宮崎正弘の国際ニュース・早読み <トランプ大統領、次期ロシア大使にジョン・ハンツマンを指名 (2 | Hideoutのブログ

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 四月に古稀を迎える爺ののブログです。

 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。


    個人的には「キッシンジャー」は禁忌です。どれ程日本を翻弄したことか。そんな人物が親中派から親露派にだと?

    とても僕には外交は向いていない事だとしか認識してるけど。


宮崎正弘メルマ
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成29年(2017)7月20日(木曜日)
        通算第5363号 
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 トランプ大統領、次期ロシア大使にジョン・ハンツマンを指名
  クレムリンは「超タカ派」がやってくると身構えているようだが。。
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トランプ米大統領は次期ロシア大使にジョン・ハンツマン(前中国大使)を指名した。
 ハンツマンが流暢な中国語を操るのも、若き日にモルモン教徒として布教のために台湾に滞在した経験があり、そこで北京語を身につけた。
 中国名は「洪博培」という。

 したがって台湾の蔡英文総統とも親しく、同時に北京にも顔が利き、毎年の中国版ダボス会議(大連経済フォーラム)にも出席して講演している。

 その後、ハンツマンはユタ州知事に立候補し圧勝、中央政界に身を転じ、シンガポール大使、USTR次席代表。そして2009年から11年まではオバマ政権下での中国大使を努めた。
北京に赴任中、おりからの「アラブの春」の民主化運動の波が中国に伝播したとき、応援のため集会に駆けつけ話題となった。ハンツマンは「ショッピングに立ち寄った場所がたまたま集会場だった」と言い訳をしたが。

 2012年には大統領選挙、共和党予備選に出馬し、マケイン、ロミニーらと指名を争った。
 もともと大財閥の息子であり、ハンツマンは「影の政府」といわれる「ビルダーベルグ・クラブ」の会員でもある。

 一方、受け入れ側のロシアはとりわけ慌てた様子もなく、プラウダは平静に「超タカ派大使がやってくる」としている。
すでに7月7日のトランププーチン会談で内諾を得ている様子であり、そもそもハンツマンがロシア大使という噂が三月からワシントンでは常識だった。
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 書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評 BOOKREVIEW 
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 アメリカの最大の敵はロシアから中国に変わっている
  トランプはなぜキッシンジャーを指南役としたかの謎が解けた

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陳破空、山田智美訳『米中激突――戦争か取引か』(文春新書)
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 現在の世界を三大パワーによる角逐、すなわち米中露のパワーゲームを現代版「三国志」とみる著者は、「予測不能なトランプ」 vs「怯える習近平」vs「冷酷なプーチン」という鼎立構造として描き出す。
このパワーゲームには日本もEUも入らない。ま、それはそれで冷厳な事実であろうし、攪乱要因は北朝鮮、ここに韓国と台湾が絡み、複雑怪奇な要因を陳破空氏はぬかりなく抑えている。陳氏はジョン・ボルトン(元国連大使)がトランプ政権で国務長官になると考えていたらしい。
しかし共和党タカ派からの高官指名はトランプ政権から敬遠され、キッシンジャーの推挽でティラーソンがなった。
対中強硬派と党内バランスをとるために、ナバロとポッテンガーを入れたが、ナバロはすでに敬遠され、ポッテンガーは安全保障担当補佐官アジア担当だが、まだ角を矯めている。
かれは中国語を操り、ウォールストリートジャーナルの特派員時代は、中国当局と戦った筋金入り。習近平が主催の「一帯一路」フォーラムには米国代表としてオブザーバー参加している。
トランプの帷幄にあって、キッシンジャーを尊敬するのはクシュナーなのだから、ボルトンも、ナバロもポッテンガーも、しばらくは鳴かず飛ばずとなるだとうと評者(宮崎)は予測している。
ところが陳破空氏はキッシンジャーを高く買っているようである。
本書の中で、オヤッと思ったのはトウ小平の孫娘と一緒になって安国生命保険の呉小暉が、事実上、トウ小兵の孫娘と別居状態にあり、神通力が効かなくなったために、習近平が拘束を命じたという、意外な情報だった。
なるほど、そういう分析もあるのかと思った。
じつは呉小暉こそはNYの名門「ウォルドルフ・アストリア・ホテル」の買収でアメリカで名をあげ、クシュナーに近づいてトランプのニュージャージーの豪華マンションをまとめて購入したと報じられているが、これも破談に近いというのが、直近の情報である。
真偽のほどは分からないが、クシュナーが、この事案をメディアにスキャンダラスに報じられため、苦境に陥ったことは事実だろう。
ところが、またも意外な事実が次に述べられている。
親中派のチャンピオンだったキッシンジャーが、最近は中国から離れ、ふたたび親ロシアに「変節」し、プーチンとは十回以上もあって、個人的な信頼関係を築きあげており、このため北京もキッシンジャーを疑問視しているという情報である。

