宮崎正弘の国際ニュース・早読み [宮崎正弘の国際ニュース・早読み] - メルマ! | Hideoutのブログ

Hideoutのブログ

ブログの説明を入力します。

 四月に古稀を迎える爺ののブログです。

 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。


 貴方の処は大丈夫?


宮崎正弘メルマより
http://melma.com/sp/backnumber_45206_6367137/
************************************
                  
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)5月15日(日曜日)弐
          通算第4904号 
                                    
 
 カナダで大郷邸を購入した謎の中国人は
   周小川(中国人民銀行総裁)の息子だった
************************************

 バンクーバーの高級住宅区(カーライル岬区)に途方もない大豪邸が建つ。敷地6879平方メートル、5つのベッドルーム、8つのバスルーム付き。推定価格は3110万カナダドル(30億円に相当)。

 映写室も、プールも備わり、バンクーバーの不動産市場はじまって以来の高値で取引され、「買い主は誰か」と俄然話題となった。

 地元紙の「バンクーバー・サン」が伝えるところでは購入者は「学生」と印されているのみだった。そこで、香港「文わい報」(5月12日)が調べたところによれば、この購入者は中国の中央銀行(人民銀行)総裁の周小川の息子「周シタンユィ(音訳不明)と判明した」という。

 東京の豪華マンションは発売と同時に売り切れる状態が続いている。実態は中国人が買っている。こうした動きの背景にあるのは中国人が「人民元の大暴落が近い」ことを肌で直感的に感知、もしくは予知しているからである。

 春節に前後して中国当局は観光目的の海外旅行に、持ち出し上限を厳格化し、さらに税金を一気に二倍から三倍にあげた。

このため化粧品や時計には60%が課税され、連銀カードの上限も厳格に減額されて、日本ばかりか世界各地で中国人の爆買いは「突然死」を迎えた。小誌が重ねて予測してきたことが現実となった。
日本のデパートもせっかく突貫工事でしつられた高級時計売り場など、閑古鳥である。

 香港でも人民元の持ち出し上限額は二万元となって、買い物ブームは去った。

 かわりに外貨預金がブームである。

 英紙フィナンシャルタイムズによれば、中国の中産階級のうち、45%が貯金の一割を外貨で持ちたいと希望しており、すでに29%の中間階級は、外貨預金の手当は終わっていると答えている。

 2014年に、なんと、76089名の中国人が米国でグリーンカードを取得した。

 また同年に「投資移民」を10692名を米国当局が認めたが、このうち9128名が中国人だった(NYタイムズ、中国語版、5月12日)。

じつに88%が中国人なのである。


 こればかりではない。2014年から15年にかけて、米国へ留学した中国人は、じつに304040名、三年前に比べて11万人多い。

 中国人が中国に未来を見限っているというのが実態ではないのか。

         ◇△□◇○○○○ 宮 ○○○○○○○ 
                                    
(休刊のお知らせ)地方講演旅行のため、小誌は5月16日、17日が休刊です。 
                                    
◆書評その1 ◎ しょひょう ▼ BOOKREVIEW ▽書評
                                    

 「マイナス金利」を肯定的に評価する二人の論客も
   デフレ脱却に関しては根底的な対立となって伯仲の対談

  ♪
長谷川慶太郎、田村秀男
『世界はこう動く(国内編) マイナス金利の標的』(李白社、発売=徳間書店)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 マイナス金利は長期に続くだろうし、結局は日本経済のために良いことだというのが、この二人の対談の結論である。

いまのマスコミの経済論壇主流派らの意見とは真っ逆さまの議論だが、読んでみるとしっかりと説得力がある。

 以前の小誌にも評者(宮崎)が書いたことがあるが、マイナス金利とは「銀行補助金」を止めることであり、銀行業界は否応なく再編・統合に向かわざるをえない。

いまですら、三大メがバンク(三菱、みずほ、住友三井)に再編され、海外業務の拡充が成立したが、地銀、信用組合、そして農協バンクは、これからどうなるか。

 カネの流れこそは経済活動の血液、心臓部である。

 田村氏はマイナス金利を「金融機関が手持ちのお金を貸し付けもせずに日銀当座預金に豚積みしたままにしておいてはいけないということ」だと言う。

 これを受けた長谷川氏も「資金の活力を復活させる手段としてマイナス金利は大きな利点がある」と答えたうえで、「日銀の真の狙いはそれによって日本の金融機関の整理・統合を促し、日本の金融機関の近代化、合理化、国際化をはか」るものだと言う。

