SUSの溶接で酸化する原因。 | oka-d-artのブログ

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こんばんわ。今日は肌寒い1日だった岡崎地方。段々と冬が近づいてきています。私の先輩は早速冬用タイヤに換えていましたよ。彼は雪山に遊びに行くので早めの準備?みたいですけど、もうすぐ12月(師走)なんですね~。

 

さて、今日の納品。「まいどありがとうございます。」

 

 

スタッフのアキヒコ君が少しづつ革製品を作ってくれてオークションの方にも出品始めました。

 

黒皮鉄板もヌメ皮も「育てる」ということが楽しみなひとつでもあるのですが、それにはコツもあります。ただ単に経年させるだけでは「いい味わい」はなかなか出てきません。

 

革については私もド素人に近いので、今度スタッフのアキヒコ君に語ってもらいましょう。

 

今日は溶接の酸化について。主にステンレスのTig溶接でのことを取り上げてみます。

 

そもそも、なぜ?酸化するのかと言われれば、そこに酸素があるからというのが主な原因。終わり。

 

って、言うと多分これからブログを見てくれなくなるだろうからもう少し掘り下げて考えてみましょう。

 

主原因は酸素があるからで間違いないのですが、なぜ?酸素があるのか。(大気圏内だから、なんて言ったらほんとに怒られそう。(笑))

 

まじめに、

・アルゴンガスが当たっていない理由。

 a トーチの角度が悪い。

 b 周りの雰囲気、例えば屋外で風がある。

 c アルゴンガスの流量が少ない。または、「ケチっている」。

 d 溶接終了後のアフターフロータイムが短い。

 e 母材の厚さに対して、そもそも溶接電流が高い。

 f あまりにも溶接の進むスピードが遅すぎる。(母材の温度が上がりすぎる。)

 

こんなところでしょうか。では、原因が分かった所でひとつづつクリアしていけば酸化しない溶接が出来るようになります。(これを実践すると、歪の少ない溶接が必然的に出来ます。)

 

「トーチの角度を正しく、風のない場所で、アルゴンガスを沢山出し、アフターフロータイムを長くして、電流を低く、適当なスピードで進む」、事が出来れば酸化しないTig溶接が出来るわけです。

 

では、トーチの角度は何度が良いのか。45度以上トーチを起こしていくと(50度、60度とトーチを立てて行く)アークはどうなるのかやってみてください。

 

a~fのなかで一番起因しているのは、私はアルゴンガスの流量だと思います。色々と相談されて現場(現物)を見に行くと、私が見るのはまずアルゴンガスの流量です。これでほぼ終わりということがほとんど(ちょっと言いすぎかな。)です。

 

何故か?アルゴンガスをケチって2L/minや3Lで溶接をやってるんですよ。一所懸命に酸化しない様にトーチの角度を変えたりしているんですけどね。(笑) これでは、巧くならないと思うんですが。。。

 

そういう私もやり始めの頃は、酸化するSUSの板材を眺めてなんで黄金色にならへんのやろう~と溜息ばかりついていました。20年くらい前の話でしょうか。当時はユーチューブやHPなんて観れる環境はなかったし、そんなサイトも有りませんでした。今は溶接の上手な方がユーチューブで動画をアップしてくれる良い時代になったな~と痛感いたします。

 

言葉ばっかりで映像ほど説得力のない記事になってしまいましたが、なぜ?酸化するのか?という答えを見つけるには、要因を理解しひとつづつクリアしていけば誰でも酸化しない綺麗な溶接ビードが見られるようになります。

 

ローリングやストリンガー・ウィービングで真っ直ぐに綺麗な鱗のビードを作る練習はこれが理解できれば練習あるのみのような気がします。

 

私は、誰かに教わった経験がない(師匠が居ない。)ので本で勉強したのですが、本の書いている条件を丸のみして溶接しても全然駄目でした。ただ、本の良いところは文字でひとつづつ原因を理解できたことは良かったと思っています。

 

あとはアルミや銅、チタンを溶接してその違いを理解すれば「達人」になれるのではないでしょうか。私なんてまだまだ未熟です。

 

文字ばかりで分かりにくい記事になってしまいました。今度機会が有れば写真で実験しながらでもやってみましょうか。

 

 

それでは、また明日。