もしそうだとすれば、謎が解けるのである。
親ロシア、アンチ中国のトランプがなぜ親中派のチャンピオンであるキッシンジャーを重視し、外交指南役としているか。
「中国共産党にとって唯一の代理人であったキッシンジャーは、じつはすでにロシアに鞍替えしていた。『連中抗ソ』から『連ロ抗中』へと転身していた」のも「アメリカの国益を冷静に計算している」からだとする。(118p)。
 つまり「アメリカにとっての最大の敵が変わった」のである。だから台湾カードを駆使したことになると解釈するが、たしかにそれなら論理的整合性はある。
 日本ではほとんど聞かれなかった情報満載の本だった。
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 ▼読者の声 ▼どくしゃのこえ ■READERS‘ OPINIONS ●読者之声
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(読者の声1)貴誌前号コメントに「世界的な保養地ルアンパパンには嘗て世界のヒッピーが蝟集し、麻薬取引も行われていたが、すっかり落ち着きを取りもどした。町の真ん中には旧王宮が残り、世界から観光客を集める」
とありました。

 ルアンパバンは国連(アメリカ)による完全な観光都市です。
寺院に入るのにすべて1-2ドルの入場料をとられます。似たチェンマイ(タイ、ルアンプラバンと同じく、バンナー王朝様式。)の寺院では入場料は一切取りません。
また、ルアンプラバンはラオス人の街というよりもモン族の街です。ナイトマーケットに店をだしているのはすべてモン族。また、アメリカはベトナム戦争に協力したモン族に手厚く、モン族はゲストハウス経営をしているのですが、低利で貸し付けをしているようです。
いずれにせよ、メコン川の中上流付近を観光するには良い街ですが、すでに人工的な観光都市になりました。朝の托鉢は名物ですが、チェンマイやチェンライと同じ。
また、ヒッピーの街はバンビエンで、場所はビエンチャンとルアンプラバンのバスルート中間にあります。このバスルートは昔はゲリラが出没しましたが、今は安全です。
バンビエンの中心部には大きな空き地があって、そこはベトナム戦争時に米軍のハノイ空襲時の空港として使われました。
米軍はホリデーを航空機でバンビエンからウタパオ(パタヤ)まで行ってとり、ベトナム戦争を機にパタヤは漁港から繁華街へ変化したそう。

 また貴誌に「ビエンチャンからベトナムのハノイへは、すでにハイウエイが開通している。

 ベトナム中部のドンハからラオスを経てムクダハン(タイ)へ行ったことがありますが、ラオス領内を180キロ位通りましたが、ラオスの東(ベトナム側)はベトナム語で溢れ、人々はベトナム語を話し、ベトナム料理屋がたくさんありました。
ラオス領内ですが、ベトナムと同じです。コーチシナ時代、フランス人はベトナム人を中間管理職としてラオスを統治したようです。
マレーシアなど東南アジアでのシナ人の役割です。また、ベトナム企業はラオスへの対外投資に積極的です。ビエンチャンにもベトナム人が多く、商才を発揮しているよう。タイ国境に近いビエンチャンならベトナムよりよほど収入はいいでしょう。なお、タイにもベトナム系タイ人は多く、ベトナムレストランも多い。
しかし、ノンカイからの新幹線をシナに取られたのは残念です。
しかし、タイは賄賂社会でシナが支払うおカネの半分近くはタイ政府高官の手に渡ると思われます。日本人には耐えられないでしょうが、シナ人は共犯になるだろうから喜んでいるのでは。
   (R生、ハノイ)

 

