頂門の一針4073号  2016・7・30土) [頂門の一針] - メルマ! | Hideoutのブログ

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 四月に古稀を迎える爺ののブログです。

 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。


 何時もは平井氏の事を糞味噌に書いて来たが、この論考は評価に値すると思うぞ (^^ゞ

 農業特に主食の米の生産を効率化する事が急務である事は、誰しも思う事だろう。


頂門の一針メルマより
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改革へ!農政は企業を育てろ
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        平井 修一

日本の農業業界人が輸出=世界市場を本気で意識し始めたのは10年ほど前からではないか。だいたい専業/主業農家は一握りで、ほとんどは兼業農家。兼業農家はヂイチャン、バアチャンが基本的には自宅で食べるのが主目的で、余裕があれば農協を通して近郊の市場で売って小遣い稼ぎをするくらいである。

基本的に生活費は息子夫婦が近郊の町で働いて稼いでくる。つまり農業は脇役みたいなもので、若い人にはほとんど魅力がない産業になってしまった。つまり斜陽産業であり、未来はないという状況が永らく続いてきた。

今はどうなのだろう。いささかお疲れの様子の山下一仁・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の論考3/15「日本農業は世界に勝つ」から。

<"農政新時代"?

TPP対策には、"農政新時代"というキャッチフレーズが付けられている。「輸出のため競争力をつけるのだ、農業生産資材の価格を見直すのだ、担い手を育成するのだ」という。

しかし、減反・高米価政策、農協政策、農地政策という、これまで農業が発展しようとするのを妨害してきた、三本の柱にはなんら言及されない。農政新時代というなら、旧時代のアンシャン・レジームを破壊しなければならない。それなのに、減反のような旧悪を強化しようとしている。

トヨタでもキヤノンでも、良い製品を作ると同時に、1円でも安く売れるよう、価格競争力向上に日々努力している。輸出力をつけるというのに、なぜ減反を強化して米価を上げるのだろうか。

肥料、農薬、飼料、機械、全ての資材価格が、アメリカの倍もする。しかし、肥料で8割、農薬や機械で6割のシェアを持つ巨大な事業体である農協は、独占的な力を利用して、組合員に高い資材価格を押し付けてきた。

農協を株式会社化して独占禁止法を適用しようとする改革は、頓挫した。高い資材価格が高い農産物価格を生み、農業の競争力を失わせている現状には、メスは入らない。

担い手も重要だ。しかし、農家出身者でない若者が、親兄弟、友人に出資してもらい、ベンチャー株式会社を作って、農地を取得しようとしても、農地法が認めない。

日本農業の最大の問題は何か?

それは、農家の7割が米を作っているのに、農業生産の2割しか生産していないことだ。これは、米農業が零細で非効率な農家によって行われていることを示している。

2011年家計でのパンの支出が米を上回った。輸入主体の小麦の価格を抑えながら、米価を高く維持してきたために、米消費の減少、パン等麦製品の消費増加を招いてきた。TPP交渉の結果、小麦価格は引き下げられる。他方で、米の供給を減少させ、米価を高く維持する減反政策は強化される。

94年に1200万トンあった米の生産は年々減少し、2016年度の生産目標数量は前年度より8万トン減少し743万トンになる。農林水産省も農協も必死になって主食用の米の生産を減少させようとしている。国産の米を不利に扱い、輸入麦の消費を振興するという政策は、強化される。遠くない日に、米の生産目標数量は小麦の消費量670万トンを下回るだろう。

*減反廃止

我が国の農政は、食料安全保障や多面的機能を損なってきた。多面的機能のほとんどは、水資源涵養、洪水防止といった水田の機能である。しかし、減反によって、40年以上も水田を水田として利用しないどころか、食料安全保障や多面的機能に必要な水田を潰してきた。

所得は、価格に生産量をかけた売上額からコストを引いたものであるから、所得を上げようとすれば、価格または生産量を上げるかコストを下げればよい。しかし、農業資材を安く購入するために農家が作ったはずの農協は、高い資材を農家に押し付けてきた。

