②宮崎正弘の国際ニュース・早読み(RMB collaps) [宮崎正弘の国際ニュース・早読み] | Hideoutのブログ

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 四月に古稀を迎える爺ののブログです。

 日本を取り戻したい……そんな事をエントリーしたい。

 覚醒したら、こんな見方になるのかなと言うものに。


 一気なのか、断続しながらなのか。人民元の下落は避けられない状況なのでしょう。

 国の為とか、国民の為なんて何も考えていないのは明らかですね、中共政府は。自ら握っている権力を簡単には手放さないぞ、が今行われている諸々の政策?なのですね。それが、悪手なのを認識しているのやら、していないのやら。

 習近平は口先ばかりで、「何とかしろ!俺のメンツを潰すな!」しか言わないのだろう。ホントに中学もまともに卒業したとは言えない餓鬼大将?


宮崎正裕メルマより
http://melma.com/sp/backnumber_45206_6319377/
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成28年(2016)1月25日(月曜日)弐
          通算第4789号  
                  

 人民元暴落はいかにして起こるだろうか?
  通貨供給量からみても、高金利から判断しても暴落は秒読み
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人民元暴落のシナリオは以下のようになる。
 まず、人民元は投機対象としての「金融商品」と仮定すれば、市場は需給関係で決まるはずである。
原油、金銀などの商品市況の一つが人民元であるとすれば投機筋の空売り、ヘッジファンドの思惑が交錯するとはいえ、FREE FALLを開始するだろう。

なぜなら中国はさかんに裏付けのない人民元を増刷しているからである。しかし、そうならないのは人民元がドルペッグ制を採用しているからである。

 97年のアジア通貨危機の際にも、ジョージ・ソロスはタイバーツ、マレーシアリンギに続けて、香港ドルの下落を先読みして投機したが、中国が当時金融鎖国状態であったこと、香港が徹底的に香港ドル防衛のオペレーションを実行したため、人民元暴落は回避できた。
もっとも、当時の中国の金融規模は小さく、世界の投機筋が勝負を駆ける場でもなかった。

 2016年1月21日、春節を前にして人民銀行が市場にばらまいた金額は7兆円、通貨供給を増やして景気の減速に配慮したとされる。
ところが、前日に香港では人民元暴落回避のために中国国有企業が為替市場に大々的に介入していた。
つまり元買い、ドル売りである。直前までにも、香港ドルをいまのうちにドル、ユーロ、円などの外貨に両替しておこうとする動きが顕著になっていた。

 香港ドルは人民元安に連動して、8年5ケ月ぶりに1ドル=7・82HKドル台に下落(通常は、1ドルが7・5HKドル)、これに連鎖して香港株式は3・8%の急落をみた。
香港からも通貨下落を予想した外資系が資金を引き揚げ始めたからだった。

ところが、香港の銀行間で人民元がたりなくなり、香港の銀行間の取引金利が、な、なんと66%もの高金利を記録した。
まるで通貨暴落前夜のような、無茶苦茶な高金利、二年前に中国で翌日物が24%という異常な高金利を出現させたことがあったが、たとえ翌日物とはいえ、これほどの金利は史上稀である。

 人民元暴落をあらゆる手段を講じてでも中国が守ろうとするのは、資本流出を防ぐ目的が一番強いだろう。
 もっとも人民元は上下限が設定された狭いレンジのなかでしか変動しない管理相場体制であり、しかも人民元はドルペッグである。
従って「金融商品」としての対象ではない。


 ▼中国当局が避けたいのは完全変動相場制への移行

 中国がSDR入りの条件として「完全変動相場制」へ移行するとなれば、ヘッジファンドの餌食になるリスクが高まる。したがって北京当局は為替管理に極めて慎重であり、おいそれとは変動相場制度への移行を認めない。

 もう一つ「従って」、人民元の正式なSDR入りはさらに遅れることになる。中国共産党にとっては、為替管理という締め付けが行えないことは権力の放棄でもあり、絶対に手放せない特権でもある。