 だが短期的に見れば効果は上がらず、マスコミは負の部分しか報道せずに「マイナス金利は失敗だ」と辛辣な批判を展開するメディアがかなりでてきた。「アホノミクス」などと反論を書いているのは、なぜか銀行、証券など金融業界の人が多い。


 田村氏はこうも言われる。

 「異次元金融緩和による円安と株高でたしかに民間には活力が出ました。私は脱デフレの金融緩和という点でも異次元金融緩和で良いと思う」としながらアメリカとは異なって個人株主の少ない日本では消費が劇的に向上する場面がなかった点を懸念する。

それはともかく金融緩和はデフレ脱却に繋がるとする田村氏とは真っ向から対立しデフレ脱却はあり得ない、それこそ戦争でも起こらない限りデフレ脱却は不可能と断定する長谷川氏との対立点が、本書の特徴である。

 通読して現在のアベノミクスが抱える弱点、問題点が浮かび上がる。また日銀、財務省の病理も理解できて有益だった。
          ○○○○
                                    
◆書評その2 ◎ しょひょう ▼ BOOKREVIEW ▽書評
                                    

 中国は崩壊するのか、どうかで熱烈な議論が続く
  G20は中国発世界恐慌を恐れ、北京はむしろそれを梃子にした

  ♪
長谷川慶太郎、田村秀男
『世界はこう動く(国際扁)日&米堅調、EU&中国消滅』(李白社、発売=徳間書店)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 二冊セット本は「国内」と「国際」に分かれ、この本では世界経済の行方に焦点が当てられる。

 「中国は崩壊すべきだ」と二人は完全に一致している。

 相違点は田村氏が「国際社会が中国を温存しようとしているため、崩壊が急速には進んでいない」とする意見に対して、長谷川氏は「国際社会がどうあれ、中国崩壊は避けられない」とする。

 中国で何故「信用恐慌」が起きないかといえば、田村は「あの国の金融機関が国際化されていないからだ」と単純明快。

 田村氏は香港特派員経験もあるので、アジア通貨危機当時に、ジョージ・ソロスが密かに香港でオフィスを開き、虎視眈々と人民元暴落投機を仕掛けようと準備していた秘話を披露している。この話は知らなかった。

 ソロスの動きを察知した朱容基が、ルービンに電話をかけて、潰したという。この説の真偽の程は分からないが、この時の屈辱を晴らすため、ソロスは一月のダボス会議で「中国のハードランディングは不可避的である」という発言に繋がったのではという推論が出てくる。

 人民元暴落をしかけるために欧米のヘッジファンドは、いまか、いまかと構えていることはよく知られるが、これを「中国は「ソロス兵団」と呼称し、防戦の構えである。

 ところがソロスのところへ「参加したい」とカネをもって駆けつけているのが中国人投資家連中だというのだから、目も当てられない喜劇となっているそうな。

 さはさりながらお二人は「中国は崩壊する」という「期待」もしくは「待望心理」に基づいて発言されているが、無造作に「中国崩壊」と言われている箇所がとても気になる。

なぜなら「中国」は崩壊しないのである。

理由は至極簡単で「あれは国家ではなく、王朝」であり、正しく言うのなら「中国共産党が崩壊する」のである。王朝の崩壊、交代劇こそが中国の歴史である。

 もし中国が近代政治学でいうところの「国家」であるならば、国家組織、つまり行政の末端にまで機能するまつりごとがあってしかるべきだが、行政は一皮むけば党細胞、つまり党が国家の行政を装っているにすぎない。

 党中央軍事委員会が、国家軍事委員会の仮面をつけているがごとく、地方政府は市長より、当該市政府の長より、党委員会書記がすべての権力を掌握しているように。
 
 長谷川氏は株式市場に関してもこういう。

 「社会主義を掲げる中国のような国に株式市場があることがおかしい(中略)。中国の株式市場はインチキであって、中国共産党がいくら手練手管をつかって株式市場の維持を図ろうとしても限度があります」

 対して田村氏は

 「しかし中国の金融には、地下銀行が非常に多いという別の強みもあります」と反対論を展開され、こう指摘される。

 「歴史的に何千年も戦争が続いてきたため、同郷の人間など仲間によるネットワークのなかで個人間の信用が重視されるようになり、地下銀行が民間に広く根を張るようになった」(110p)。

