず、いまはエビの漁労が盛んで、日本の水産企業駐在員も五名いる。

 レアアースは中国が90%を産出するため、近未来のスマホ、電気自動車の部品材料としての需要は天文学的であり、資源確保が急がれている。
すでに豪の資源会社はグリーンランドの一部鉱区を契約して2007年から操業している。

 以前から中国がリゾート建設を打診してきた経緯もあり、そのうえ、グリーンランドの住民投票は、じつに71%強が、デンマークからの独立を望んでいることがわかっている。したがってナショナリズムを刺戟され、カネを餌に狙われたら、危ないのである。もちろん、中国の得意技「借金の罠」である。

 米国はグリーンランドのクラタークに、レーダー基地を設置しており、NATOの安全保障の向上を前面に出している。
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  樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1944回】            
 ――「支那は日本にとりては『見知らぬ國』なり」――鶴見(37)
  鶴見祐輔『偶像破壊期の支那』(鐵道時報局 大正12年)
 
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日本においては「歐洲戰爭が齎した經濟組織の變革と、之につゞいて起つた新思想の擡頭」があり、かくして「五十年の明治時代を貫いた政治哲學が、根本から變動してきた」。
 これに対し「民國十年の支那史は、内に代議院制度の失敗と、外は歐米日諸國の經濟的壓迫の?史であ」った。こうして「支那は滿朝末期以上に政治的組織の弛緩を生じ、遂に無政府的状態にむかつて進行しつゝある」。その結果、災い転じて福となるの譬えではないが、「支那人に嚴肅なる思索の機會を與へ、その國民の靈魂の自由を束縛してゐた永き傳統の鎖を寸斷した」。文学革命による伝統への徹底した懐疑である。
 
 同時並行的に「新しき思索の時期を通過しつゝある日本が眼を開いて、いま一度支那を見なほした」。しかも、その時の日本は「偏狹なる國家主義の觀念をもつて價値判斷の尺度とはしなかつた」。「人間といふことの新しき意義を尋討しながら、彼は大なる隣邦の状態を思索し」、「新支那の努力に對して、深い同情と尊敬とを感じた」。「從來の文化の傳統から?脱せんとする若々しき意氣に對して、燃ゆるが如き同情心の旺することを覺えた」。自国の利益のみを追求する「外國に對抗せんとする心情」に、「同じ經驗を昨のごとくふりかへる日本人の胸憶に強い任俠心を喚び起さずには居なかつた」。
 
 やがて互いに欧米列強を利用することで相手を押さえんとした方策の間違いに気づき、「暗々のうちに、提携すべく天より運命付けられたる兩國は、(中略)近付いていつた」。
 
 「新しき文化運動の完成のため」、「そのナショナリズムの結晶のため」、「その經濟的獨立の回復のために」、「最後の味方となり得るものは新日本であること」に、ようやく支那は気づくようになった。「支那の再生に對して、最も大なる同情を抱いてゐるものは」日本であり、「日本の後援」があってこそ「支那の再生」が完成することを両国とも忘れてはならない。なぜなら両国は「同じ船に乘つた二人の旅人である」からだ。
 
 「兩國相援の根柢としてあらわれてゐる」のが「日本に於て最近?々著しき國際精神の擡頭」であると見做す鶴見は、失敗した「偏狹なる國家主義」や「從來の方便的日支親善論」を捨て、「國際精神の基礎の上に立つて、新日本と、新支那とは、初めて相扞格することなき交情を建設することが出來る」と見通した。
 
 「新しき支那と、新しき日本とが、國際精神の基礎の上に提携相援するの日は、東洋が新しい光明に遍照することの日である」。「斯くのごとき思想が、支那南北を旅行しつゝあつた自分の腦裏に徂徠してゐた」と綴る。
 
 こうして鶴見は、「眞實なる支那の革新は、日本の革新が完成して後のことである」との「北京の友人李君の言葉」で『偶像破壊期の支那』を閉じた。
  ここで突然、米軍最強の中国通で知られたJ・スティルウェル将軍の人生最期の言葉――「きみわからんのかね、中国人が重んじるのは力だけだということが」――が思い浮かんだ。
 
同将軍は、在中華民国アメリカ大使館附陸軍武官兼蔣介石軍事顧問、中国・ビルマ・インド戦域米陸軍司令官、連合軍東南アジア軍副最高司令官などを歴任し、対日戦争においては最高責任者として蔣介石政権に対する米軍支援作戦を担った。
蔣介石を「ピーナッツ」と罵るまでにソリが合わず、蔣介石周辺の底なしの腐敗堕落に憤激し、国民党軍の弱兵ぶりに呆れ果て、毛沢東率いる共産党に中国の将来を期待し、最終的に当時のルーズベルト大統領から解任されている。
 
 「きみわからんのかね、中国人が重んじるのは力だけだということが」・・・はたして鶴見は最後の最後に至って「日本の誠實なる同情」を発揮してしまったのだろうか。
《QED》
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読者の声 どくしゃのこえ READERS‘OPINIONS 読者之声
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(読者の声1)貴誌前号「通貨戦争4・0」を、たいへん興味深く拝読しました。時宜にかなっての考察でもあり、こういう力作論文は雑誌の巻頭を飾っても良いかと思われますが、御誌はそのうえ無料メルマガ、いずれ単行本にでもなさるのでしょうか?
   (FD生、横浜)
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    戦前の支那学者は何処かピント外れなんだなと改めて感じてしまった。鶴見って何を期待したのだろうか?