 ロシアは対照的にエリツィン政権以来、ルーブルを変動相場制へ移行させているため、FREE FALLが起こる。プーチンのクリミア併合、ウクライナ内戦までは1ルーブル=3円50銭あたりを維持してきたが、原油価格崩落以後、ルーブルの暴落がはじまり、2016年1月22日には1ルーブル=1円44銭をつけた。しかも、もっと下がる気配である。

 次なるシナリオは、徐々にではあろうけれども、人民元の市場への順応が行われるとすれば何が起きるか。

 為替相場とは第一に金利、第二に経常収支できまる。
第三は思わぬ方向からでてくる政治相場だが、これは国際社会の「大調整」が行われるときで、ニクソンショック(ドルと金兌換停止)、スミソニアン合意(ドルは360円から308円)、そしてプラザ合意、クリントン政権下の無理矢理のドル安演出、そしてオバマ政権下で行われたEQである。
 
金利相場は、FRBが昨師走に利上げしたときに起きた。ドル高が急速に進行し、1ドル=120から125円あたりまで進んでいる。
 アメリカはただし、経常収支が巨額の赤字、日本は恒常的に黒字である。ゆえに金利相場が一服すると、円高に再びぶれ始め、2016年1月現在は1ドル=115円台をつける。
 
政治相場とは、こうした市場原理を越えて、想定外の為替操作を付随する政治的方向の転換がもたらす。
 すなわちEQとは、金融緩和の名の下にドル紙幣を大量に市場へ供給したわけで、明白な結末はドルの価値がさがる。通貨安戦争である。

 アメリカの遣り方に欧州が追随し、中国もさかんに札びらを印刷したが、なにゆえか、このとき日本銀行は金融緩和をしなかったため円高が進んでしまった。白川日銀総裁は、この政策的齟齬によって批判が集中することとなった。

 民主党政権下で一時出現した1ドル=79円というのは狂気の沙汰でもあり、日本の製品は輸出競争力を失い、メーカーは海外生産に踏み切らざるを得なくなり、国内産業は空洞化する。


 ▼通貨安戦争は再発するだろうか?

 この反対を行ったのがアベノミクスで、例の「黒田バズーカ」で大量に資金が市場に供給され、ようやくにして円高が円安へと反転し、したがって企業業績はあがるから株価急騰となる。
 アベノミクスは、称賛されたものだった。

 つまり世界の金融市場に円があふれ出せば、為替堰場で日本円は安くなるのであり、現在、中国人民銀行の資金供給は経済原則に照らせば、人民元の価値を大幅に下げることになる。

 過去数年、ギリシア危機などでユーロが下落する場面が往々にして起こったが、EU市場でのユーロ下落は不動産バブル崩壊に伴奏して起きたことが分かっている。
 2012年に、ポルトガルはGDP成長がマイナスとなって、隣のスペインは不動産バブルが破裂し、スペインの銀行はブラジルに貸し込んでいた債権の回収を始め、それが連動してブラジル経済も悪化した。

 三年前にスペイン各地を回ったことがあるが、とくにバルセロナ郊外の海岸線一帯に造成されたリゾート群が「がら空き」、殆どが売れ残り状況にあった事実を目撃して、「これじゃ中国の二の舞になる」という危惧を抱いた。連動したブラジルの通貨レアルが下がり始めた。

97年のアジア通貨危機では、邦銀がアジア諸国から資金を引き揚げ、アジア経済はさらに悪化したが、あのときと同様なことがスペインと旧スペイン、ポルトガル領土だった南米諸国でもおきていたのである。


▼ギリシア危機とユーロ

 2012年からギリシア問題に端を発したユーロ危機も、本質的には同様で、バブル発生のスペイン、アイスランドなどに不動産バブルが発生し、急に沈静化させた結果、カネの行き場所がなくなったとも言える。
 ユーロから出て行った貰いたいギリシアだが、開き直りの左翼政権が登場してEU政治をかき荒らした。

 日本のバブルは、カネの行き場所が設備投資ではなく、株式と不動産市場へ奔流のように流入した結果おこった。
不動産バブルは平均的サラリーマンの所得ではとても手の出せない高みにまで住宅、マンション価格を押し上げ、需給関係ではなく、投機市場の様相を呈した。経済本来の原則から遠く外れた実態が出現したのである。
株式も同様で、あの時、日経ダウは四万円を間近にしており、機関投資家たちもエコノミストも強気だった。