1俵(60kg)あたりの農産物のコストは、1ha 当たりの肥料、農薬、機械などのコストを1ha 当たり何俵とれるかという単収で割ったものだ。規模の大きい農家の米生産費(15ha 以上の規模で実際にかかるコストは1俵あたり7012円) は零細な農家(0.5ha 未満の規模で1万5201 円)の半分以下である(2014年)。

また、単収が倍になれば、コストは半分になる。つまり、規模拡大と単収向上を行えば、コストは下り、所得は上がる。

都府県の平均的な農家である1ヘクタール未満の農家が農業から得ている所得は、トントンかマイナスである。ゼロの農業所得に20戸をかけようが40戸をかけようが、ゼロはゼロである。

20ヘクタールの農地がある集落なら、1人の農業者に全ての農地を任せて耕作してもらうと、1300万円の所得を稼いでくれる。これを地代として、農地を提供した農家に配分した方が、集落全体の利益になる。

地代を受けた人は、その対価として、農業のインフラ整備にあたる農地や水路の維持管理を行う。農村振興のためにも、農業の構造改革が必要なのだ。

しかし、高米価・減反政策は、非効率でコストの高い零細な兼業農家を米作に滞留させて、農地が主業農家に貸し出されることを、妨げてきた。主たる収入が農業である主業農家の販売シェアは、野菜では80%、酪農では93%にもなるのに、米だけ38%と極端に低い。

減反は単収向上も阻害した。総消費量が一定の下で単収が増えれば、米生産に必要な水田面積は縮小し、減反面積が拡大するので、減反補助金が増えてしまう。このため、財政当局は、単収向上を農林水産省に厳に禁じた。

今では飛行機で種まきしているカリフォルニアの方が6割も多く、50年前は日本の半分に過ぎなかった中国にも追いつかれてしまった。減反廃止でカリフォルニア並みの単収の品種を採用すれば、それだけでコストは1.6 分の1に下がる。規模拡大と単収向上で、稲作の平均コストは5 6割低減できる。

減反廃止で価格が下がっても、財政から直接支払いを行えば、農家は影響を受けない。しかし、所得の高い兼業農家の所得を補償する直接支払いは、国民納税者の納得が得られない。減反を廃止して需給が均衡する7.5 千円(60kg当たり)まで米価が下がれば、零細な兼業農家は農地を出して来る。

主業農家に限って直接支払いをすれば、その地代負担能力が上がって、農地は主業農家に集積し、コストが下がる。単収も向上し、消費者は価格低下の利益を受ける。国際的にも高い評価を受けている日本の米が、減反廃止と直接支払いによる生産性向上で価格競争力を持つようになると、世界市場を開拓できる。

日本からの輸出価格が1万2千円だとすると、商社が7.5千円で買い付け輸出に回せば、国内の供給量が減少して価格は1万2千円まで上昇する。7.5千円のときの国内生産量が8百万トンだとすると、1万2千円では12百万トン程度に拡大するだろう。輸出が4百万トンになると、2014年の米輸出量4516トン輸出金額14億円を考慮すると、輸出金額は約1兆2千億円になる。

*第三次農地改革

農地制度は農業への新たな参入を拒み続けてきた。農地法は、農地改革の成果である自作農(所有者=耕作者)を、維持するだけの立法だった。株式会社の場合には、農地の耕作は従業員が行い、農地の所有は株主に帰属するので、この等号が成立しない。したがって、株式会社の農地所有は、認められない。

農業に参入したり、規模を拡大していくと、資金が必要になる。しかし、農業と関係のない友人や親戚などから出資してもらい、農地所有も可能な株式会社を作って農業に参入することは、農地法上認められない。

このため、新規参入者は銀行などから借り入れるしかないので、失敗すれば借金が残る。農地法によって、農業は資金調達の面でも参入リスクが高い産業となっている。

株式会社なら失敗しても出資金がなくなるだけである。後継者不足と言いながら、農政はベンチャー株式会社によって意欲のある農業者が参入する道を絶っている。結局、農家の後継者しか農業の後継者になれない。農家の後継ぎが農業に関心を持たなければ、農業の後継者も途絶えてしまう。

