エネルギー超大国ロシアの内実を探る『石油国家ロシア』 | Hideoutのブログ

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 『石油国家ロシア』マーシャル・ゴールドマ



 露西亜を意識するように成ったのは何時だったろう? ジュール・ベルヌの「皇帝の密使」を読んだのは? スラブ民族が、モンゴルの進出で辛うじて保っていた白人誇りを打ち砕かれたのが、今に尾を引いているのだろう。アジア人に屈したくないとの意思が常に目に付く。




ウェッジインフィニティ
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/5422
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    2015年09月26日(Sat)

東嶋和子 (科学ジャーナリスト・筑波大学非常勤講師)

「逆オイルショック」と呼ばれるほどの急激な原油安が、いま世界を激震させている。原油安がもたらした連鎖反応から大きな痛手を受けたのが、ほかでもない、エネルギー超大国ロシアである。

 その直前までのロシアは、豊富な石油、天然ガスと、ヨーロッパ諸国へ延びるパイプラインによって経済力と政治力を手中に収め、軍事超大国からエネルギー超大国へと変身を遂げていた。

 ところが、米国発のシェール革命が急速に世界の勢力地図を塗り変えた。化石燃料の資源枯渇論を後退させ、急激な原油安をもたらしたのである。

■ロシア病の再来

 こうした動きは、米ソ冷戦時代を彷彿させるシーソーゲームのようにも見える。しかし、本書によると、現在の事態は「ロシア経済がこれまで矯正できないまま手をやいてきた周期的な病態の再来」にすぎないのだという。著者は、これを「ロシア病」と呼ぶ。

 本書を読めば、「ロシアのエネルギー・セクターの浮き沈みがロシアの国全体で何が起きているかをみるうえで、いかにユニークな洞察を与えてくれるかを理解してもらえると思う」。

 そう著者がいうように、本書は、エネルギーを切り口として、帝政時代からソ連時代、そして現在にいたるロシアの歴史を分析し、知られざる資源強国の内実をあぶりだす。

 著者のマーシャル・I・ゴールドマンは1930年生まれ。現在もハーバード大学ロシア・ユーラシア研究デイビス・センター終身特別研究教授として研究と教育に携わっているという。世界的なロシア経済、歴史、政治研究者であり、ゴルバチョフ、プーチン両氏らとも面識がある。両ブッシュ大統領のロシア政策アドバイザーを務めるなど、米ロ両国の内情にも通じている。

 とくにプーチン氏とは、ロシア内外の研究者やジャーナリストが毎年秋に意見交換する「ヴァルダイ会議」の場で厳しいやりとりを交わしており、本書にも生々しい場面が描かれている。

 <本文にも披露されているとおり、そこでのマーシャルさんは、すくなからぬプーチン体制の首脳たちが公職と国営大企業の要職を兼ねている実状をどう認識しているのか、といった辛口の問いをためらうことなくプーチン氏に投げかけており、そこには、親交のあったゴルバチョフ氏もふくめソ連とロシアの歴代の指導者たちを、真に国民大衆の利益を優先して行動してきたかどうか、という問題意識に立ってきびしく見据えてきたマーシャルさんの面目が躍動している。>

 そう訳者あとがきにあるように、著者の立ち位置はイデオロギーや国家ではなく、「国民大衆の利益」というところにあるようだ。読んでいて、主張がすとんと腑に落ちるのは、そうした、ぶれない立ち位置のおかげだろう。

 加えて、脅しを受けたりといった個人的な体験や、世界的な人脈から得た情報も含む豊富なエピソード、データに基づく論理的な分析が、解説に重みをもたせている。

 <石油には、議論を引き起こさずにはおかない、そして陰謀めいたところがある。ロシアには、謎にみちた、そして人を魅了してやまない何かがある。この二つが「ロシア石油の研究」という形でひとつになると表れてくるのは、苛立たせる一方で没頭させずにはおかないミステリ小説に近い代物である。>

 著者はそう語り、「発見と陰謀と腐敗と富、まちがった判断と貪欲と利権供与と身内びいきと権力の物語」をつむいでいく。

 新聞で読んで、あるいはテレビで見て、記憶の隅にあった過去の事件や断片的な情報がどこかでつながり、やがて一枚のタペストリーのように織り上げられていくのは、実にスリリングだ。