 ところが日銀は総量規制、突然の貸しはがしに銀行が路線を転向させたため、バブルは崩壊し、日本は「失われた二十年」を迎えたのはいまさら指摘するまでもない。
 
すでに十年も前から中国の不動産価格は庶民が逆立ちしても購入できる価格ではなく、投機というより博打場と化していた。

 中国の中央銀行(中国人民銀行)は、それにもかかわらずマネーサプライを増やし続け、文革終了時から30年間で資金供給量はじつに705倍にも達していたのだ。

ところが、ドルペッグ制を硬く採用してきたために、暴落するはずの人民元は一貫して高く評価されつづけるという、一種フィクショナルな、異形な、人民元相場を形成してきた。

 簡単なたとえ話をすると、狐が木の葉を黄金に化かすようなものであり、しかし狸の欧米は、その黄金を意図的に本物と幻覚させ、中国とは共犯関係で人民元の国際通貨入りを支援するのである。

なぜか、ドルもユーロも金兌換紙幣ではないからであり、まして次に人民元が変動相場へ移行するとすれば、投機筋の空売りによって格好の稼ぎ場ともなりうるからなのである。グローバリズムに立脚するウォール街の論理とはカネが儲かれば、国際秩序とか経済倫理とかは二の次となり、他人の市場へも土足で上がり込んで、ごっそりと利益をもぎ取るか、あるいは読み違えて破天荒な損失をだす。

こうみてくると人民元暴落の可能性はおおいに高まっているのが現状であり、必死にそれを避けようとする中国金融当局と国際的ヘッジファンドの血みどろの決戦が近日中に開始されるかもしれない。
 
 短期的展望としては、中国当局がありとあらゆる手段を講じて人民元暴落阻止、株価維持の政策出動をつづけるであろうから、暫し相場が大規模な変動に襲われることは考えにくい。
しかしながら、ギリシア危機が間歇的に噴火するように、人民元と中国株下落は、いずれ数ヶ月以内に間歇泉のように再爆発するであろう。
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(休刊のお知らせ)小誌、海外取材のため1月27日から2月1日まで休刊となります。 
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 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム 樋泉克夫のコラム
                  
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樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1357回】             
    「街路湫隘ニシテ塵穢 集到ル處皆然ラサルハナシ」(黒田11)
   ?田清隆『漫游見聞録』(明治十八年)

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さて黒田に戻ると、漢口における「豪商」として綿布商と「?票號トス所謂銀子爲替社」を挙げ、それぞれの業態を紹介した後、これに拮抗する勢力として「烟土商」があるとして「烟土」、つまりアヘンの実態を「方今清國全省到ル所盛行必需ノ物ニシテ漸ク茶菓ト一般ノ看ヲナスニ至レリ」と説きはじめる。アヘンはお茶やお菓子のように日常生活に溶け込んでいるというのだろう。

かくして「本地ノ官商ノ如キハ殆ント之レヲ吃セサルモノナシ」と記し、10人中1,2人はアヘン中毒だが、本当に嫌う者は10人中1、2人と続ける。だとするなら10人から本当に嫌う1、2人を除けば、10人中8、9人はアヘンを嗜んでいるという計算にも成り立つ。であればこそ、「上下貧富ヲ問ハス先ス賓客ヲ饗應セントスルトキハ必ス鴉片ハソナヘサルヘカラス」という事態が日常化する。いわば生活必需品となったわけだ。とはいうものの、やはり疑問は残る。なぜ中国人は、そこまでアヘンを好んだのか。体質的に受け入れ易いのか。それともアヘンで浮世の憂さを晴らさなければならないほどに、中国の“浮世”はツライのか。恐らく、確かに、相当に、ツライんだろうな。

「少年妓館」、つまり陰間茶屋でも先ずは茶、次いでアヘンとなる。「朋友ノ交際彼此閑話ノ間亦互ヒニ之ヲ進ムルヲ以テ禮トナス」となる。だから輸入アヘンに「大ニ加税シタリト雖モ」消費は拡大する一方で、国内での生産も年々増加する。アヘン商を開業するには莫大な資本が必要だが、アヘン販路は拡大の一途で「巨利ヲ得ルナリ」。