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(読者の声2) 週、7月14日のラジオ日本「マット安川のずばり勝負」は宮崎先生がゲスト。北欧取材ではノルウェー・オスロのムンクの「叫び」に始まり、ナチス・ドイツにデンマークは3時間、ノルウェーは3日間で降伏したと続く。欧州では圧倒的な大国として復活したドイツ、G20ではメルケルと習近平ばかりを取り上げるドイツメディア、トランプ大統領も安倍総理もほとんど無視。中国情勢から韓国・北朝鮮と話題が尽きず、いつもながら楽しかった。
動画サイトには何人か音声データをアップされているようです。
 ムンクの「叫び」に描かれた気味の悪い赤色の夕日は、1883年にインドネシアのクラカトア火山の爆発による大気汚染が原因といわれますが、数千キロ先まで爆発音が届いたという巨大爆発ですからありうる話です。
気候変動に関連する話題ですがそれはのちほど。
 ナチス・ドイツに3時間で降伏したデンマーク、ほとんど戦わずして降伏、ドイツ軍が進駐するも政権はそのまま維持され国王も安泰。いわば保護国というか籠の中の鳥です。そんなデンマークを描いたのが「ヒットラーのカナリヤ」(サンディー トクスヴィグ著 小野原 千鶴 訳 小峰書店)。児童書として書かれたものですが大人が読んでも面白い。
 内容は実話を元に再構成し、子供の視点で戦時下のデンマークを描いたもの。主人公の母親は有名な舞台女優、日常生活でも芝居がかったセリフがすぐに出てくる。ユダヤ人は次第に圧迫されてくるのですが、1943年の9月までシナゴークが閉鎖されずにいたというのは驚きでした。デンマーク国民の反骨精神がさまざまな場面で出てきます。舞台では俳優が右手を高々とあげると、座席の最前列のナチス将校たちが反射的に立ち上がり右手を上げる。ところがいつまでたってもハイル・ヒトラーはでてこない、俳優はまったく関係のないセリフをいい場内は大受け。子供は子供なりに使い走りをしたり秘密のメモを列車の下に隠したりとレジスタンスの手伝いをする。サボタージュやストライキが頻発し、ついにドイツは軍政を行い同時にユダヤ人狩りも始まります。

 主人公の家でもユダヤ人を匿うのですが、だんだん追求が厳しくなる。最後にもうダメかというときに母親は女優の経験を活かしてとんでもないことをする。舞台のセット同様に壁をつくり、壁を二重にしてユダヤ人を匿い、さらに自らにナイフを刺し瀕死の病人を演じる。のちに痛み止めのモルヒネで中毒になったとありますからかなりの重症だったのでしょう。
 ユダヤ人一斉検挙の情報はすぐに伝わり、みなスウェーデンへの亡命というか密航の準備に取りかかる。斡旋料は相当の高額だがそんなことを言っている場合ではない。密航船の取締りもやる気が無いのか見て見ぬふりなのか7千人以上が無事スウェーデンへ脱出。同書ではデンマークのドイツ兵は老兵と少年兵ばかりだったとあります。フランスのドイツ兵はパリジェンヌと戯れ数万人もの私生児をつくったといいますから、小国のドイツ兵は二線級だったのでしょうか。

 同時代のデンマークを大人の視点で描いた本を紹介するブログがありました。元「ニューズウィーク日本版」編集長 土野繁樹(ひじのしげき)氏によるもの。
「デンマーク人の勇気 ナチスからユダヤ系市民を守った物語」
http://lgmi.jp/detail.php?id=2505

 長文ですが、これを読むとデンマーク人はさすがバイキングの末裔、かつてはノルウェーやアイスランドを支配し、現在もグリーンランドを領有するのも納得です。
    (PB生、千葉)
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   読者の声欄のハノイ在住氏は奥さんがベトナム人らしかった様な。貴重な現地レポートだな。2000年以上の東南アジアの民族の付き合い方の一端を伺わせる。書物の知識以上の価値ありか。複雑に絡み合った民族の引き細々も又、有るべきところへ戻るのだろうか?

    民族自決・民族独立なんて左翼思想から飛び出して来た「言葉」は現実社会の流れの中では意味を持たないのかなあ。僕には分らん。