 とりわけ、ソ連崩壊後の混乱で「オリガルヒ」(新興財閥)による富の独占を生んだロシアが、「ガス皇帝」プーチンの戦略のもと、資源ビジネスを再国有化していく過程は、映画を見ているかのよう。

■国益優先企業「ガスプロム」

 資源開発を進めるために外資を受け入れつつ、開発に成功するやいなや、政府が介入して強引に事業を”召し上げる”やり口には、今更ながら驚くばかりだ。日本の関わったサハリンプロジェクトも、例外ではない。

 膨大な天然ガス資源とパイプライン網を独占するガスプロムという「国益優先企業」の力を背景に、エネルギー供給停止という脅しをちらつかせるロシア。「冷戦時代よりも強力な立場にある」ロシアに、ヨーロッパは有力な抑止力を持ちえるのか。世界を巻きこむパイプライン戦争の話は生々しい。

 そもそも、世界最大の石油産出国になるほど資源に恵まれながら、ソ連はなぜ1991年に崩壊したのか? CIA(米中央情報局)はソ連崩壊に際し、何らかの役割を演じたのか? 当時はエネルギー超大国でなかったロシアが、どうして現在そうなりえたのか? そのどこまでが資源によるもので、どこまでが周到に練りあげた政策によるものなのか? ロシアが新たに見出した富と権力の受益者はどんな人々なのか? チェスにたとえると、プーチンは終盤でどんな詰め手を指そうと考えているのか?

 これらが、本書で扱われる問いの一部、いわば、ジグソーパズルの断片である。

 <もっとも大事な点は、ながきにわたり軍事超大国たらんとして失敗したロシアが、かりに意図しない結果だったにしろ、別の種類の超大国、経済とエネルギーを力のよりどころにする超大国として登場したことである。ロシアはいまそうした影響力をどんな風に使っているのだろう? そのことが世界にとって今後どのような意味合いをもつようになるのだろう?>

 本書のオリジナルは、オックスフォード・ユニバーシティ・プレスから2008年に刊行された。2010年刊行の日本語版には、ロシア経済がその後の世界不況から受けた打撃やプーチン=メドヴェージェフ双頭体制などを論じた「石油国家かプーチン国家か——日本の読者のために」が加筆されている。
昨今の逆オイルショックの衝撃まではたどれていないものの、「歴史は繰り返す」だけに、本書は、石油国家ロシアとそれを取り巻く世界の未来を見通す一助となるに違いない。「抑制なしのエネルギー大国」にどう向き合うべきか、日本人にとっても大いに示唆に富む一冊である。

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 露西亜には未だに「タタールの軛」が色濃く残っているのかもしれない。それが、帝政→ソ連(社会主義)→崩壊後の今に至るまで、形は変われど、王を頂点とし、周りを貴族で固めた独裁国家が作られるでは無かろうか。

 そう考えると、プーチンは王で有り、メドヴェージェフは取巻きの貴族の一人でと納得する。

 露西亜人の悲願は欧州人として認められたいと言う。だが認められてはいないと。トルストイの「戦争と平和」の中に貴族の娘が仏蘭西語で数学を学ぶ場面があった様な。

 西にヨーロッパ人と認められない屈辱。東にタタールの軛。居丈高に振る舞いで、自らの存在を示さなければ、認められないし、被支配者だった過去も拭い去れないと言う事か。と考えると、ソ連崩壊後も露西亜国民は、支那とは変形の奴隷と認識しても良いのかもしれない。

 記事読んでも、本を買って読めよか。時間無駄、って事も無いか。ジュール・ヴェルヌを久し振りに思い出させてくれたから、まぁいっか!

 「八十日間世界一周」は面白いよね。最後の最後まで手に汗握る。デュマの「モンテ・クリスト伯」に似てるなと思ったら、付合が有ったと、ウィキペディアに載ってて、一安心。
 ε-(´∀`*)ホッ


 プーチンは暫く放置が正解だな!晋三くん、深入りするなよ!