食料安全保障の見地から農地資源を確保するためにも、ヨーロッパのようにゾーニングを徹底すべきだ。そのうえで、企業形態の参入を禁止し、農業後継者の出現を妨げている農地法は、廃止すべきである。これが、シンプルな農地改革である。

*自由貿易こそ食料安全保障の基礎

海外からの農産物輸入が途絶えるときは、輸出していた米を消費して飢えをしのぐ。輸出は食料危機時のためのコストのかからない備蓄の役割を果たす。また、水田をフル活用することで、食料安全保障に不可欠な農地資源を確保できる。

人口減少時代には、自由貿易は食料安全保障の基礎となる。多面的機能を十分に発揮できるばかりか、主業農家主体の農業は農薬の節約など環境にも優しくなる。真の農政新時代に期待したい>(以上)

小生は農業にまったくの素人だから上記の論考の半分ほどしか理解できないが、それでもガチガチの岩盤規制が農業の発展を阻害してきた、ということは理解できる。

単純に言えば、日本の農業のほとんどは「趣味の園芸」「家庭菜園」。正しい政策を進めれば「日本農業は世界に勝つ」だろうが、補助金どっぷりでやる気のない票田に迎合するような無策が続けば、勝つどころか、やがては後継者もなく滅びるしかない、と山下氏は悲憤慷慨しているのである。

お疲れ山下氏に励ましのメールを送ろう。(2016/7/28)

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 僕の父の実家は帯広市郊外の畑作農家だ。明治末、宮城県白石村から開拓農家として入植した。自宅の周りは畑が広がり、境界にはポプラか白樺の木が四角く囲っていた。隣家が視界に入らない風景はコセコセした山の炭鉱街しか知らない僕には広大に感じられた。今は廃線で無くなった広尾線大正駅から東へ徒歩数十分の所。

 祖父母の代に数度、伯父(父の兄)の代にも数度、従兄の代には一度。今は従兄の次男が酪農学園大学卒(田中なんちゃらも卒業した)が継いでいるのだと思う。

 故人での投資をこの目で見た。トラック、ブルトーザー、コンバインその他諸々。必要に応じて周辺農家の作業を請け負っていたようだ。詳細なんか門外漢の僕が訊けるものでは無いから、全て僕の想像の範疇ではある。

 兼業農家の実態らしきものに触れた様な気がしたのは20数年前に和歌山に居を移してからだった。四周を田圃に囲まれた真ん中の工場から見る作業は、それで良く米が採れるなって感想しか無かった。何だこりゃしか言葉出ない。


 日本初の財政破綻した市が僕の生まれ故郷だ。北海道での夏の果物はアジウリ(本州で言う真桑瓜か?)と西瓜、トマトくらいか。夕張産かどうかは知らなかったが、初めて口にしたメロンはお世辞にも美味いとは言えなかった。12歳小学六年の時だった。それから幾星霜、夕張から送られてきた「夕張メロン」。何だコリャ!個人的見解だが、世界一の果物だろう。今や道内では、同品種か産地ごとに名前を変え、夏の贈答品に名を連ねる。

 さて夕張は高品質を売りに国内の需要に満足せず、十年程前から輸出を企てそれなりに出荷しているようだ。


 米もそんな取り組みを大々的に実行するべき時が来たと僕は思うのだが。世界での日本食ブームは米食促進の一つのムーブメントでは無かろうか。一足早く、各メーカーが炊飯器の輸出を手掛けているのだ。日本産米に特化している訳ではないけど、単粒種のジャポニカ米なら美味に炊きあげるよなんて雰囲気満載だ。

 米国のジャポニカ米は地産地消で米国内で消費させれば、ウハウハ鴨。


 平井氏は日本の可能性を無視するなぁ。ヤッパリ最後は何処か変なぶちズルらしいな。






日本人の手に日本を取り戻そう!