それゆえに「中国は崩壊しそうでしない」と推論をまとめる。


 ▼突然の中国経済崩壊は日本にも甚大な悪影響がある

 さて評者(宮崎)は、さきに刊行した田村秀男氏と渡邉哲也氏との鼎談『中国経済はどこまで死んだか』(産経新聞出版)のなかで、中国の『資本規制』を消極的ながら肯定的にみた。

第一に、中国はこの措置により明確にグローバリズムの流れに棹をさした。第二に国際協調路線を無視し、独自の政策に打って出た措置により、自らAIIB、シルクロード構想を矮小化させた。

 ところが田村氏は断固として『資本規制』の導入に反対意見だった。理由は明らかに『中国経済の崩壊を延命させる措置だから、反対』というわけだ。

 評者は、いずれ中国経済が崩壊し、人民元は大暴落を演じると予測しており、ここでは田村氏とあったく同意見だ。

だが、突然の大崩壊は、日本企業にも日本政府にも日本人の投資家にも『準備』が出来ていない。

したがって唐突な中国経済の崩壊は、この際は避けるべきだろうと思うからである。 


 ▼日本の損失は少なく見積もっても23兆円になる

 甚大は悪影響を日本はなんとしても回避すべきである。

 中国経済の大失速によって日本はどれほどの被害を被ることになるか?

 直接投資としてトヨタ、日産はじめおよそ二万社近くが工場建設などに投じたカネは少なくとも1000億ドル(11兆円)である、

円借款は3兆円強。日本政府がつきあいで保有する中国国債は6800億円。そして邦銀が中国企業(日本企業を含む)に貸し付けている残高が8兆4000億円。これだけの合計でも23兆円強になる。

 加えて日本人投資家の中国株保有という潜在的リスクも勘定に入れなければならない。

これらは主に香港経由で、香港に上場されている「レッドチップ」(中国国有企業株式)、そして日本の証券会社が組み立てて販売しているチャイナ関連の、無数の「投資信託」があり、投資額は数兆円に達している。なかには投資活動を中断した投資信託、解散した商品などがあって個人投資家の損失も相当の巨額に登るはずである。

 この時価総額は計算方法によって大きな差違が生ずるため本稿では具体的な数字を挙げないが、いずれにしても右記だけでも日本のGDPに占める割合は相当なものになるだろう。
 
さらに問題は中国国内で営業、販売をしている日本企業が売り掛け金の回収不能に陥り、倒産するところが目立ってきた。つきあいで社債を買わされたところも15年来、社債のデフォルトが続いているため先行きは真っ暗である。

 まだある。インバウンド業界である。

 中国人の「爆買い」は突然死を迎えるだろうとかねてから筆者は予想してきたが、春節のツアーが節目になった、以後「爆買い」ブームは下火となっている。

 この影響も、じわり浸透してくる。

中国人ツアーを引き受ける旅行代理店、ホテル、免税店。とくに中国人客のために売り場を変更し、中国語のできるスタッフまで雇用したデパートや大型カメラ、薬局など、あまりに買い物の量が少なくなって真っ青となった店が多い。なぜなら中国は海外旅行の外貨持ち出しを制限し、銀連カードの上限を減額し、あまつさえ最近は銀行へ行っても両替してくれなくなった。

 第一にせっかく日本で買い物をしても、中国で課税される率が突然二倍になるというと当局の暴挙的な措置がある。化粧品などは60%、時計が30%から60%、じつに二倍の高税率が適用され、かっとなった帰国者は、商品を税関の前でぶっ壊して腹いせしているというから穏当ではない。カメラ、オモチャの課税率も10%から15%に引き上げられた。

 また紙おむつなど、日本から郵便小包で小分けして送るというサイドビジネス(これを「越境電子取引」という)も流行していたが、中国は国際郵便による輸入に関しても「行郵税」(15%、30%、60%)をいきなり導入したため突如、下火となった。

 こうしてみてくると、中国経済の崩壊は不可避的とはいえ、日本にそれなりの対策と予防措置の準備ができてからになってほしいものである。
  
   ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ ◇◇◇ 
************************************

 年金生活者にとっては、デフレになるメリットは嬉しいなだが。

 インフレは辛いだろうな。

 扨て、どうなる事やら?


 見掛けはどうあろうと、シナは王朝の交代の歴史でしかないのだ。その視点が抜けると何とも理解しがたい歴史なんだなぁ。共産党王朝がどんな倒れ方をするのかが、現時点での余生の楽しみなんだが。



 次の王朝は誰がどの様な王朝を作るのか? ドイツの植民地?