ところで最近、必要に迫られて改めてイギリスのアジア簒奪の拠点であった東インド会社(EIC)の歴史を調べたところ、18世紀末から19世紀初頭における同社の利益は清国へのアヘンと清国からの茶葉による貿易だったとのこと。ということは当時、世界の海を支配していた大英帝国海軍の軍事費の多くの部分は、アヘンで賄われていたとも考えられる。だから中国人がアヘンを「茶菓」と同じように好まなかったら、大英帝国の軍艦が世界の海を遊弋することは困難であり、世界中にユニオンジャックが翻ることはなかったはず。

産業革命によって一般国民の収入が増加し中間層が生まれ、それまで貴族やら金持ちなど特権階級に独占されていた喫茶の習慣が一般化した。その前後に、イギリス政府が茶葉の税率を引き下げたため、中国からの輸入が急増する。イギリスとしては手持ちの銀だけでは茶葉の代金の支払いが難しくなりばかりか、19世紀になると銀の主産地である南米で独立戦争がはじまり銀価格が高騰したことで、イギリスとEICは窮地に陥る。それというのも清国が茶葉の代金支払いに飽くまでも銀を要求したからだ。

当然、イギリス側から銀が清国に流出し財政危機に陥ってしまった。かくして茶葉代金の代わりに中国に対する新たなる輸出品の開発が必要となり、EICが占領したベンガルで手に入れることのできるアヘンに着目したということになる。ワル知恵を働かせたものだ。

だから、この段階で清国がアヘン輸入を厳禁する一方、国民がアヘン吸引という悪習を止めたなら、イギリスの貿易収支は大赤字となり経済危機に襲われてしまった可能性は高い。だがイギリス側は清朝による管理貿易体制を打破し、マンチェスターで生産過剰になっている綿製品を主力とするイギリス製品を自由に売り込めるよう清朝市場を対外開放させるべくアヘン戦争を仕掛けた。これが現実だ。いわばアヘン戦争は、イギリスによる対清国貿易不均衡解消策と考えても強ち間違いはないはずだ。これもワル知恵。

黒田は、アヘン商人の他に巨利を得られる商売に「錢荘當舗(かねかし)」があると記す。この業種も莫大な資本を必要とするが、「官吏ノ貯金ヲ」資本に開業する者が多い。それというのも「支那ノ官吏ハ商賈ノ金庫ナリ」というのだから・・・びっくらポン。
《QED》
                  
◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆
                  
 読者の声 どくしゃのこえ ERADERS‘ OPINIONS 読者之声
                  
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(読者の声1)1月16日に北京で「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)の発会式がありましたが、なにやら当初の意気込みはどこへ消えたのか淋しい限りの風景でしたね。
しかも金立群総裁は「日本と米国の参加に、いつでもドアは開いている」と未練たっぷりの台詞を吐いたようですが、写真もわびしい表情です。
 まさに宮崎先生が『AIIBの凄惨な末路』(PHP研究所)で一年近くも前に予測したように、はやくも大失敗の末路がみえてきたのではないですか? 
  (TI生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)英国とドイツが資本参加していますので、年内に第一号の融資を実行すると言っています。
格付けを得られないので、AIIBボンドを起債できない。したがって、資本金を食いつぶし始めるのでしょう。しかもあれほどの鳴り物入りだったわりに初回融資は、たった20億ドル規模の由です。
つくづく日本は参加しなくて良かったと思います。
    ○○○☆★☆○○○  
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 今の英国には金融しか産業と呼べるものが無いのだろうか?不思議な国だ。導入予定の支那の原発にしても、国内から批判があるとか無いとか。

 又、支那も国内で作る物なら必要なさ気な技術を、国際規格?に合わせようとすると自信が無いらしい。日本に関係者が来て、教えを請うたとか。何故か?日本国内では報道が無い。マスゴミは全て反原発派なのだろうか?国内の原発は悪で、支那の原発には何故寛容なのか?大江健三郎、坂本竜一は何を考えているのか?


 しかし、小英王国は悪辣だな、昔も今も。